ハンドルネームとはじめの一歩
umineko

現代詩フォーラムで自分が好きなのは、ゲストブックのごあいさつの部分。はじめの一歩だね。

入会するには、いろんな儀式がある。まず、ハンドルネームを決めなくちゃいけない。本名でやってくかっていわれると恥ずかしいし。カタカナ。漢字。ローマ字。実はハンドルネームって、すごく大事なんですよね。自分をどんなふうに見られたいかっていう、一種の意志表明だから。

学生の頃、初対面の人から、こんなこと言われたな。「わたしのこと、結花って呼んで下さい」「え?」「みんなそう呼んでるし、ぴったりくるんです」「は、はい…」。本名は知子で、それも十分ぴったりくる名前なんだけどさ。あれは衝撃的だったなあ。(ちなみにその友人とは今でも親友。)

特にほら、アートじゃないですか自由詩って。アーティスト宣言ですよ、ささやかだけどさ。少なくとも自分はそうだった。ほんとうの名前は、親からもらった。でもハンドルネームは違う。

こうありたい願う私。ジャケットを選ぶ。せすじを伸ばす。鏡の中の自分と目があう。私は私、なんだけど、ほんとうの私となりたい私が、混沌として存在する、ということ。

書くことをやめないで、と、私は願う。別に有名になれるわけでもお金持ちになるわけでもないけどさ。生きる勇気になるのか哀しみの吐露に終わるのか、それも知らない。

書こう。大丈夫。伝わるよ。駄目なら何度でもやり直す。
誰も幸せにもしない。何も生まれない。それでも。
ここでなくても。どこでもいい。ひとりぼっちでもかまわない。

生きるその意味に。
どこか似ている。





散文(批評随筆小説等) ハンドルネームとはじめの一歩 Copyright umineko 2006-06-11 12:16:59
notebook Home 戻る