あゝもう一歩を押し進めよと
心の声が波紋を広げ
此処に在ることのまた不思議
火炎噴き上げ迫り来る
冷たい岩に乗る足の
感覚だけに
集中し
広がる意識に楔打ち込む
今望郷の念、込 ....
ふうわり
綿毛となって
とんでゆけ
忘れの国へ
とんでゆけ
そうだよ
地の底だって
じつは天井
(かなしいね
かなしいよ)
さあ
思いの儘に
とんでゆけ
....
疲れたから
今日は洗濯物が乾きそうにない
疲れたから
今日はコンビニをスルーした
疲れたから
歩道橋の階段は昇らない
疲れたから
今夜は性欲わかない
疲れたから
天使 ....
触の日に虚実交じりて歌合戦
詩人たちが眠る森で
私は目覚めた
魔女たちが夜空をとびかい、
光る無数の妖精たちは、
夜つゆを飲んで歓びはしゃぐ
草木の葉を揺らし、
紅いキノコのまわりを
皆で踊り囲んで!
よいか、 ....
青竹や潜るパンセの空ふ紘
僕のぽけっとの紙片には
最新のもっとも無駄な解答が記されている
人生に必要なものの殆どが木箱にしまわれて
博物館の収蔵庫の奥深くにおさめられているとしたら
菫や蓬の花のように路傍にさり ....
夜の列車に乗り込んでいた。
窓に流れる暗い街の顔。
車窓に投射された、古い白黒映画を少年は見ていた。
雨に侍と農民たちはぬかるみ、矢と刀を腕に、煙と脚に混じりあう。馬は眼を剥 ....
かくれんぼでもないのに
おしいれに入る
大人になった僕だって
泣きたい日はあるから
おしいれに入る
布団の柔らかい重み
心地よい苦しさ
そのうち僕は
安心して眠ってしまう
....
なにかを
忘れている
ようなこの夜に
なにかが
湧いて来る
ようなこの夜に
向かいの家の台所の
橙色のランプが点いて
それが仄かに懐かしい
光跡を辺りに散らしている
なにかを
....
わたしの苦しみは
わたしの苦しみ
あなたには体験できない
あなたの苦しみは
あなたの苦しみ
わたしには体験できない
この世界の美しさは
この世界という美しさ
わたし達は体験でき ....
鏡を覗いたら顔が写った
誰かと思ったら自分だった
鏡を嫌ってたから
滅多に覗かない私は
よく自分の顔を忘れてしまう
だけど
他人の目の鏡には私の間抜けな顔が写って
しまうのだ
....
カップ麺とパンと珈琲のわたしの荒い解像度
アルコールと肉とスナック菓子の同僚のサイフと体を思う
半年前に店員のおじさんは割引の始まりを教えてくれた
甲高い声で客と掛け合ったパートのおばさ ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
開く ....
新築の家のリビングの壁を少年は金属バットで
ボコボコにした
家庭内暴力の嵐は始末が悪すぎて手に負えない
父親は少年の家庭内暴力を見ないふりをした
逃げたのだ
母親は直接的な被害者になって ....
子供の頃
隣家の製麺工場は水車が動力源だった
製麺工場は夫婦だけで営まれていた小さな工場
水は川から引かれていた
私の産まれ育った家は貧相で粗末な藁葺屋根の家だった
家の僅かな庭の前には ....
僕が世界と繋がるために
涼やかな夜風を浴びながら
今日も一つの詩を書き留める
それは静かな吐息をついて
雨降る白壁に投映される
夢の間に間の幻灯機
巨大な毒蜘蛛を追いやって
雨滴を溢す紫 ....
手荷物
持つのに疲れたら何処かに預ければいい
心の荷物
誰でも一つや二つ持っているよね
なかなか減らせないで
反対にふやしてしまう人もいる
心の荷物も
誰かに預かって欲しい
....
森は茫然と立っている
差し込む陽射しに年老いた裸身を晒す
来る日来る日は雑然と降り積もるもの
過ぎ去った日々だけが温かい寝床だ
森に佇む独りぼっちの木々たち
無表情に見合いながら黙り ....
今日のお天気は朝から愚づついてる
身体に湿気が溜まり
心が泥濘む
年に一度の雨季
ウキウキ出来る訳ない
俺のなかの男
あの人のなかには女
出逢えない
男と女
女と男
....
マシン 短くて気が遠くなる
長雨の季節には藍藻入りのスープで夜をやり過ごす ことになる
不 ....
たくさんけずったら、のこったのは腹ぺこ。咀嚼し、嚥下し、胃をふくらます。その一つひとつが、その一つひとつに奉仕をしている。
ひつようの土からでないと、なかなか生えない満足の木。そういうふうに捉え ....
そこの誰でもが背びれや尾びれをもっている
幼年時さかなだっただけなのだけれどね
そこの誰でもが哀しみを抱いている
それは
すでに干物になるまで
のこるのものかもしれないんだが
....
夜風がすぅすぅ網戸から
入って来ては肌を撫でる
その微妙な心地よさに
うっとりしている午前三時、
電車は大通りを走り雪山へ
凍り付くよな身震いを
誘いぐんぐん進んで行く
鈍色空を背景 ....
高台から遠浅の浜を眺めると波の照り返しには目が眩む。
鰯の群れを追いかけて飛沫をあげるスナメリが、
ハセイルカの一団を連れてやって来た。
小屋の喜三 ....
クソ野郎
と
クソ女が
アイしあって
何回もやっちまった
夜の市営公園
その駐車場に停めたクルマん中で
でもそんな男と女なんて
掃いて捨てるほどいるから
ホテル代ケチって ....
泣き虫だった僕が
泣かなくなったのはいつからだったろう
少しだけ嘘をついても
滅多にばれないことを知ってから?
怒られても開き直れば
強く言われないことを知ってから?
みんなと ....
宇宙に咲く花のように
秘かに青白い、
アジサイの花房濡れる頃
神の手が伸びて来る
雨降る季節を進めるために
無限を響かせ、無限が響き
鮮やかなアジサイの、微かな揺れに
一つの確か ....
私は似非詩人
今日も朝からはつらつと
詩を書いては投稿します
私は似非詩人
そろそろ早漏?
本物の詩人になりたい
でも
よくよく考えなくても
それは無理
本物の詩人なんて
....
夜風を浴びる、眼を瞑り
うっとりとして、遠い汽笛の音を聴く
夜風の冷気に、夜風の霊気に
何かがざわめき蠢いて
網戸の向こうに、唸る街
ゴォーッと木霊が反響し
波打つ孤独な内面が ....
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