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ばぁちゃんの畑の相続に協力してくれてありがとう
叔母から感謝されて居心地が悪くなる
肝心な役割ができなかったと後悔しているから
故郷を離れて暮らす叔父から電話が架かってきたのは
お ....
首が回らないのに
辛気臭いが被さったら
最悪
食えないカビの温床
なんとか上げ上げで脱出したら
足を引っ張る奴の
便利屋にはならないよ
いますけど。
陽があたれば途絶える命
....
光が次の
季節を連れてくる
風はそれを
押し戻そうとする
雨が次の
季節を置いていく
人はそれを
なかなか見つけ出せない
ひと雨ごとに
行きつ戻りつしながら
季節は摺り足で ....
隣り合う湿ったカケラ
やせこけた舌でふさいだ
= = =
....
もしかしたらだけれど
ほんとうにもしかしたらだけれど
ひとはひとを殺したいという
本能を持っているのかもしれない
でもこれももしかしたらだけれど
ほんとうにもしかしたらだけれど
ひとは ....
画家はさかさまの
恋人たちを描いた
恋人たちは
地に足が着いていないから
ということで…
となりに黒ヤギがいた
絵をさかさまにした
地に ....
雪になれないミストの塊が降りてくる 桜の薄紅を水に溶き
私は筆の先端に任せ 続けている
墨のグラデーションを感覚に委ねる
発信源は心か魂か腹の底か 雪になりたっかたミストに尋ねる
陽だ ....
赤十字の理念は紛争や戦争の前線に於いても
独立と中立の姿勢を貫き助けを求める人を
平等に支援することだとされる
それは敵味方に別け隔たることはなく
傷ついた兵士も助けることだとも言う
....
真夜中に手淫のごとく懺悔せし
非常口に蓋をして
洗面台で ひかる剃刀
水滴の落ちる静けさと
窓を見ている闇と少年
ひっそりと手淫のごとく懺悔せし
悲しい線路 ....
無骨な魂の素描をさらしたあの頃
恋は糖衣に包まれた苦い薬
駄々を捏ねても得られないものがあることを知り
喪服を脱げない大人になった
今 砂糖とミルクを入れてゆっくりとかきまぜる
あなた ....
図書館の
古い本の最初のページに
白い骨と鉛筆で書いてみる
なんて事はない
恋愛小説の始まりに
少し読み進み
骨を包む新聞紙を取って来て
と鉛筆で書いてみ ....
イヨマンテの夜をききながら
体をたぎらせ、心をたぎらせ、
床の中で小さく雄叫びをあげる
*YouTube イヨマンテの夜(伊藤久男)
http://www ....
人生は足りないものばかりだが
僕はどこで誰に足りなくなるのだろう
人生は余るものもあるのだが
誰があまるんだろう
あまるものなんて無いはずなのに
軟体動物が線虫がそして僕が
....
風に舞うビニールを見て
詩が思い浮かぶなんて
詩人のすることじゃない
自分らしい言葉を
いつも持ち歩くなんて
詩人のすることじゃない
夕陽を見ても
何も感じないのが
詩人のするべき ....
事勿れに
もたれていれば
時は水よりも速く
流れていってしまう
大人の一年は
ジェットコースターの3回転
得意なのは
相槌のルーチン
言葉は水より滑らかに
受け流すに限る ....
「いってきます」とあなたが私に告げてから
もうどのくらいの水が橋の下を流れたのでしょう
おんなの直感でしょうか
もうあなたは私の元へは帰らないと
私はそう想ってあなたを見送りました
....
冷たい雨に
凍えているシクラメンよ
東京の夕闇のなか
冬はまだここにいますか
今、暖かなる者の待つ家に
一心に帰りゆく君よ
今宵もまだなお
寒い都会の夜を
行かねばならぬ君よ
た ....
イケナイ小学校の裏門から
そっと忍び込む
百メートルの校舎裏
キライじゃなかった
左手は ずっとずっと校舎
でも
右手には給食調理 ....
君の肉の感覚だけが僕を救う
知り得る事は少ないし
実際に知る事は
もっと少ない
君の肉の感覚だけが僕を救う
担任の先生
支援学級の先生
児童心理学の先生
作業療法士の先生
言語療法士の先生
そうそうたる先生達に囲まれて
亀ちゃんについてのミーティング
亀ちゃんのテストの結果
チノウノハッ ....
まばたきには
ばね がついていて
どれだけ
すばやく
まぶたを
弾ませられるか
競いあっている
{ルビ双子=シンクロ}
持ち主に
気づかれてはだめ
そんなに
凝視しても
真 ....
西の空は何色か
油断してたら殺される
ハサミで切れるものは全部切る
容赦なく切る
ハサミに西日が反射したのが
午後四時
玉ネギが腐り芽がでて
バケモノに変身
殺すつもりでにじり寄る ....
ふと気がつけば、僕はいつの間にか日常を、
単調で、退屈なことの繰り返しのように思っていたよ。
朝起きて、仕事をし、終われば帰って寝て・・・
ただその繰り返し、というふうに。
....
白いシーツ
白い枕カバー
白い天井
硬いベッド
朝が白々明ける頃には
私の心も
漂白されて
窓に
雪の港
鮮やかな海の青
いつものように鍼を打ってもらった
冷たさが首の後ろから忍び寄って
私の頭を痛ませるんだそうだ
肺を弱らせて
肌を凍みつかせ
私の心にまで風邪をひかせる
たくさんの鍼を体に刺されると ....
電話で予約してリムジンも手配して
態々サヴィル・ロウ15番地の
ヘンリー・プールまで赴き
スキャバルの服地で創ったオーダーメイドの
スーツに身を固めトゥールダルジャンで
まずアペリティフにド ....
わたしがわたしに出会った日
風が吹いていたかなんて
憶えちゃいない
詩人じゃあるまいし
ただ胸の痛みに耐えかねて
指を切った記憶がすこし
わたしがわたしに出会った日
花の中で虫は死に ....
ムカッと腹が立った時
握りしめる その拳
そいつで一発殴っていいですか?
ゴミ出しルールを守らない
近所の主婦
どうして生ゴミの中に
プラッチックと缶を混ぜるのよ
だから違反ゴミ ....
遠くから音が聞こえて来て
聞いたことがある音だったのに
そこでは確かに何かがあるのに
風が吹いたら忘れてしまった
そろそろ春が 町にやって来ると
早とちりして 期待している
春の陽の光 ....
上へ
上へと伸びてゆくもの
下へ
下へと伸びてゆきたがるもの
いのちを生み出すために
細い指たちは
指切りを繰り返し
相反するからくりを育む
そのなかほどの混沌で
わたしは
ひ ....
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