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みんなみんな欲望にかられて
みんな欲張りになってしまった。
誰も止められはしないし止まらない
わたしだってそう思う。
大切な事の反対側で
もっと大切な事が過ぎてい ....
ぼくらは馬鹿だったのか知れない
違反デモに参加し火炎瓶を投げつけた機動隊に捕まったら
徹底的に暴行され治安を乱したものとして前科だって残る
でもぼくもぼくの仲間もそんなことを
一度も考えてみた ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
明日がやってくる
道すじに
サァァ、サァァァ……と
雨が降る
──誰も寝てはならぬ
けれど
そのうち
雨だれのアリアを
聴きながら
いつのまにか睡ってしまう
今日に
....
強い雨がからだを叩く
吹く風はずっと向かい風
傘なんてまったく役には立たない
だからさっき橋の上から
激流に放り捨てた
その茶色の濁った水が目指すのは
どの水も同じ所
きみよ俺だ ....
パン屋の朝は早い。太陽が昇る前には起床。
パンを作る工程は秘密だ。
私がパン作りを人に知られないのには理由がある。
秘密にしないと魔法が上手くかからないのだ。
そう。私は魔法使い。パン ....
女神との約束の時間
力まかせに開く遮光カーテン
波長の長い横殴りの光
眼底の石室に漣が立つ
ふらふら
フラペチーノ
ふらふら
フラペチーノ
割れた鏡にでも
なれた自分がい ....
暫々どんなのろまな亀でも
兎に勝利できることがあると
愚かな昔話『兎と亀』は語っているが
あれは亀に向かっての昔話ではない
どんなときも油断をしてはならないと
兎に向けての昔話である
いか ....
ごちそうさまのあとに
ひとりさびしくパセリくん
ビタミンミネラル優等生のはずなのに
ワンレンボディコンお立ち台
ユーロビートトランスハウスパーティー
レイバーヒップホップアン ....
夏の盛りの
透明な記憶の破片
縁側のよしずの陰の
幼すぎた沈黙
君のちっちゃい手が
大人びた仕草で
泡立つコップを
気まずさの真ん中に
ふたつ置いた
言葉の結び目が
....
薄い雲に覆われ
目視できる
ギリギリの明るさで
太陽が唸っている
目を閉じると
破裂した光の飴玉が
痛みなく脳髄に
突き刺さってくる
その色は最初
透明な初乳のようで
やが ....
わたしM子
様々な姿を見せるけど
青空は一番好き
実は八等身でフリーのモデル
いま就活中だけど、自尊心だけは高いのよね 。
試しに一時間だけプラカード下げて立っていたら(ほらほら) ....
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり
そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた
私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう
....
いつになれば
大人になれる
いくつになっても
あの頃思い描いていた
大人とは違くて
お酒を飲んでも
車を買っても
お母さんになっても
いつまでも
大人になれな ....
わたしを救いたいなら
あの月を涙でくるんで
そして、ピアスにしてください
薄暗い銀色の雲は
何か巨大なものを
隠している
山よりも大きい
何か
空よりも大きな
何か
この胸をさいなむ
蟻の行列のような
何かを
捕虫網右手に持ってアテナ狩り
静かなる主従関係金魚玉
兵隊の餌食にされる夏芝居
背徳と呼ばれる行為日焼けあと
十五夜に蠢くオンナ蟻地獄
膨らんだ妄想隠し夕涼み
....
わたしたちの細胞は
毎日少しずつ
死んでいる
そこには
痛みもなく
悲しみもなく
怖れもない
どんなからくりなのか
思えば
自分の身体なのに
知らないことだらけだ
いや、違う ....
雨の日の憂鬱の原因が
洗濯物が乾かないせいだと
今、気付いた
湿っけた洗濯物が
部屋中に吊るされて
うっとうしい
ベランダに干された洗濯物も
いつ乾くか分からず
さらに絶望的気分になる ....
すこし太った と
しわだらけのあなたが言う
たしかに
しわの数はへっていないけれど
わずかに 浅くはなっている
一年ぶりに 団地にUターンしたのが良かったのか
また
独居 ....
ねぇ
クローバーの
花言葉って
知ってる?
be mine
私のものになって
私を思ってください
そんな言葉を贈ったら
あなたはなんて
答えてくれるだろう ....
私自身をいつも
卑下する私が
誰かに発する
褒め言葉なんて
結局口先だけの
ものとなり
とうてい心から
喜ばれるはずがない
一人は辛いと
誰より感じて生きてきた
はずな ....
金があれば と言うけれど
あったらあったで目先のものに使ってしまう
時間があれば と言うけれど
あったらあったで無駄な時間も増やしてしまう
もっと自由があれば とも言うが
自由の ....
でんでろでんでろ
はしりゆく
おおきなはこの
わびしさを
おとでごまかし
すましてる
どこまでゆくのか
しらないが
きょうはすがたを
あらわさぬ
でんでろでんで ....
わが一歩 一応は一歩進む
道に穴だ 二歩さがる
すこしずらして 一歩進む
空気がない すごすご引き返す
しゃがんで一歩 こっそり出す
いきなり水の中だ 鰓がなくて溺死
科学は日進月歩 ....
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突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行 ....
月面に地球がのぼるのを見たことがあるかい
虹彩異色症の奥菜惠ちゃん デビッドボウイ
片目が金目でもう片方が銀目の猫
ちょっとだけちがうものが無数に存在するが
有限個ならば統計学 ....
電車の
先頭車両の
運転席の
後ろに陣取って
景色の中に
割り込むように
のびていくレールを
眺めるのが好きだった
クハ モハ クモハ サハ
駅に
着くたびに
一息入 ....
暗闇の中に
包み込まれた
オレンジ色の
シャーベット
じわじわと
味わいながら
黒い舌が舐める
勢い余って
こぼした雫は
三日月になった
愛する雨 自由を解釈させる雨
掘り下げても 憂鬱になんてさせない 自由を解釈させる
愛する雨
問えない芸術が化けてる細胞の核
幸い瞬きに 遅いと感じる瞳
愛する雨 物語 ....
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