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彼女は持つ
花を 花に似た見目姿を
その花が育ってゆく時間を
温かい自嘲を 揺れるブランコを
隠している本当の名前を
潮の満ち引きを 
握り拳の中にあるものを
下降と上昇と停滞を繰り返す ....
そこまで惨いことをしてみせなければ
わたしたちが
気付けなかったとお思いですか
それほどまでして
ただ懸命に生きていた人たちをいたぶり苦しめなければ
地道に生きることの大切さと
命の尊さを ....
暮らしの貧しさは容易に数字に出来るけど
人の心の貧しさは容易に言葉や文字には括れない

日々の仕事に心底疲れながら
休日にそれを癒せない
そこには命の貧しさが潜んでいるからだろう

平凡 ....
何かおかしいと思うことのひとつは
庭の紫陽花のことだった
八月を迎えても その子たちは
いまだつぼみのままである
長すぎた梅雨のせいで
ウエハースはたちまち湿気り
紫陽花は許容力をはるかに ....
肩幅で生きる
肩に幅があって良かった

夏は草の履歴と
雲の墓場
ただいま
おかえりなさい
言葉が影になる

初めてできた影だ
子供たちに見せてあげよう
昨日いた犬にも見 ....
この星の何人かは
ちいさめの正方形の紙を見かけると
戦争が終わった後だというのに
戦争のせいで病み 快癒を折り紙に託しながら
亡くなった少女のことを思い出す

紙の角と角を 合わせて
鶴 ....
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この八月、
白い波しぶきを浴びながら
旅人は麗らかな海辺の街をいく

静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、薔薇と石
石に刻み込まれた眼は
鬱屈を宿しなが ....
コロナ感染者が
人口の99%を越えたとき
巷では
こんな会話が囁かれるに違いない

「ねえねえ、あの人
まだコロナになってないんですって」
「えーっ!嘘でしょう?
今どきそんな人いるの ....
ほんとうは、たたかうほうが好きです
若いことを踏み潰した、地続きの傷
なぞると忘れた横顔に似たきり、
痛みにしがみつくことなく
目を閉じます


白い配りもの、光って、子に散る声 ....
1)癌と診断された彼女の
ふわふわと帰路に着く足取り
おかあさんにあるがまま言ったらと
想像して
抱えることを選ぶ

2)
親の下の世話をし、食事を食べさせ
洗濯機をまわし
エアコン ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで ....
{引用=散歩道}
彼女は二つの嘘を連れ歩く
いつも同じコースで
一つの嘘は人懐っこく誰にでも尾を振った
一つの嘘はところ構わず吠えたてる
どちらも夜のように瞳を広げ
油膜で世界を包んでいた ....
これから病院です
おかしいところを治す病院です

暗いスマホの画面に映ったわたしの顔その後ろの車窓その向こうの電線と青空が、とても綺麗で
6.4インチ、好きな分だけ好きな景色を切り分けたような ....
つま先にあたった石ころが

ころころ

ゆるく転がって川に落ちる

何の音もしない

七年前

職場のわたしの歓迎会は

小ぎれいな洋風レストランに皆集まった

こ ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の私は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

〈今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら
自分はこの ....
本当は存在しないもの
駄菓子の当たり
国境線
赤道


本当は存在するもの
自販機の当たり(たまに当たるんだぜ)
戦争
ひとり


地球儀にキャプテンがいる
片言の日 ....
言ってやろうか 聞かせてやろうか
俺を産んだ女は無学で
字もろくに書けねえ読めもしねえ女だった

昭和二十年
この国は戦争でぼろ負けになり
東京辺りは焦土と化してしまったけれど
嫁ぎ先は ....
日暮れ前
誰も彼もが瞑り合掌し
高く掲げた花
   賜りものか捧げものか



            《2020年7月26日》
{引用=首}
なだらかな午後
ただそれ自体の円みと感性で
転がって
吸血する問いとなり
落下する 分裂の暗い谷へ

隠匿されていた
真っ赤な夜が溢れても
目交いすらなく
過る夜鷹に ....
一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても

