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赤ちゃんの匂い 柔らかい肌の匂い
ふわふわの肌着の匂い あたたかいホッペの匂い
新生児のウンチは 美しいきいろ
お日様の下でひなたぼっこした後の
どんな高価な石鹸の匂いよりも
甘くて 柔らか ....
雨が強くなり始めた頃傘も差さずに泣いていたのは
怯える事を忘れかけていた少女の遊び
似合わない化粧と行くあてもない二本の素足が生を感じている
泥がはね、ワンピースも下着も先程までカールをしていた ....
私の
右のてのひら
左のてのひら
載っているのは
目に見えるものばかりではない
見えないけれども
無力でもないそれらは
良いものとは限らず
悪いものとも限らない
間違えて捨て
間違 ....
コウノトリが
光りを運んできてはじまる一日は
約束に満ちている
四丁目への福音
聞いてほしい
聴いているよ
ほほ笑みの爆ぜる音が
煤けた下町に響き渡る/わたしは
泣いているビル ....
あなたは、ぼくじゃない
ぼくは、あなたじゃない
でも、わかりあえないわけじゃない
私は今日も渋谷にいた
スクランブル交差点の人混みに紛れていた
疲れているときは ただそうすることだけが
私自身を確かにする
今日 友人は予定があるのでいなかった
私はドトールコーヒー ....
(この密室の中に)
(メモを残すから)
(いつか見付かってほしい)
(短い言葉しか書けないけど)
−・−・−・−・−
密室の中で
白骨化した遺体の書き残したメモ帳
そんな不吉な
メモを ....
目の開いたバラバラ死体を私はずっと捜していた
手はお喋りだと口がくちぐちに言うので
うるさい手を切り落として 口に食わせた
口は満足そうに 黙ってくれた
足は突っ立って進むことしか ....
今日も、枯れ草の
帰り道につれていく
柔らかいあなたよ
プレリュードを贈るよ
まもなくはじまる
長いリボンのような夜に
きれいきれい
爪も髪も肌も
靴も上等 生地も最高
そんなまるまるちゃんを裏がえしたら
たぶん手に入れやすいブランドのタグついてる
小さなへびかと思ったら
いつかちぎれた
しましま模様の靴紐だった
だとしてももう
それをくぐらせるズックの穴がない
わたしにはもはや必要ないものだったので
さよならを言って
立ち去るくら ....
人間といったところで
革袋に詰め込まれ
骨に抱えられた
一本の管
一日一日隠し事が増えてゆく。
ゴッホはどうだ。
モーツァルトはどうだ。
あなたはどうだ。
言葉に気持ちを乗せてみると意外と楽になるね。
何を望んでいるのか私にはわからない ....
何度繰り返せば気が済むのだろう。
私は自分を見た。
逃れがたい現実から目を背けてばかりで。
今日もまた一冊の書物の中に引きこもる。
死にたい なぜ。
死にたくない なぜ。 ....
空が無い
靴紐を
勇気を振り絞って
結んだってこの町には
せいいっぱいに踵を上げて
みあげても、みあげても、
空が無い
空が無い!
おとなになれなかったこどもは
おとなロボットに乗った
大きくて頑丈 パワーがあって
こどもには持てない武器をたくさん搭載していた
こうしておとなロボットは戦場へ出て行った
いったい誰がおとな ....
何年も前の事だけど
「紀伊国屋なう」というメールを
貴方がくれた
その時は
電車に6時間も揺られなければ
紀伊国屋のあるその街へ行けない土地に
住んでいたから
「今その町に私がいれば、
....
ガードレールの内側に
くくりつけられた花束
それに向って手を合わせる
初老の女性がいた
先日、その場所で
交通事故があったことを
私は知っている
バイクとワゴン車の衝突で
事故 ....
そうだったよね
くねっとすること
ぺとっとして もぞもぞして
変な感じがそのうち分からなくなる
それって変態じゃない?
とわたしが言うと
とてもすまなそうな顔をしながら
胸に ....
夕暮れの秋に立って
冬の陽だまりを眺めている
そこの冬は
春に向かってとても急いでいる
私は檸檬を齧りながら
言葉にしたくない願いを持て余している
雪に残る足跡を
光が曇で真似ている
直ぐに降る音
水たまりには
緩くひらく虹
つもるものもなくつもり
何も無さを隠している
手のひらのかたちを
隠している
....
肌が透けるようなTシャツを着たきみが
キッチンで小さな竜のぜいごを削ぐ
なんの予感もない薄暮の中
麦茶が冷えている
夕はんの後の散歩はいつも同じコースで
途中、24時間やっているあの店の ....
腹にダイナマイト巻いて寝ている
きのうのよる
上手いことたたまれて
押入れの奥へしまわれたのが
本心です
だれの
とは
言うまい
それで
足首には
いまどんな紐が巻かれてるんだい?
洋館のカーテンは
お ....
目的地はない
ただ衝動だけ
カッ飛んでいったGTーR
追うボクのコルベット
真夏の入道雲
気持ちいいもの
心揺さぶるもの
ただそれだけ
冷たい石の陰に身をひそめる蜥蜴
葉の裏で翅を休めるクロアゲハのように
公園から木影のはみ出している場所へ
車をすっと 滑り込ませる
小柄な老女が日傘をさし
現場作業員の日焼けした顔の向こ ....
小さな小さな金魚鉢に入れられ
酸素を与えられて
エサはまだかと待ち
ガラスを叩かれては怯える
わたしから見えるモノクロの世界は
恐怖以外のなにものでもない
それでもわたしは
ひら ....
そろそろ、ね
白緑に
月は、補色を
暴走する。
身悶える
完熟
そろそろね
潤み、
空、が
表出して
未完、の
空豆ほろり
夕涼み、の
双丘
零をさがした朝に目が覚めると
太陽がたったひとり寂しそうで
誰もがこどくを噛みしめ針の痛さに怯える
ことばの痛みを恐れる
決して優しいことではないけれど
幼い頃何も知らずに踏みつ ....
ファミリーレストランで食事をしていると
同じ形をしたファミリーがやって来て
西の方角から順番に着座した
ブラザーはシスターに
シスターはマザーに
マザーはファーザーに
それぞ ....
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