すべてのおすすめ
今から出発したら
どちらが早いだろう/着くのは
今朝と明日の朝
できれば戻りたいさ
あなたはきっとそう言うね
月をみながら歩いたら
きっと明日へたどりつける
真っ黒な木々がこ ....
キャベツむくとき
裏がわの水分があるでしょう
それをすくいとるように
いつも触れてくれた
あなた
頼りなげな黒い煙は
空に還ることもなく
密閉された風景の中へ
呆気なく取り込まれていった
昨日の端から一刀両断に
切り離された時空に
冬物の黒い服を着せ
ひたすら透明な汗をかいて ....
(崩落する車輪
から滲み出た
暗い空 が二つに
わかれ
水星の前輪と金星の後輪で
疾駆する 子盗りの
群れ)
お ....
ちきこに ひとかべ そそうのことせ
のにかむ つきはむ そこゆにこごせ
ちりきに ましらお にながし とねすに
つつるに なめよお さしとせ わにうな
ちきりん ちきりん なそひに お ....
ちきりん ちきりん 角踏み立つ身に
ちきりん ちきりん 指混む夜更けの
ツル草 仕留めた 雷様を
腕も 巻き持ち まだ眠る
残る 一房 渇かぬうちに
暇をとらせた 赤闇 小屋 身に
....
ぼくはいびきをかくらしい。
知らなかった。
なぜ、知らなかったかといえば、
ずっと、
ひとりで眠っていたから。
ふたりで眠ってみたら、
ぼくが、夜中に、
なんどもおしっこにいくの ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ
店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
植え込みに隠された自転車をぼんやり眺めていた
ピカピカなのに捨てられているから
おもいはサドルに積もり
シーソーがかるいを弾く
まるで意味のないことを口走りたくなる
風になりたい、と ....
覚悟してたつもり は
覚悟できてませんでした。
四角い画面の中は
平和な愛と大人の人
16歳のクソガキには
少し近く、かなりとおいい
どこかいつもと違っ ....
{画像=110721225828.jpg}
鯨にある指先(地上)の記憶のように
人間にも忘れてしまった記憶がある
それはsora(翼)の記憶
身体の奥にある翼(骨)の記憶を頼りに
背 ....
君は机に向かう
ボールペンを握る
罫線の上に
言葉を置いてゆく
それは君の決めた枠
君の胸の奥で
何か切実なものが発熱している
窓の外 ....
泣きたい時ほど哂いたくなるのはなぜだろう
つまづいて転んで
そのまま起き上がれなくなった事はありますか
愛する人の寝顔に無性に不安になって
揺さぶり起こした事はありますか
人間不 ....
果実
という言葉を胸に抱いて眠った
眠りのなかでわたしは一匹の鮭だった
寡黙に
川を遡上する
ほんの小さなものだった
朝がきて目 ....
あーあ
夏が来た
やばい
俺が性犯罪者に最も近づく季節
ってかさ
なによ
おねーちゃんたちの
あの格好
ミニスカート
ホットパンツ
キャミソール
下手すると下着見せてる
君 ....
傾きかけた夕日に
静かに染められていく放課後の教室
たわむれあそぶ影法師たち
その風景からひとりひとりを
輪郭にそって丁寧にきりとり
ノートに貼り付けていく
ふるえる手で
間隔が
....
展示室に靴音が高く響く
自分の存在を悟られそうで
どきりとする
今日もとっとと定時退社して、
寄席に行ったら、
雨だしガラガラだろうと思ったら、
どっかの団体客で満席だった。
ふだん、落語なんて、興味もない客層なのは明らかで、
なんだか居心地が悪いなあ、 ....
おそらく
今日という一日を
まめをつぶして過ごしてしまったのが
悔しくもなくて
誰のために
血を流していたのか
自分のために
なっていたらなあ
感嘆が漏れてから
夏の湿気につつま ....
その道化師
わたしだけのピエロ
だと思っていた
ピエロといると
幸せだった
しかめっ面のわたしを
いつも笑わせてくれた
まいにち
優しく
元気かい?と
顔をのぞ ....
図鑑で見たことのない名前が
見覚えのない恐竜についている
たかだが十数年で何が起きたのか
サウルスは何ら変わっていないはずだが
人類は何を発見したのだろう
化石になりたい
化石のように ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ
出窓からは朝の港町の風景が広が ....
真上には晴れ
薄い薄い屋根に薄い薄い体で
平和の雲が空に浮いていた
それをつかむことができた
こっちにある
こっちにある
熱い熱い屋根に熱い熱い体で
あからさまな光にふてくされな ....
納豆を食べる
納豆を残す
納豆を生ゴミへ捨てる
納豆の容器を捨てる
怒られる
納豆の容器を洗う
納豆の容器を捨てる
怒られる
納豆を拾う
こびりついた葱を捨てられる ....
整列する人の群れ
視線を避け動き回る目とうつむくつむじ
肩車に疲れた身体を寄せ合い、互いを委ねているのか。汗を擦り付けているのか。
手を垂直に伸ばしたところで、いまだ雲すら掴めない。
地平 ....
駅までの道にはなかった
信じられない
が
ホームでは
ゆっくりと背中を押す
きっと
迷惑がかかる
という被害妄想を
する人は
足を引っ込める
逃げ出すための
手段としては ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
※
男のひとは女性の下着に恋するものらしい
くしゃっとした
小さな布切れなのにね
でもそれは男の ....
雪よりも白い糸が
どこまでも続く
途絶えぬ筆記体の線が
サインは何処までも
{ルビ終焉=おわり}を知らない
時々刻々のように流れていく
どんなに流れても
忘れない
君の ....
確かめながら傷ついて
もう眠りたいって口癖
つかれきった憧れのしわを
今日ものばして額に飾る
寛大な理想
すきなようにいじってた
ちゃんとわかってるさ
だれかがみつからないだけ
....
110716
ギと鳴く虫か
やりかけの画像が
ぎごちなく
振り出しに戻ると
好くない知らせが
虫の息で横たわっている
凡人には感じられない
寂 ....
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