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大海原の真ん中で
立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて
せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう
だが今 四方八方
....
何の気なしに言われた 褒め言葉
自分を呼ぶ 名前
それが嬉しくて
微笑む代わりに 聞こえない風が吹く
その 空気管は ちょっとだけ くすぐったい
感動する瞬間ばかりを集めたなら 兵器 ....
インベーダーゲームみたい。bang、それからshoot、戦うことしかでき
ないので自滅の最終章。これはきっと運命なのって、ブロックひとつ
壊して、はねかえるビームにやられた。コンティニュー ....
道を極めると書いて
極道とはね
笑わしよんな
わたしがこの世に生まれた
次の瞬間
ご注文はお決まりですかと聞かれた
わたしはニシン蕎麦を注文した
ニシンも蕎麦も
食べるのははじめてだったのに
へいお待ち、と言われて
ニシ ....
内臓から
絞り出される渇望
追い詰められていた
それでいて抱きしめられていた
壊そうとしているのか守ろうとしているのか知らないままだった
熱をかきわけ
わたしは生き延び ....
重ね合わせた掌に のせる想いは煙り
ろうそくと線香の火に 日常が遮断される
目を閉じ 心の奥に目を落とすと
闇の中にかすかに
小さな子が 手を合わせている
幾人いるかは 暗くてみえない
....
何だか
疲れたから
働くのはやめにしようと思う
その方が 良い
詩を書いて
誰かに見せびらかして
生きていこう
新宿で
そしてまた
夜が明ける
僕は インドへの ....
雪の舞う硝子の中で君は
まるで冷たくないみたいな振りをして
もう死んでいるみたいな振りをして
温かい灯りに横たわっていた
虚ろな瞳を何処ともなく向けて
不思議な味のアイスクリームを齧っていた ....
僕らは終わりゆく夏の片隅に凭れている
空中に半透明の骨がいくつか漂っている
(時々うっすらと虹色を帯びて見えたりする)
何が朽ちたあとに残った骨なのか などと
僕らはもう考えることもな ....
愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった
おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので
うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている
....
120825
AKBも大ファンでと
初老の男が声を高めた
テレビ中継でないから
顔が見えない
歳が声に現れないよう
やけに若作りに話題を ....
そっと触れてみた
あなたの手の暖かさに
涙がこぼれた
眠れない夜
無機質な光を放つだけの月にさえ
すがるように 祈りを捧げる
どうか、どうか、
この人の命の灯をいつまでも消さな ....
夢のきざはしから空に向かって自由落下してゆく赤い魂
魚の子は寝相が悪い
鱗が見せる遊色効果で
虹がちらつく
昇っているのか 降っているのか
それすらわからずに
霧 ....
闇迷路
夢と希望って
どこだっけ
第六感
掻き分け探るも
触れるもの無し
待つことが希望
と言う君 追うけれど
追いつけないと
立ち止まる
初めての同志
昔の恋
昔 ....
セラファン と言う言葉を眺めると
セラミック・ファンヒーターなんて言葉が 浮かんでくる
そんなもの 本当に 有るのか無いのかも 分からないけれど
ずっと 悩んでる
悩み過ぎても 脳みそ ....
逃げていくキラキラ
水際から雲の先っちょまで
白い捕虫網をもって追いかけた
ぼくの夏やすみ
めくるめく透きとおった羽から羽
声から声の甲高い呪文に
ぼくは敗けてばかり
シュクダイ ....
さよなら
はちみつのような思い出たち
あなたのほほの熱を
忘れられないままに
さよなら
はちみつのような思い出たち
あなたが決めた道を
....
夏、それは
裏とおもてのある季節
裏道はどこへも
繋がってはいない
向日葵、それは
追いかけていた肩甲骨の高さで咲いて
自転車で踏んでしまった蝉の音で枯れた
波、それは
壊れた ....
駅から流れる
家路を辿るひとの群れのなかで
ただ恐かった
人生や血脈が
にほん足でとぼとぼ歩いていた
それが恐くて
点滅する信号を見つめていると
生きてい ....
愛するほどに遠くなる
貴方は私をやさしく傷付けて
飛ぶ鳥は振り向かないからと言って
背中だけ向けて私の知らない世界へ歩き出す
あの花束は
もう枯れたでしょ ....
八月は切り抜かれ
友達は工場べりを歩いている
街並みを通り抜ける光と
ぬるい膜のなかだって
明け方になって、長い手紙は折りたたまれて、どこへも
手を止めた、重なったビルの中から、適切な坂 ....
あなたの視界の片隅に浮かぶ塵だから
息を吹きかけてくれるとうれしいよ
(それだけで舞い上がれるだろう)
大した重さも持っていないから
そ ....
{引用=題名だけの詩のスレッドより、
八月生まれの題名たち六年分から取捨選択を重ねて抜粋。
題名だけの「詩」として投稿していたものであるがゆえ、
自由詩のカテゴリーに。
もしもお使いになりたい ....
夕御飯の片付けをしていたら
最近歩くことを覚えた 二十ヶ月の娘が
「あんよ、あんよ」と言いながら 手を伸ばしてきた
ああ
たとえどんな重要なことをしていようと
こんなにも透き通った瞳が訴 ....
ルールは守らなくてもよい
暴力をふるってもよい
利益にならなくてよい
「それでは社会がなりたたないだろう!」
でも
いまの社会で俺は成り立ってないんだよ
と、マイクは言った ....
列に帰属する蟻
ときたま
はぐれて戻らぬ蟻もいる
白いカナヘビが忍者のように
するりと岩陰に隠れた
彼女は言った
東京は子供が住む場所じゃない もはや
20キロも200キロもおん ....
筋肉痛に薬をぬりこむと
段々 痛みが薄くなる
不思議だ
そういうものだから買ったのに
神経が感じなくなる痛みに
漠然とした不安がひろがる
しかし 不安より生活だ
とにかく痛まなければ ....
なぜ命を賭して戦場に赴く
ジャーナリストや写真家が存在するのか
彼等は知っているのだ
戦争でまず殺されるのは女や子供たちではなく
もちろん兵士ではなく真実だと云うことに
それを知るた ....
いつもの朝食 いつものテレビ
そして、いつもの一日
いつもの幸せ
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