過去現在未来
こたきひろし

過去に射抜かれた弓の矢
未来の空から降って来そうな硝子の破片

時間の砂嵐は止まない 

 人は時がたてば変わります
と彼女は言った
 一年後 二年後 三年後 歳月が経てば人は変わります
 そんな事はありません ボクの気持ちは何年何十年たっても今のまんまです 貴女を思う気持ちはかわら
 です

そんな事が言える時代が彼にもあった あったからこそ口した

だけど現実に歳月がたった今
 ジェクスピアかよ 
と過去の自分をふり返り自らを笑ってしまう彼がいた

あの日彼女が言った言葉は彼の告白を拒絶していた
でも 上手に言葉をオブラートに包んでいた
それは彼女の優しさなのか
それとも彼女のプライドに依るものなのか
 私があんたなんかにナビル訳ないじゃない 少し位優しい言葉かけてあげただけで感違いし
 てさ 迷惑なのよ

もしかしたらそれが本音だったかも知れない
 だとしたら惨めな自分だったのだ

と彼は苦い唾を噛みしめた
 


自由詩 過去現在未来 Copyright こたきひろし 2020-11-15 08:20:45
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