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記憶を失えば 自己証明ができない 
IDとパスワードを忘れたら 私が私だと人が認めてくれない
魂の不滅だの自己の存在理由だのと何世紀も大騒ぎしたあげく このザマか
いや待 ....
もやいがほどけて
岸からゆっくり離れ惰性ですすむスワンボート
寂れた観光地の人工湖は静かでのっぺりしている
スワンボートは誰も乗っていないんだったら
おひまをいただき
ペ ....
まぶしさがいずこからかやってくる
湖面は揺れ
私は浮かび上がろうともせず
かといって沈み込むこともなく
散り散りとなった魚たちの肉片を
生臭い目で受け止める
巣の中で縮こまる小鳥のよ ....
どこでもない幸せは
どこからやって来るのだろう
何も見えない心の奥底か
からっぽの場所に吹く風か
何気ない言葉は
どんなに深く軽い想いから生まれるのか
この思いは誰も知らない 見つから ....
{引用=主題 / ミュージカルで「作る」}
ご存じかしら?
エヴィータは私がオリジナル
ノーマだって演ったのよ
ブロードウェイでは別人で
どれもこれもが大当たり
ブロードウェイ・オリジナル ....
お正月に風呂屋へ行き
入口でもらったサービスの甘酒を手に
目に入った「足湯」に
ズボンをまくって、足を浸す
紙コップから{ルビ一滴=いってき}の甘酒がこぼれ
お湯が一瞬、白く濁 ....
いいって 気にすんな
そう テーブルの上の
サイコロが 言った
そこで 僕は
この肩に 乗った
もろもろの 煩いを
サイコロに なすりつけて
もう一度 転がしてみた
キン キン ....
正直言って
おれはやつの死を
期待していないのでは
なかった
精神分裂病と
本気で戦う気のないやつに
内心イライラしていたのだ
それに
身近な者から自殺者が出るなんて
ちょっ ....
蟹がいた
砂漠の真ん中に。
細い車輪に踏まれてつぶれたようだった
雨が降っていた
雲は見当たらないが・・
光が満ちていた
太陽は見当たらないが・・
....
きっと その
水色の子は
女の子でしょう
あなたに 毎日
愛をささやきに
来たのでしょう
私の真っ白い子は
おしゃべりで甘えん坊で
食いしん坊でした
どこからか
飛んで ....
星空が私たちに似てる
あの星があなたで
その隣が私
ここから見ると
あんなに近くに見えるけど
本当の距離は
私たちが想像できないくらいの長い距離
本当 ....
君が欲しがっているのは
たった一つの答え
ブラックホールに飛び込んだ
一粒の光のように
闇の中を手探りしている
僕は天体望遠鏡で
その足取りを見守る
君の想いはこの星を飛び立ち
....
毎年ダイエットや、
禁煙の誓いをするひとがいるように、
ぼくも、
今年こそ、
風俗断ちを誓いたい。
もっとも、
ダイエットや、
禁煙は、
健康のためなのだろうから、
むしろ、
....
月が出ている
心のように
かがやいている
孤独のように。
いかがわしい
界隈の
いやらしい曲り角で
片手に
手斧をもった
ドストイエフスキーにであった
「もう何年も
誰 ....
あなからこどもが零れ落ちるように
夢をみている
いつか
あなたの我慢がフローリングを濡らしたように
だれかの白い肌がりんごのように
なめらかな弦
だれの望みだろうか、
夜は ほん ....
輝くセピアを掻き消そうとして
焦るばかりで行動が伴わない矛盾螺旋な日々
狂おしく焦がれたのはいつまでだったかな
ともに、揺れていられたのは現実に過ぎなかったのかな わから ....
Ⅰ
ちらちらと粉雪が舞うなか
高らかにラッパの音が鳴り響く
あれは祝福の合図か
それとも最後の審判への警告か
澄んだ空に鳴り響く清らかな音に
私は身も心も洗われて行くような気 ....
{画像=120105004250.jpg}
現状認識
悔恨と希望、両極端に振れる
不安定な時代を生きる
情景は印画紙に焼き付けられ
その意味は後から知るこ ....
朝起きたら、外に出よう
白い息を吐きながら
此畜生と吐きながら
1
お正月、
特別なその日をくぐる
肩上げの晴れの着物に赤いりぼん
門松は凛々しく
遊び仲間はおすましして
行ったり来たり
どのお正月も晴れていたような
追い羽根の檜扇の実は
音 ....
わたしはいわし
網の中の一匹
それぞれに
名前をつけてやることは
できなくもないが
漁師さんにすら
覚えてもらえないのは
考えるまでもない
わたしはいわし
あがいて、もがいて、
....
{画像=120107025333.jpg}
『彼女の日記』
背の高い鷲鼻の男は優しい目をしている。
願わくば夢から覚めてあの人の
心も身体も奪い去り、これ見よがしにお揃いの
スト ....
傷つけてる?
って
聞きたいけど
聞いたところで
変わらないから
愛は
かたちのない夕暮れだから
終わりも始まりも
ただ
沈みゆく夕暮れだから
....
告白に必要なのは
ユウキ
困っている人を助けるのに必要なのは
ユウキ
会議で発言するのに必要なのは
ユウキ
暗闇から抜け出せない
私たちに必要なのは
....
雨上がりの夜空に
嗚咽のように
漏れ溢れてくる
無数の星の光
澄みわたる大気が
ひっそりと肌に纏いつく
静かに張りつめた庭で
鏡のような夜空を見上げ
何千年もの
孤独 ....
日付を見つめながら いつも どこにいく時も
知らない人といる時間であっても 誰かと一緒でありたい
そう思いたくないけれど 僕は いつも そんな気がしていた
今日は遠い日の土曜日の気がしていた ....
感覚器官償却完了
了解
復活折衝までには概算の直しを頼む AM2:00を目安ということで
今日も流れていく
体系的な文書が
中枢を
電子とかネットワークとかなかった ....
私はわるいひとだから
すきになっちゃだめだよ
そういったとき あなた
おれもだよ
少しして、足すように
きっと、そうじゃない人なんていないよ と
声に優しさ ....
腕をつくフォルム
眼球と二重瞼のバランス
背中に手を添えて
差し伸べるように
手のひらを奥へ傾ける
黒髪がしなり散らばる感触
床へ促す一連の流れを素描しながら
降りそそぐ熱い雨を
....
おならをぷぅとかみさまが
大きな袋に詰め込んで
さぁさぁでかけましょと
下駄を鳴らして境内に降りていく
かしわで二つ
じゃらじゃら がちゃがちゃ
じゃらじゃら がち ....
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