すべてのおすすめ
あるはずの体を
あるはずの記憶で
建てなおす
あちこちにゆがんだ寂しさをもち
ありふれた色に懐かしさを覚える
吹けば飛ぶような思想を傘にして
いったいこの灰色の粘土細工の
ど ....
きみがわらう
わらうことを好きになれる
きみがなく
なくことを見つけたとおもう
きみがおこる
それはまるで宝石みたいだ
これから先
どんな気持ちが飛び込んで来るのだい?
....
ラムネって
響きが好きよ
夏の広い空や
夏祭りや
風鈴の音や
懐かしいことを思い出す
今は飼えないけど
いつか猫を飼って
ラムネって名前を付けたい
透き通った
空のよう ....
指を、
むすんで、
膝を、
ひらいて、
まだ足りないと、
いやいやをする子供ら
頭のうえにつくった輪っかに
映像がひらく
神になれなかったもののために、
....
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
風になびく
ススキの穂が
水面を滑る
眼差す太陽にギラリと光り
到来した冬は
情け容赦なく
すべてを裸にし
覚醒の輪郭を
与えていく
透徹として刄の ....
ふわふわ漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら、
わたしは貴女を知らなかった
[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]
あの青い青い宇宙の大海原を
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わ ....
「男の最期」
「砕けたガラスと現実はよく似ている…」、破片に映る空を動く雲がそう言った気がした。地に斃れた男の最期の思考はそのようなものだった。それは、まばゆくも暗くも無かった。ただ意識が遠のき ....
はやぶさ3は
日本の下町にある工場の技術が
沢山使用されています
例えば
はやぶさ3が惑星から砂塵を採取する際
微妙な振動を起こす必要がありますが
その技術は
ここ品川にある工場で
製 ....
{引用=最悪について}
第一に
記憶と紐付く負の感情一色に染まった景色を満喫しながら
自ら最悪だと帰結する狭く閉ざされた思考の環状線を延々
巡り続ける一人旅
第二に
自覚のない最悪人間 ....
おんなはおとこの子を身籠る
おとこはおんなを孕ませる
子はおんなの胎内で
その養分で育ちながら産まれるときを待つ
零から始まる何ものもない
生命もまた
零から始まってなどいない
....
線路は明日へ、延びてゆく
明日の線路は、過去へ至り
過去はまた道の続きへ
二度とない今日の日を経て
旅の列車は走り始める
恋に傷んだ、町を過ぎ
日々の重さに憂う、町を過ぎ
....
普通に生きているつもりでも
普通の領域が曖昧だから
普通じゃないのかも知れない
あんた普通じゃないよオッサン。知ってるか、この世の中普通じゃないんだから、オッサンだって普通で
ある訳な ....
巨人の吐息
甍の黄金
聖玻璃の風吹き
僕は行く
巨人が眼差す
夢の突端
輝き始める黄金の矢を
掴み取ろうと
僕は行く
一回100円で投票した後
当選者に投票した中から抽選で
8億円当たるようにしたら
区議会議員選挙にだって
行ってやるんだけどなあ
みんな穴狙いで
下ネタ全開の泡沫候補が当選したりしてさ
....
白紙があるだけで
大半は満足だ
詩人らが挙って
製紙工場へ見学に行ったいう話を
ついぞ聞かないのは
退行現象か
『詩論』で有名なホラティウスだって
パピルス製造工場を
覗いてみたこと ....
いっぴきの魚がキラッと
跳ねていく月の
一日には海辺が朱色に染まり
水平線で傾げる夕日に向かって
あなたへ告白の橋を掛ける
物語りが夜半の寝息に
幕を下ろた七日に
閉め忘れた扉をノッ ....
{引用=彫刻}
折り畳んだまま手紙は透けて
時間だけが冴える冬の箱の中
なにも温めない火に包まれて鳴いた
繭をそっと咥え
欄干に耳を傾ける
肌に沈む月
纏わる艶を朧にし
蠢く幾千幾万の ....
過去に射抜かれた弓の矢
未来の空から降って来そうな硝子の破片
時間の砂嵐は止まない
人は時がたてば変わります
と彼女は言った
一年後 二年後 三年後 歳月が経てば人は変わります ....
いつしか、
日は暮れていて足元は寒くなった
ももに置いた手は静かに落ちた
しばらく眠っていたらしく
目の前で遊んでいた子たちも
いなかった
こうして一人の時間が増えたかわりに
雨や落 ....
とにかく名前ばかり産んでいるあの子たちが
赤い一張羅を着てでていくのを見たから
星空、火打ち石、波打ち際もざわついて
やっと世界がはじまるのだ、とうわさした
結局、うまれたのは
....
冴えない身なりをして
うらぶれた街を歩きたい
擦り切れた靴を履いて
ボサボサの髪で
この世の終わりの方角を見るような眼をしながら
行くあてもなく
彷徨い歩きたい
うす汚い帽子は
....
坂道に
水の流れ、
大量に
夜の透明、
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人
君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地 ....
{引用=湿度計}
乾いた悲哀に触れる時
こころは奥から浸みてくる
湿った悲哀は跨いで通る
乾いたこころが風を切る
{引用=〇〇主義に痴漢する
Ⅰ}
知識は雄弁で ....
漂い
彷徨い
移ろう
ヒトの想い
切り裂かれ
引き裂かれ
付けられた傷の痛みは
容易には癒えない
明日の方角がわからない
ヒトが通るべきは
人の道
なのに
ケモ ....
未だに不老と不死の薬は開発されていない
絶対的な幸福を欲しがってはいけない
生命は
死の尊厳が優先されている
自由と平和を愛していても
いつなんどき
平凡な日常が壊され押し潰さ ....
ありふれた言葉なんてないんだよ
ありふれていると思う心が壁になってる
わたしはバター
熱いあなたの舌に
乗せられ転がり踊り
少しずつ少しずつ
溶かされトロリ
液状になるの
そしたら
一人悪夢に苦悩する
愛しいあなたも
いつのまにか
蕩け溶け恍 ....
街道をぶらぶら歩き進み歩道沿い
赤い赤い花の群れに
黒い革靴一つ、落ちている
右片方だけ 色褪せ 皺の寄り
黒い革靴、落ちている
存在の大海原に
今日も冷雨は降り注ぎ
個体化され ....
どこで聴いたかも
分からない
名前も知らない歌が
繰り返し
頭の中に響く
「あの頃は良かったね
あの頃は良かったね」
女の声が唄う
でも実際はそうじゃない
私の都合のいいよう ....
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