何も変わらない
何も起こらない
何もスタートしない

この寂しさ
この空しさ
このやりきれなさ

嵩ましをするばかりだ
 ....
答えにたどり着く気がして
川沿いをひたすら歩く

午後九時
一瞬雲の切れ間に輝いた二等星
願うことから始まる絶望が
いつでもおいでと笑っている

仲間は裏切者だった
でもそれでいいじ ....
現実的になれば
絶望がまた
首をもたげてくるけど
時には
享楽に耽る自分を
許したり
時には
娯楽に興じて自分を
宥めたりしながら
ここまでやってきた
頼りないとか
いい加減だと ....
何だか辺りの空気に魚の腐敗した匂いがする。
私の気のせいかもしれないが、身体中の毛穴から茸が生えて来そうな気分だ。

じめついている
全ては雨のせいだ

この国の雨季を象徴している雨だ
 ....
ふたたび
夏への自由が
窓辺で翼をひろげはじめた

  欲しいのは何
  疾走感
  浮遊感

誘われ
委ねゆこう
痛みの暗い罅を
抱いたままでも

夏への自由が
窓辺で白 ....
何もかも全然なっていないなと思う
みんな自分よりずっと立派にやっているよ
ぼくが彼らの何を知っているというのか
彼らの生活と考えと家庭事情の何を知っているというのか
ぼくは本当にこのま ....
たよりは
いちまいの
いかだ

もじがながれていく

いちまいの
はがながれて
いく

ことばのかわ
りはなく

ながされて
よりそうは
かのように

いかだのうえ
 ....
梅雨は終わり
夏がやってきた

海開きの日
夏本番がきたことを表して
陽射しを強く感じる

静かだった砂浜
賑やかになり楽しそう
この日を待っていた

海の家は
夏にしかない
 ....
夢の中で、
歌うことも笑うことも靴を履くことも忘れる。

夢の後で、
体の中に風が吹いているのを感じる。

窓の外、
静かな空に煙をくゆらす。

振り返ると、
空っぽの住処。

 ....
感情が漂白され
漂流していく時空を
速くなったり遅くなったり
緻密になったり大雑把になったり
なんて自由自在に運ぶ移行

魂の打つ突発的な躍動
変拍子や裏拍に
コレハナンダ?
新たな ....
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
熱風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく

 ....
梅昆布茶さんの自由詩おすすめリスト(12042)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
谷へ降りてゆく- 滝本政博自由詩9*20-8-10
平和の祈り- Lucy自由詩1120-8-9
傘の下に降る雨- こたきひ ...自由詩1220-8-8
八月の紫陽花- そらの珊 ...自由詩14*20-8-7
終戦- たもつ自由詩1120-8-7
花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように- るるりら自由詩8*20-8-7
八月の光- ひだかた ...自由詩520-8-6
イソジン- 花形新次自由詩220-8-6
- 星 ゆり自由詩1020-8-4
インスタントポエム- wc自由詩820-8-4
童夢- ひだかた ...自由詩13*20-8-4
なしごころ- ただのみ ...自由詩4*20-8-1
コミカライズ- 印あかり自由詩620-8-1
_重い紙袋- 自由詩12*20-8-1
ループ- ひだかた ...自由詩720-7-31
地球儀- wc自由詩1020-7-28
言ってやろうか。聞かせてやろうか。- こたきひ ...自由詩1020-7-26
ねむの木- ただのみ ...自由詩2*20-7-26
早贄- ただのみ ...自由詩4*20-7-25
一日にふたつ詩をスマホに打ち込んでネットに投稿しても- こたきひ ...自由詩420-7-25
川沿い- TwoRivers自由詩9*20-7-25
君がいたから- ジム・プ ...自由詩4*20-7-25
鬱が鬱が鬱が鬱が- こたきひ ...自由詩120-7-25
夏への自由- 塔野夏子自由詩1*20-7-25
そんなこと言ってないで、さっさとやんなよ- 道草次郎自由詩8*20-7-25
便箋- 帆場蔵人自由詩520-7-25
海開き- 夏川ゆう自由詩420-7-25
夢の中、夢の後- 福原冠自由詩620-7-25
ポップ・フィールド(改訂)- ひだかた ...自由詩5*20-7-24
佇立- ひだかた ...自由詩520-7-24

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