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目を閉じて
瞼の裏で泳ぐ半透明の熱帯魚
朧げな景色
緑に覆われた朽ち果てた遺跡の中で
私はとても柔らかい座布団に座っている
宙には
カップ麺の容器がたくさん浮いてお ....
フランスには
特に何もなかった
だけど生きているような気がしていた
色の無い景色の中を
僕は 歩いていた
何が僕をそうさせるのか
わからないけれど 歩いていた
体に悪い食べ物 ....
きらりひかる
たあいない ことばのはし
きらりひかる
いたみをのがすてのひら
きらりひかる
「義妹が大腸癌だったんだけど位置がよくて、肛門は残せたの」
....
「おかあさん あの人 飽和してるよ」と
小学生くらいの子が僕を見ている
「大人になると 何人かは ああなるのよ」と
お母さんが僕のほうを見て子供に説明している
※
胸の奥 ....
祖母が大事にしていたサボテン
それが枯れて軒下に放置されると
ひ孫がデッサンの対象にしてしまった
(若し温室に並んでいたら
祖母は民話の対象にしていたかも知れない)
....
詳しくは番組ホームページで・・、とお茶を濁され
また今度での朗読授業の次の機会が決してないのを思いだす
思いだせ! 悔悟の数々を水に流して朝焼けの海に戻し
黄色の大地をグリーンに染めた大雨に
....
※男なら 男ならやってみろ Let\'s Go!Here We Go!
この街に45年間住んでる呑んだくれのように
あんたが言ってた6畳の部屋の窓の景色のように
ただ素晴らしい 答えなき この人 ....
いつも同じにしてるのに
甘い日と
苦い日
傘を持っていっても
いかなくても
はずれそうな空
一杯だって
同じ珈琲はないんです
しても
しなくて ....
昔々あるところには
ありました
ないところには
今だってありません
そんな乳首の先から
お爺さんと芳枝さんが
生えてきました
それに引き換え
光五郎さんは剛毛なのか
ここのかとうか1 ....
しらない国から
風が吹き
しらない国へと
わたってゆく
鳥でもこうは
とべません
しらない国から
雲がきて
しらない国の
滝となる
鯉でもこうは
のぼれません
....
なないろの架け橋から
ダムが嘔吐している
あじさいが
潤んだ目を擦り合わせ
ねむたげな林道
葉うらで演奏される口琴
耳をすます野池
水面の波紋に
意識が吸い込まれ
蛙の呼吸に同調した ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている
ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子
思い出すように
生きるから
死ん ....
座るきみの膝に
とうめいな猫がねころんでいて
真っ赤なりんごを撫でている
僕のじっぽんの指は
オルガンの鍵盤に載せられ
ゆるやかにだまりこむ
....
カモミールティーを水の様に飲む
ラベンダーを鼻の奥に記憶させるくらい嗅ぐ
どこかの民族系の音楽をイヤホンに差し込む
安らぎを懸命に起こす
呼び起こす 安らぎを
それで ....
こっそりと私を
押入れに隠しました
母さんに見つからないよう
襖の裏にしゃがんでます
真っ暗い中
怖くはないけど
心臓がドキドキして
飛び出す機会をうかがって
期待をこめてそれ ....
夕べに
生まれた
小さな泡が
今日に
命の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ
空に
生まれた
小さな塵が
今日に
光の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ
....
よくなくきみがなかなくなった
あえば「だいきらい」っていってたきみが
ほんきでみらいをみつめようとしてから
ぼくのめをみてはなしてくれる
よくなくきみがなかなくなった
くちもとが ....
豊玉中まで子どもを送って
環八を南下
野方、高円寺、方南町、井の頭通りを左折して代々木へ
なんだ坂こんな坂ママチャリの旅
けど全然やせないな
腹がでっぷり
163cm 77kg
....
悪いことも良いことも
僕の感じ方一つで
違ってくるんだという
君のセリフに唾を吐いた
どうせ
僕はひねくれもの
君からの好意を邪推して
疑って撥ね除けて
素直になりますって書い ....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人
彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ
誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
空気人形、という言葉に
いつしか親近感を覚えるようになっていた
乾いた言葉たち
伝えたいことなどなにもなく
空気と同化するだけの日々
私の中身もきっと空気でできているに違 ....
夏のなごりの草原で
天使と悪魔が背比べしてる
人恋しさがゆきつく場所は
越えられなかった声の向こう
枯れかけの街路樹で生まれた虫の
青い方へ 青い方へ
こずえを目指す早足な痛み
草原 ....
「世界、終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』 ....
あまり歩かなくなった
うすうす感じてはいたのだが
認めたくない体力の衰えだった
そう
ほんの少し歩いただけで
ふくらはぎが痛くなる
筋肉痛は
ヒラメ筋って云う筋肉かなぁ
ヒ ....
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている
そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあ ....
とうへんぼくが
ぼうっと立っている
とうへんぼくは
とうへんぼくなので
なにも考えていない
ぼうっと立っている間にも
鳥はさえずり
人ははたらき
とうへんぼくは
ぼ ....
映画が終わり
グラスの水滴が流れて
伝わっていく泉に
手を浸す
深夜のこと
頬にスタッフロールは
逆さに雨となり
取り返しのつかない
早回しにも似て
繁茂した
森の奥に隠されている ....
本は終わりから読む
音楽は終奏から聴く
恋は別れからはじめる
映画はエンドロールから観る
旅は終車駅からはじめる
夢は目醒めてからみる
そしてぼくは死から誕生する
....
牢獄が私の家だった
手枷をジャラジャラと鳴らし
監守の持ってくるまずいパンと汁を待つのみの
私はそんな女だった
ある日
男が来た
男は理解できない言葉を
とても丁寧に話 ....
◆ 果たされないまま思い出になろうとしている幾つかの時間を夢に見る。
黒い鳩がこちらを睨みつけており、私はそれから逃れるために海辺の街へ向かうことに決めた。
乗り込んだバスに無かっ ....
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