いちばんだめなのが
いちばんなのだという
おかしな理屈です
それは
まちがっていますとも
なんかいめの
まちがいだったか
誰も
もう
覚えておらないのだ
もう
だれも ....
子供たち
と
遊ぶ
白い獣、
むき出しの
牙
と
ビスケット
緩やかな陽射し、
庭の歓声、
他愛ない時の流れの
そのひとこまに、
静止した
笑みは
遠い空に消え
....
夜更けには
私からもう一人の私が抜け出して
アパートの部屋から出て行く
すっかり暗くなって
静寂に飲み込まれた市街へと
彷徨い始めた
まるで夢遊病患者さんだ
コンビニの明かり ....
うつくしい
ものが
欲しい
むさぼるように
あるいは
沈み込むように
この涼やかな
夜風を浴びて
半ば発狂し
半ば落ち着き払い
細胞の、一つ一つが覚醒し
脳髄の、うっとりと微 ....
しおれた花の残骸が
赤茶け風に揺れている
昨日まで芳香を放ちながら
今は萎びてうつむいて
流れていく 流れていく
衰退の相、必滅の法
萎れた花の残骸は
やがて地に落ち来年の
春 ....
曖昧な
真の時空に咲くエバァと小鳥
ひっそり想い出かたり
狐と狸
蕎麦屋うどん屋に鎮座する
鳶と猫の視線を意識して
雨上がり
ボラは唐突に跳躍をはじめる
これ見よがしに
....
世界は夢
夢のなか
さ迷っていた
あてどなく
銀輪は廻り
戻って来る
何度も何度も
同じ場所
途方に暮れた
やじろべえ
帰り道を喪失し
戦慄狂気
均衡保ち
銀輪はひたすらに
....
きみの背後にはたくさんのごみの山がみえる
そのごみの山について
ぼくはいくらか考えてもいいだろうか
すずめが初夏のこずえにとまって
世界が軽やかにバウンドする
そんな果てなき午後の池のほとり ....
謎が多すぎる
のに
肝心な謎の正体がわからない
謎が謎を呼んでいるからだろう
謎の数を数え出すときりがない
羊みたいに眠れなくなった夜に数え出したが
余計に眠れなくなった
夜 ....
高い夜空が澄み渡り
晴れてはいても、なんともさみしい
きらびやかなネオンサイン
きれいだけれど、中身はからっぽ
あゝどうしたらたどり着けるのか
あゝどうしたら充たされるのか
途方も ....
ずっとナヤミ続けていた
ナヤミ続けていたけど
ナヤミの正体はさっぱり掴めなかった
その内に
何者かが
ナヤミから
ナ だけ盗んでいった
なので
ヤミだけが残ってしまった
....
インターネットに嵌まりこんでしまった
インターネット恐ろしき
気づいたら袋に入れられて叩かれていた
仕方ないか
インターネットの正体とはそんなものなんだろう
やっと目が冷めて
....
{引用=暖簾をくぐった
立ち食い屋で
月見うどんを食べた
丼の湯気に
うすくたなびく雲に
月がとろけていた
めんをすすり
つゆを飲み干して
店を出た
まだ肌寒い
....
戦慄の瞬き、濃緑のうねり
冷え冷えとした岩峰、空に貼り付き
街道に沿って、男は進む
連れの女の乳房は揺れて
朝の四時まで密室に二人
都会から、遥か離れ人影無く
恐怖にすくむ、ガード ....
夫が「コロナ感染者濃厚接触者」になって帰宅した
お相手とお互いマスクはしていたけれど
数時間対面で事情を聞いていたので
後からわかったのだけれど
「コロナ感染者」との濃厚接触者と認定された ....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている
その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでいく
....
ちりちりと
夜風が弾ける
肌の面
肉から解離し
タマシイの
涼やか響く
原音が
辺りに木霊し
光っている
脳髄はとろり
蕩けるよう
夜風にうっとり
流れ出す
彼方此方を巡 ....
どこにでもいる野豚
愛されているようだ
とてもまるまるとした体
分厚くて堅牢な肉の張り
つややかな桃色の毛並み
支える四肢の尖るつま先
飛び出た大砲の黒い鼻先
与えら ....
水しぶきをやり過ごせよ
虹の架け橋
背負わない傷跡を見せたくないから下着も脱がないわ
お尻の大きい外国人のお姉さん
牛さん牛さん、ダッシュダッシュ! ああ腕が回らないお年寄りな実態把 ....
何か、すこし、足しになるなら思いとどまろう、
そんなことばかりだ。
涙に含まれている疲労物質を顕微鏡でのぞく仕事があったら、そんなのがしてみたかった。
民間宇宙船が日本人飛行士をはこんだ ....
丘。荒れ狂う海。深層の平穏。緑青のガラス玉。無数のふしぎな気泡。ひとりびとり。椅子の背を撫でている手。雫とやさしさ。むなしい躊躇い。笹のスれる音。黒のビショップ。9570円。通知書。青空と奇声。凪いだ ....
そうだ! ポットに注いだまま忘れていたお湯がすっかり冷めきって
、中でおたまじゃくしが泳いでいても僕は気絶まではしないだろうね。 どちらかが死んでる雲母(きらら)
変なこと。 それ ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の奥処に蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
かつてこの星には100万の
小世界があった
1億の集落と1千の都市国家
黄金の旗がなびくここちよい風が
すべてのサーガがいまでも生きている
きみは英雄でもなくパーティーもなく
大河 ....
文字の輪郭をボカす楽しみ方は、
旅から戻ってからで良いと思う。
全てが終わってから立ち上がる言葉
納得の上で「外」に出された作品を読み、
繋がっていく楽しさを感じるなかに
詩が見つか ....
神代、人新世最初期のtypewriterを攫取。
(論理破綻前提、送受信。)
*
考えることの大事さを感じる人はかつて考えることに救われたのだろう。
考えることの大事さを感じない人はか ....
この夜陰、
独り在ることに寛いで
宇宙の時流に乗っていく
すっと孤独に留まりながら
この隙間だらけのあばら家に
雷鳴が轟くのを待っている
境界の門が開く、その時に
意識は異界の木霊に ....
誰も読まないというのは、
ある意味【特権】だ
誰も読まないから、
何だって自由に書ける
ウンコ漏らしちゃったことや、
女子に立ちションさせてのんだこと
あんなことや、
こんなことをし ....
ふと、かわいそうでかわいそうで仕方ない時がある。誰がとかではなく、何がとかではなく、ふと、何となく漠然とそうなるのだ。小学生の時、担任だった教師がかわいそうという言葉は無責任だと言っていた。ぼくは中学 ....
洋画なら
ザ・エンドとかファインとか最後に文字が出る
邦画なら 終わりか、完結の完の文字が出る
最後にそれが出て初めて終了になるんでしょ
始まりから終わり迄の途中経過を鑑賞するのが
映画 ....
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