すべてのおすすめ
果てしない空にいる
姿なきしゃにむに
あるときは
つまづいて転がっていく石ころ
あるときは
風が止まったやにわに交わすキス
ときどき現れては
影だけを残して
もとからいなか ....
たんとんたんとん
連弾し
主を濡らし
雨の降る
空は灰白、
遠い目で
見つめている
眼差しが
銀の雨足、
瞼に乗せ
すっと透過し
宙を舞う
後に響く
雨音が
たんと ....
鈴は沈む 大気の蜜へ
黙したものの{ルビ自重=じじゅう}により
若葉に光の飛沫
木漏れ日の揺り籠に落下する蜂
五月の河畔を夢がさまよう
ポケットの中に全てを失くしている ....
山奥の水が綺麗な川に
蛍が集まる場所がある
此処に来れば見られる
最近は見られる場所が
減って寂しい
魅力的な光
強い光ではなくて
柔らかく個性的な光
蛍が集まる場所で静か ....
踊れ
踊れ
誰も皆{ルビ仮面=マスク}をつけて
踊れ
踊れ
とめどなく流体化する世界の中で
踊れ
踊れ
どのリズムで
どのメロディーで
それは好きに選べばいい
踊れ
....
冷気が肌刺す深夜だな
まだこんなに冷えるのだな
窓の外では月と火星が
煌々とランデブーし
窓の内では初老の男が
悶々と起きている
この不思議な惑星に生まれて
この不思議な惑星に居 ....
かたちだけ人なんて
腐るくらいにいる
もしかしたら
もしかしなくても
人のたましいには
汚れきった血液と
清みきった空があるんだろ
かたちだけ人だけど
どうすればいい
....
緑の{ルビ扉口=とぐち}で世界がはじまる
アナザーバード
ありふれた季節に
誰でもない名前を探していた
初めて逢うひとのような
遠い
横顔を
朝露に濡れた
葉裏がひるがえる
....
GCG(別号)のパンダは
大きなタイヤさんが
居なくなってロストだから
アイミスユー
だから
一人で歌い続けます
**
「ココから歌う、君へ届けと」
***
....
嫁入り道具の鏡は夫婦の寝室の隅で埃を被っている。
女がもっぱら使うのは手鏡
手鏡に写すのは何も首から上ばかりじゃなかった
時には股間の様子も鏡に写して見た
それは大概夫婦の営みの後だっ ....
大きな空と 大きな山を見た
幾何学模様を合わせたような 目を細めて時間軸を仰ぐ
私と人類の記憶に滞る しんと降る空気が浮く
説明する辞書がない
この大きな空と この大きな山
私の瞳にお ....
「何処の誰だかわからないのでいらいらしてしまう。
何処の誰だよ、とわかればもっといらいらするかも知れないね
見慣れた表情で、毎度違う話を持ってくるのは狸たち
、狭い世界だな。とかいう伝 ....
「春の紅」
…ト、トトトトト…
春の花らが
ひさしぶりの雨に打たれ
お化粧されて
艶めいてるよ
指にとり
頬紅や口紅にできたらな
そしたら
歩くたんびに
春の香りを ....
わかれのよかんをかんじたら
おんなはすばやくはんのうし
あたしをどおしてきらうのと
きっとつめよることもする
うそだ
うそです
うそだといってと
きらわれてもいい
すがりつ ....
暑い
暑いなあ
まるで真夏の暑さだ
地球が狂い始めて
オマエラ、人間のセイダロウ
そう叫んでいるかのように
路傍に屈み
タンポポの種を
ふぅと吹いて飛ばしている
子供が二人、
....
大回転で意外だ
(だいかいてんでいがいだ)
手巻きな文化祭さ、完膚無きまで
(てまきなぶんかさいさ かんぷなきまで)
無の数字ジュース飲む
(むのすうじじうすのむ)
....
寄る辺のない気持ちが窓にもたれかかる
まだ頼りない虫の声に今は縋ってしまいそうだ
夜が早くきてしまうからと
机に引っかき傷をつけて出ていったあの子は
まだ庭先で落ちない陽を今度はに ....
ギフからたまたまをとってしまっても
ギフはちゃんと男の子のままです
そのことがダイヤモンドのようにきらめいて
私の五月にまばゆい風を運んできます
欠けたグラスの縁から飲んで唇から途方もない血を流せばいい
解けた鎖を無茶苦茶に絡め直して永遠を誓えばいい
もう二度と手に入らないものは
どんなに蔑ろにしたって誰にも叱られない
闇雲に生えて ....
無音の夜
また到来し
月はない
月明かりだけある
白々と
辺り、白々と
浮き上がり
寸断された記憶の
恐怖、また襲い来る
私は私の実感を保てず
意識の外郭だけが生き残り
やが ....
鼻から鼈甲飴が垂れてきました
これで蓄膿症が治るかもしれない
と
両手でガンガン引っ張っりましたら
牡丹餅くらいの大きさになりました
(棚から牡丹餅
と
誰かが囁いて教えてくれま ....
ゴールデンウィークも終わりだ
今日から気持ちを切り替えて
一日パソコンの前に
座り続けるぞ~!
座り続けてやるぞ~!
オーッ!
と言いつつ
この間死んだ
ヨハン・ヨハンソンの
....
穏やかに時は流れますか
穏やかに時は流れ得るものでしょうか
ふわふわしたものが好きです
きらきらしたものが好きです
それだけの私にも
穏やかに時は流れ得ますか
人と人との関係しか書けなくなりました
人間失格です
神さま、教えてください
何故、私達の見る夢やドラマや映画の大半は
出てくるのは人間ばかりなのですか
何故、私達の見る夢やドラマ ....
いつか父が日曜大工で建てた日曜日の家。
その小さな家から僕が巣立つ月曜日の朝。
在るかないかわからないから書いているのかもしれない。
ここに在ったかもしれない、なかったことになるかもしれない、
この場所を覚えていたくて言葉に変えている。
書くことは願いにすこし似ていた。 ....
降り続ける雨は永遠の化身
わたしたちは閉じ込められている
どこかで花の匂いがするけれど
確かめに行くことはできない
濁った窓の外から聞こえてくる
心を削り取る無数のノイズたち
に耳を傾 ....
子供の頃に母親の財布から小銭を抜いた。
母親はそれを知ってか知らないか何も言われなかった。
勿論、紙幣には絶体手を出さなかった。バレてしまうし、それ以上に私んちが貧乏なのはイヤと言うほどわかってい ....
あのひとはやみに閉ざされていたころの
北極星
もう去った
気配だけが
ことばにつながる みち が幾らでもあったことを
まだわたしはひとではない
ひとであったことはいちどもない
こ ....
問い質すことはしない
その背にただ頷くだけ
否定も肯定もしないことで
ぬかるみを隠し
死へ そっと後押しする
数十億の盲人が夜を編む
匂いを持つ風は翼を解くと
女のつま先をし ....
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