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昨日がすごかったので、今日はぼんやりとしている。
(アベック、アベック。現場、現場おさえて。光源氏。)
テレビ画面のほこりが指で擦ったような形で剥がれてて、
そこだけ明るいのがなんか見づ ....
121205
今こそライフステージ保険はいかが
今朝もテレビが声かけて
草色の
セミヌードの笑顔を振りまいて
パン粉の小父さんの一日を惑わして
目が冴えて眠れ ....
○月○日
日記を書いている。
*月*日
日記として、刻まれなかったあの時間、あの日について。
三食きちんと食べ、寝る時間、起きる時間も申し分なし。規則正しい健康的な日々。こんな毎日について ....
ぼくはJAZZが好きなのに
チャーリー・パーカーのCDは持っていない
ぼくはRock'n' Rollが好きなのに
チャック・ベリーのCDは持っていない
ただ聴いていた時代はある
チャ ....
モンマルトルに世界樹が生えている
世界の中心から その根は 枝をほそらみ
スローモーションで 人々が朽ちるときにだけ
冴えざえと 好き勝手に舞いながら 全体としてと統一のとれたリズムで
....
{画像=121205153412.jpg}
稲荷寿司と太巻きが
如何に御馳走であった事か
材料は安価であるが
手間は恐ろしくかかる
ハレとケの区別があった時代
日々 ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく
窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る
{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
胸の中に生まれた種子に密かに雨を降らせる
晴れた昼下がりに教室を抜け出して光を与える
水槽から逃亡して肺呼吸を取り戻せ
摩擦による熱で発火 ノロシ
発芽に必要な条件を満たしてい ....
「を」の人
鍵穴を
開くための 旅をしている
夜空は うすら明るかった
暗かったのは むしろ樹木のあたりだった
いきものの息遣いがするほうが 暗かった
なにか隠され ....
とても疲れた 何故だろうと思うけれど 僕には外の世界が怖い
顔を なじみの定食屋にも出せない 日々 松屋に入り浸っている
生きている感覚自体から風邪でもひかないかと思うほどに遠のいていく
美術館 ....
なけなしの金を
銀行ATMから下ろして
伊東への旅に出たら
財布も口座も
すっからぴんになってしまった
安月給から食費だけは
嫁さんにあずけているが
幼い息子と3人で ....
讃辞
あなたのセーターは暖かそうだ
あなたの体は温かそうだ
あなたの体温は優しそうだ
心が優しそうだ
犬
霧雨がそぼ降っている
門灯はあかあかと
門扉は堅く閉ざされ ....
社会のルール
糞くらえ
鉄格子の棒さ
俺たちを
道理の檻に閉じ込める
社会の常識
くたばりやがれ
草刈り機の刃さ
可能性を
まとめて無為に帰する鎌
俺は虫の居所が悪 ....
昔
会社の中の仮面に疲れた人が
仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
素顔で生きようと 闘争を挑んだ
だが
周りの仮面はそっぽを向いて
会社の素顔から出るむき出しの刃
....
わたしはまだ、
本当の血を流していない
わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋
大きな流血の ....
突風だか竜巻だか
しんないけど
奴の進路を塞ぐように
四つんばいの格好で
お尻の穴を目一杯広げて
待ち伏せしてやるの
奴の破壊力と
あたいの吸引力
どっちが上か
勝負してやる
....
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの
泣いてはいけ ....
貧乏自慢
枕元に
吾輩は目覚まし鳥を飼っておる
朝六時
けたたましくそいつは鳴く
日に ひとたびしか鳴くことが叶わぬゆえ
遠慮などこれぽちもしない
起きなければならぬ
なんとも理不尽であるが仕 ....
エントランスとか言うな
工業地帯にほど近い
どこか鉄の匂いのする町の
杉板貼りの二階建て
くもりガラスの引き戸
開ければ土間と廊下
左手に下駄箱あり
廊下のは ....
記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう
指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない
埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる
モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
月の舟に乗って
子供たちは夜を往く
魔法の絨毯
空飛ぶ木馬
月明かりに照らされて
夢を喰らい
子供たちは夜を往く
月の舟に揺られて
夜はそっと更けて行く
月の舟に乗っ ....
積み木の赤い部品が
緑のうえにそっと載る
駆け抜ける電車の影が
血の気のない床を砕いて
それから
途絶えて消える
轍のひとつも残さず
....
起きたら10時ごろで、弟の友人が来ていた。
雨だった。
携帯について語っていた。
出ていって、また寝た。
昼すぎ帰ってきて起きた。
隣の部屋で、買ってきた携帯の設定がピロピロ鳴っていた。 ....
午前4時
郵便ポストに朝が届く
とおくで電車が泣いている
溜まったメールを洗濯機につめこんでぐるぐると回す
とげとげしたやりとりも
昨日の君との会話も
ぜんぶ漂白剤にあらわれて
言葉 ....
それで結局一番取扱に困るのは自分自身であって
説明書が書けない せいぜい 長さと重さぐらいだ
従って「取扱説明書」は比喩でもなんでもない 真実だ
ぼくは電化製品だ コンセントとプラグは父母だ 修 ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている
土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る
君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない
はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ
校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて
そんなのナンセンス
ナ ....
夜がひとつ 木の下に立ち
枝のなかの 空と息を見る
川の向こうの海を
音がすぎてゆく
明るい雲が
枝を照らす
火口湖を巡る鉄塔から
光が こぼれ落ちてゆく
....
喪服を着た父が 部屋の隅にいる
悲しいほど
とても暗い場所に
かなり寝たので 夢だったのか ひどく汗ばんでいる
耳をふとんにあてると 父が階段を上ってくる気配がした
....
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