すべてのおすすめ
きみの柔らかな手のひらで
冷えた肩を包んでくれたなら
ぼくは大空を舞う鳥になる
高く 高く どこまでも
澄みきった空を目指し
青く溶けて自由になれる
やがてあたりは暗くなり
たくさん星が ....
きみの何気ない頬笑みでぼくは生かされている
交差する熱視線は刹那から永遠に続くと思った
きみの手のひらはとても柔らかく暖かくて
冷たいぼくの手を優しく包んでくれた
戸惑うぼくの頬は少年のよ ....
トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
山あり谷あり色々あって生きてきた
雨の日も風の日も晴れた日も
トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
路端にはいつも美しい花々が咲いていて
乾 ....
美味しいものを食べに行こうなんて
頬笑みながらきみは言った
もうすぐ別れてしまうのに
多分ぼくたちは一番親しい友達になるだろう
残された想い出たちが五月の風に飛んでゆく
あの頃は流れ星を ....
いつの間にか眠っていた
開け放っていた窓から冷気が忍び込んでいる
午前2時か3時だろうかと思った
時計の針は10時を指している
煙草を1本燻らせて
深夜のスーパーに買い物に行こうと思った
....
この空のもと
一輪の花が咲いている
それはあなたのようで
五月の風に揺れながら
美しい声で歌っていた
出逢ったことが不思議で
わたしは日々あなたの文字を追い
あなたは日々わたしを追い ....
時には私にささやかな愛をください
例え嘘でもいいのです
内心蔑んでいてもいいのです
少しだけ冷えた肩が暖まります
浮き草のような私は
ただ水に流されて
もがいても もがいても
何かに ....
真夏の予感に誘われて
まだ暗い路を車で飛ばし
やがて東の空は鋼色を帯びてきた
ウィンドウを開けると
潮の香りが車中に満ちて
風の言葉に誘われ浜辺に着いた
五月の歓びが背筋に走る
男か女か ....
脂と赤身がバランス良く層を成した豚バラブロックを
塩一掴み・紹興酒・葱・生姜・醤油、で煮込んでいる
もう眠たいのだけれど一時間は待たなくてはならない
チャーシュー・チャーハン・酒のつまみ・何でも ....
群青のうねりと尖った氷山をかき分け
巨大なヤツが俺を片眼で睨んだあの日から
俺は毎日1インチの縄をキリキリと絞り
玉鋼の銛を鍛えては研ぎ続け
ラム酒をあおってはヤツを呼ぶ歌を唄ってきた
....
人間の細胞はおよそ37兆個の細胞からなるという
元素は酸素・水素・炭素・窒素・カルシウム・リン
手元に残るのは焼骨のリン酸カルシウムくらいだけだ
残された者はそれを後生大事に故人を偲ぶ
大空に ....
強がりな若葉が芽生えたから
車を飛ばして海を見に行こう
お弁当はトマト・レタス・生ハム・チーズのサンド
カラシマヨネーズを効かせて
ほら 遠くに洋紅色の貨物船が浮かんでいるよ
きみは う ....
胃を失ってからどれくらい経つだろう
彼方に去ったあの頃は
タンメン・炒飯・餃子くらいは当たり前で
身長169cmで体重は96kgあった
いまは62kgで絶好調! 動きやすい
胃の無い者の食事 ....
鉄筋コンクリートの我が家はまだ冷たくて
絨毯の上に固めの羊毛布団を敷き
モフモフの毛布を敷き詰める
上掛けは薄手の羽毛布団に軽い毛布を掛ける
ゆっくりと冷えた足を暖めては
睡魔の訪れをゆっく ....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく
腹が減った
赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
あの時
のぼくは何を思っていたのだろう
色欲にまみれて本性をうしなっていた
いまは瀬戸内寂聴さながらに煩悩即菩提を受け入れた
香を焚き
灯を点し
経を読み華を散らし
鐘を鳴らし
生 ....
ぼくはなんという大馬鹿ものなんだろう
話はみなぼくのわがままばかりで
きみを深く傷つけた
欲しいものを正直に欲しいと言わず
何より大切なきみを失った
歳の差を気にして戸惑い嘘をついた
もっ ....
舞い落ちる
舞い落ちる
花びらに埋もれて眠りに就きたい
潔良い花のように
波乱万丈の路を歩んで来た
想い出が有りすぎて
ぽろり ぽろりと喜びの涙が零れ落ちる
数えてきれない壁を突き破って ....
香を焚き
花を散らし
夜は更けてゆく
想いは深く星空に消え
来し方を想いだす
きみと暮らした18年
時には重く
時には軽やかに過ごして来た
互いに栄華の時は過ぎ
これからは別 ....
ここ半年で二人の女性に片想いをした
妙なことに二人とも腰に複雑なボルトが埋め込まれ
夜のお付き合いは出来ないと言う
ぼくも薬の副作用で役に立たないでいる
精々がハグをしてキスをすることしか出来 ....
何故こんなにも深い夜がきたのか
今日という日は永遠に忘れない
二人だけの言葉を交わし{ルビ美酒=うまざけ}を飲み干した
きみの一言がひとつひとつ胸に染みる
今日という日は二度とない
きみをま ....
ぼくたちは紅い満月を指差し
何処までも遠い空に咲こうと囁いた
きみの瞳は珠玉のように煌めいて
今までたどった刹那さがゆっくりと溶けてゆく
前世から求めていたきみの肩を抱き
これから果てしない ....
私という存在を証明するものは何もありません
有るようで無い
無いようで有る
闇に明滅する蛍火のように微かなものなのです
煙草をふかし
ウイスキーを飲み干し
少しの食事で生きていることを ....
人は誰もが悲しいですね
想いを伝えたくても伝わらず
虚空に手を伸ばしても掴まらず
息をするのも煩わしくなるのです
人は誰もが孤独なものですね
独りで生まれて泣きだして
独りで亡くなり召 ....
紅い涙の河を渡ったら
青い星が一粒落ちました
それを拾おうと旅にでかけます
暗い夜道は白く浮いていて
寂しさは少しだけ薄らいでゆきました
突然の別れは胸を突き
思ったように息ができ ....
悲しくて
苦しくて
切なくて
ポロポロ涙が{ルビ溢=こぼ}れます
心が透明になったら救われるのでしょうか
この身体が朽ちたら救われるのでしょうか
今はただ
輝く川面を眺めては
....
舞い上がれ大空高く
透きとおった風となり
自由の天地を目指して
鼓動は久遠の鐘を鳴らし
晴れやかな未来図を描こう
大空は澄み渡り
一羽の{ルビ白鳥=しらとり}が気流を捉え
深い青に溶けてゆく
帰って来いと叫んでも
真澄の彼方に飛び去った
冷えきった{ルビ水面=みなも}に鯉が跳ね
辺りの静寂を切り裂 ....
夜行列車に乗り込む前に後ろを振り返ってはならない
明日という希望を叶えるために
終着駅などわからなくてもいい
天気予報では明日はおおむね曇り空らしい
朝日を浴びることが出来なくても構わない ....
冬ざれた街
物語は化石の路となり
人々は狂った時計に戸惑い
孤独という鉄鎖に縛られ
微笑みは寒空に消えてゆく
あなたの声も届かない
初めて出会った時の切なさも
セピア色に変色した写真 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16