すべてのおすすめ
昨夜の口喧嘩の
後始末もそこそこに
降り止まない雨の中へ
ぼんやり歩き出す
昨日より重い靴底
視界に覆い被さる雨傘
押し黙ったまま濡れる自転車
舗道にすがりつく安売りのチラシ
....
ナナという名前だった
もとは捨て猫だったらしいが
いつのまにか
隣の家に居着いてしまったらしい
すごく立派な面構えで
どこかで外国猫の血が入ったのか
ブルーの眼と
むくむくの銀毛を持つ ....
本当は分かってるんです。
わたし達には何もないって。
共有できる感情もなければ
共有できる夢もない。
あなたはあなたの道を
振り返りもせずゆくのです。
....
陸と海を別つ隔たりなど
無いに等しい
屈折した光さえ
愛せてしまうのだから
陸と海を別つ隔たりなど
無いに等しい
私が誰かとセックスしたら
あなたは怒るかなあ。
わたしが誰かを大好きになったら
私みたいにやきもち妬くの?
ピアスを開けたら理由を聞くの?
....
拳のなかで
石は砕けて粉と散る
返す言葉はどこにもなくて
....
赤ん坊は何故生まれてきてすぐ泣くのだろうか
それは優しい世界から厳しい世界へと来たことを
すでに知ってしまっているからなのだろうか
生の悲しみをすでに知ってしまっているからなのだろう ....
かあさん
お空が ないてるよ
だれかが
なぐさめてあげたらいいのに
かなしくなくても
なみだはでるよ
なみだで
せかいを
あらいながしたあとは
とつぜん
正気にもどって ....
ぼくの人生はだれが采配してるのかな
彼女に言われたの
あたしは結婚も恋愛もあきらめていたからいいのってね
時々恋をしながらでも恋に遅れていたのだね
ぼくの中には数億から数兆 ....
{画像=120223235940.jpg}
欠けた塊の怒り
輝くような怒りはあるか?
物質のように堅い岩石のような怒り
傷ついて欠けてしまうような怒り
純粋で結晶していて ....
好きだった事が
端から順に嫌いになっていく。
大嫌いなキャベツもレタスも
食べられるようになったのに。
トマトだけはどうしても食べられない。
....
空も
海も
荒れている
鉛色した浜辺に
鈴をなげる
こんな日であっても
ひとは
生まれ死ぬのだろうか
鳥たちは
季節を選ぶというのに
どんな理由があって
生まれ死ぬのだろうか
....
相手をたいせつにするために、待つ、ということを、おぼえなければならない。
雨はとっくに 止んでいるのに
畳めない傘の中で
君は静かに濡れている
君だけしか聞こえない雨音は
周りの朗らかな声も上書きしてしまう
あなたには聞こえない この叫びは
通りすぎるビ ....
人生は手紙
読み進むごとに
春夏秋冬喜怒哀楽
答えは最後のお楽しみ
人生はビリヤード
当たり当たられ飛んで行く
誰が誰を動かして
こいつがどいつに影響されたか
白玉だって分かりはし ....
ぼくはいつも
あおい国を探している
仕事場へ向かう朝の舗道で
灰色の敷石の
一つ一つの継ぎ目から
あおが立ち昇る
草原の朝露たちが集まって
小川になり大河になって溶けて行く
....
きみは官能を嫌う
ぼくは官能を好む
きみは自叙伝を読む
ぼくは自叙伝を厭う
きみは武術を好む
ぼくは球技を好む
きみは楽観主義
ぼくは悲観主義
きみは太陽の下
ぼくは ....
{画像=120222143926.jpg}
恋はトキメクし 愛は燃えあがる
恋は落ちるというし 愛は溺れるという
恋は病いだし 愛は執着だと思う
恋は形態であって 愛は本質だろう
....
フロイトもユングも読んだことないけど
長いあいだ自分自身と付き合ってきたので
ある程度なら自己分析ができる
どうやら
私の中には大まかに
三人の人格が存在するようだ
{引用=Aの人 ....
「むかえにいくよ」と、
男が言う。
「きっと、むかえにいくから」
そう、いつも私に言うので、
「いつむかえにきてくれるの?」と、
訊けば、
「ロトシックスが当たったら!」
大真面目に男が ....
自分が何者かを知りたかった
今はイザベルおばあさん愛用のひざ掛け と
呼ばれているのだが
もともとどこから来たのだろうと
人間たちの間で流行っている
自分探しというものを
し ....
フランスパンの上を滑るジャムが
すごく輝いて見えた朝だった。
泣いていたからではない。
太陽が特別キラキラしていたからだ。
未完成で中途半端な私を
....
うつくしい人の手はうつくしい形をしていて
やさしい人の声はやさしい響きで伝わって
かなしい人の瞳はかなしい色を浮かべ
さみしい人の吐息はさみしいあたたかさでした
冬の貧弱な太陽光だって ....
この海岸に来るのは久しぶり
君は言う
砕けた貝殻が打ち寄せられてできた海岸は
真っ白で清潔で一枚の絵のようで
だからこそ居心地が悪くて
けれどそんなところを君は気に入っている ....
顔見知りの男が死んだ
いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた
そんな一人の男が死んだ
※
よくある話しだけど
おんなが二人いた
別れた奥さ ....
自分の人生を愛おしんで
ここまでつき合ってくれた
セーターの青ミックスの色を
両の腕に抱きしめる
コープのお店に並んでいた
赤ミックスも緑ミックスも
好きだったな
モールのセーター
....
時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど
いちまばたきが
およそ一秒
....
物言わぬ駝鳥の目
遙か目の先には地平線がある筈なのだが、
駝鳥は相変わらず地面を見つめせつせと虫を啄む。
せつせせつせと虫を啄む
危険を感じたとき駝鳥は首を長くして遙か遠方を睨む。 ....
オーケストラの調律の基本となるのは
オーボエの出す440HzのAの音程
オーボエは音程の不安定な楽器であるのに
ただ音程が聴き取りやすいために
その任を担わされる
しかしコンサートマ ....
こんな朝に
カラスのカの字もありゃしない
太陽はふやけた面の木偶の坊だ
白い国道の上
黒いおまえは完全に死んでいる
暗がりのおまえは
いつも何かを舐めていた
おまえが前を横切る時には ....
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