すべてのおすすめ
それは風の通り道の家で
けっして目立つでもなく
景色に溶け込んだ家で
見つけにくいようなら
赤い郵便受けを見つけて下さい
それはそれは、目の覚めるような赤で
つい最近、
満月 ....
淡いブルーの
ツメを乾かしたら
出かけよう
サンダルをはいて
軽やかに
白いプリーツを
ひるがえす
出会いはいつも自由
風を探しに
電車に乗って
どこまで行こう
....
ゴミ箱を作ったので
いらないものを捨てた
だけど、ゴミ箱はまだ満足していなかった
仕方がないので
最近、増えすぎて
持ちきれなくなった不安を捨てた
ゴミ箱は少し満足したようだった
その日 ....
いちど曲げたところを
直線に戻そうとすると
ほかのところが曲がる
針金のように
あなたは花が好きなだけだった
大輪の花が咲くポピーと信じていた
それだけだった
けしの花
禁じられた花
大地に根を張るけしの力強さ
足に力を込め手応えを感じながら
何本も何本 ....
指令塔が送ってきた電波を
アンテナで受信して
単純作業の繰り返し
それが、僕のお仕事
思考は紙くずと一緒にゴミ箱へ捨てた
はい、僕、99号
その前には98号がいて
後には ....
小花の、シナモンとマーブリングしている
庭先で教科書を開くキミの紅茶
ユルユルした{ルビ蜉蝣=かげろう}になる朝
キライなともだちのプリクラ
姉妹の関係に似ている 笑顔
笑顔笑顔笑顔 ....
吊り皮を枕にした朝
素肌の味を思い描き
定時を目指す
学食を想い
立ち止まってはみたが
正門のサイズが合わない
すれ違った後輩が
陽ざしに目を細め
素肌をにじませようと
侵入 ....
呪いをあの人にかけてあげよう
神様に祈りを教会で捧げて
災難に見舞われますようにと
ロザリオを提げながら
十字架に祈りを
この胸の痛みをどうか
あの人にも伝わりますように
私だけを見 ....
確かなものが欲しい、と泣いた
そんな日々には
野良犬たちも
たんぽぽも
いつもの帰り道さえ
他人だった
君の小指と僕の小指を何度絡ませて
....
朝、直らない寝癖を気にしつつ外に出る
夏物の服をまとめ買いする
雲行きが怪しくなる
寝癖はまだ直らない
昼、直らない寝癖を気にしつつ外に出る
一週間分の家族の食糧を買いだめする
寝癖は ....
強い風が
いろんなガラクタを
吹き飛ばして残ったのは
からっぽの青空
どこまでも視線を
深く高く運んで行けそうな
純粋な空色をたたえた
からっぽの空
からっぽの空から
吹き下 ....
雑居ビルの中にある小さなライブハウス
彼女が鍵盤に指先を下ろした瞬間
スタインウェイは真っ直ぐに彼女を見つめた
たたみかけるような熱い音の重なり
スタインウェイと彼女の間には
透き間 ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく
そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
空白のページに
跡をつけたのは私
全体の四分の一にも満たない
まだ短いストーリー
ベストセラーになんかなりっこない
本屋の端の方で埃をかぶっている
ちょっと悲惨なストーリー
....
?値の概念
きっちり敷きつめた箱
早回しの時計
生まれたばかりのドットに侵略
引き裂かれた白地の残骸
曖昧なグレイの幸福
水色の融合
ユデタマゴを食べる風景
ピンクの破壊
極 ....
{画像=080518024305.jpg}
疲れた後の浅い眠りのように
私を誘う女の手よ。
私を誘わないでくれ、
私は弱き男なれば。
死の後の深い眠りのように
私を見つめる女の目よ。
....
51年前の或る日のこと・・・
「お願い、一度だけでいいから、きみの手料理食べてみたいんだ」
・・・嘘つき
「しょうがないなぁ、一回だけだよ?」
....
街なかで白い小鳥を配っていた
籠に入ったたくさんの小鳥を
小鳥配りの人が要領良く配っていく
受け取らないつもりでいたのに
いざ目の前に出されると受け取ってしまう
わたしが手に取ると
それは ....
葉っぱたちのとがったきっさきをさっきから風がはげしくゆらして
じべたに並べられた各種弾頭のことを考える
雨上がりのひんやりとしたゼリーのような中を
ゆっくりと自由に空気を押しながら
あたしは記 ....
朝
まだ冷たい風に吹かれ
空を見上げたら
白い風船が
力を使いきり
はらりはらりと私のもとへ
糸の先には
まあるい花の種
育ててみようと思いたち
長旅で疲れたであろう種 ....
とおくで声を聞いた、
少しだけ厚い雲の下
足を止めその先を探す
*
意味なんてなかった
ただ身体が伝えようと
やわらかな 部分に
{引用=ずっとずっと、とおくにいる ....
カメラに向かい
天気図を背にして
「午後から雨になります」
と伝え
小さく頭を下げ
辞表を提出し
その日の午後
先生は雨になった
それは小さな雨だったが
傘を ....
月夜の晩に
月に向かい
踊るのさ
サンバやチャチャチャは
無理だけど
虫の声と
風の音を伴奏に
両手をゆらり
ゆらゆらと
月をあおぐ
狐の舞
虫の声に
....
手首のそれらは
恰好の題材となったことだろう
吐き気をもよおしながらも
最悪という名の底からすくいとることを
忘れてはいない
口をつぐむしかなかった
振る舞いに不協和音が混じってい ....
母の日
雨
ありがとうの気持ちが
遠回りしながら一回り
ありがとうは姿を消して
私はありがとうを通過した憎しみを噛んでいた
飲み込むことも
吐き出すこともできず
ただ ....
うまく舞い上がれないボクは
がっかりして
ただっぴろい草原でふて寝をしていた
しばらくすると
とりさんがふわふわと舞い降りて
ボクの前まできた
そのやわらかい羽でふわふわとあおぎだした ....
(こんなにも愛しているのに
(どうして私を選ばないの、
見上げた空は高く遠く
小さな身体を青に染めて
聞こえてくる声に
耳を塞ぐ
オ前ハ要ラナイ消エロ
早ク自決シロ
届かなかっ ....
曖昧な言葉
すれ違いの感情
高速のヘッドライト
僕の影を斬った
曖昧な毎日
掠れてく声
切り出しかけて
言葉を飲み込んでいた
もう出会う筈のない誰か
もう出逢わない" ....
悲しみを表す言葉を並べて
悲しみの詩が出来たら
その悲しみは意思をもって
そっと旅立っていく
そんな気がして
僕は少し嬉しくなる
喜びを表す言葉を並べて
....
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