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わが一歩 一応は一歩進む
道に穴だ 二歩さがる
すこしずらして 一歩進む
空気がない すごすご引き返す
しゃがんで一歩 こっそり出す
いきなり水の中だ 鰓がなくて溺死

科学は日進月歩  ....
黒い真珠の美弥さんは
思いやり善意何気なく
エジプトの王女の風情
霊の修練されたる人と
   (阪神大震災の前に途絶えた連絡)

恋人でも恋うように
7歳の光子ちゃんと
14歳の淳子さ ....
自ら意図してじゃないの
前世の因果かしら
武道に縁があるようなのよね

父から剣道の手ほどき
刃を垂直に落として
むぎゅっとばかり、つかを絞る
小指の力が肝心でね

弓を引いた年月も ....

白く熱い道を
白いカッターシャツの高校生が
自転車でくる
7年ぶりに会った息子、きのうのこと
美しく花開いたのっぽのあの子

その道を今日も彷徨えば
また出逢った有り難さ

足 ....
自分の人生を愛おしんで
ここまでつき合ってくれた
セーターの青ミックスの色を
両の腕に抱きしめる

コープのお店に並んでいた
赤ミックスも緑ミックスも
好きだったな
モールのセーター
 ....
自分が世界でもっとも惨めな
女のひとりに思われる


理由はって?
捨てた子に捨てられて
犠牲を払って拾った男は
h,,,,,でs,,,,,,でD,,,,,でf,,,,,

こいつ ....

お正月、
特別なその日をくぐる
肩上げの晴れの着物に赤いりぼん
門松は凛々しく

遊び仲間はおすましして
行ったり来たり
どのお正月も晴れていたような
追い羽根の檜扇の実は
音 ....
冬至に至るのだなあ
ゆずだ かぼちゃだ 

忍耐を希望へ切り替える

あとは冬を乗り切るのみだ
小さな種を埋めておくこと
冬至の後は
明るさが増すのみだから

きのうまでとは大違い ....

薔薇の棘に
誘われて秘密のところへ
行くのだ

死は疎ましいが
痛みはとくとくと滲む
何故だろう、胸もとどろく

恋も仕組みも知らない
しかし脳は準備していた
麻薬と混同と効 ....

性細胞が減数分裂するとき
一対の染色体はランダムに遺伝子を混ぜる
個人を規定していた遺伝子の組み合わせが
千差万別となる

劣性遺伝が突然発現するチャンスだ
隔世遺伝と呼ばれたりして ....

7歳の女子Y、何者かに命じられ
人形を手作りすること決意

綿、晒の布、針糸鋏
どこから手に入れたものか

胴体、手脚四本、それぞれの大きさに
チクチク縫った
ひっくり返して綿を ....
Y一家北国に行く
鹿児島から、蒸気機関車にて
二晩寝て座席から転げ落ちた

到着、霜月、小雪

窓から永遠に降る雪を
あきず眺めた

二階まで積雪
道から雪の階段を下りて
やっと ....

Yの充たされた世界の中に
「赤ちゃん」というものが登場した
期待するように長くトレーニングされていた
?印のものを待つ日々

ぷるぷるの柔らかな
泣いたり笑ったりするオトート
その ....
ーー序章ーー
Yが父親の佑司と出会ったのは
三歳ごろだった
「お父ちゃんはどこ?]
「マルシャンスク」
それはソ連のどこかの寒い町だ

木炭バスに初めて乗った
佑司が帰国を許されたので ....
すべてが新品である
お互いの存在が目新しい
人の世の独立した若い単位として


姑が時には訪ねて来る
そこではもう、息子だった子はいないのだが
姑は新婚の部屋のなにかについて
なんら ....
広大な八柱霊園の
松飛台門のそばの
御影石のそこそこの墓

運のよいYの弟が一度で引き当てた都営の墓地に
小さな喪服の一団が派手な祭壇をこしらえて
供物を盛った
多くの病の最後は餓死、Y ....
緑化動物園に
人間の家族が押し寄せた
本物の動物はなんて面白い!

牝ライオンは遠くを見ていた
シマウマはみじろぎもしない
フラミンゴは小さな池で小さな群れ
家族持ちは、像、猿、キリン
 ....
真っ白い紙が好きだった
四つ折りにして切り離し
たくさん集めて綴じつけて
カバーに布を貼りつけた

憧れを描いて書いた
何十年過ぎても

たとえば生垣のプラン
今は構成中
東の庭は ....
暦の上ではけふから冬
パソコンが指に温かいので
幼い気持で十本並べた

若い自分に戻って尋ねた
あのころの若い夫に

どうしていつも私のこと怒るの
お前が馬鹿だからさ
どうしていつも ....
瑠美子さんは昔から
玉のような麗人だったが
きのう出会って驚かされた
50代にしては白い素肌

それはいい
話しながら顔を見ると
美とはこんなものかと驚かされる
にこりと笑う瞳の
優 ....
毎日小さなバスに乗る
手を上げないと通り過ぎる
キーッと止まりむーっと出る
少量の客は揺すぶられて

たった100円で駅に着き
たった一本の桜のもみぢ
見つけたから今日は佳し

優し ....
今日の一日かき回し
こうして記すほどのこと
あったかどうか考える

しなびた日々の続く中
秋茄子ほどのつやつやの
変化の兆し賜った

立派な葉を持つコスモスが
時雨の風にもりんとして ....
露の命の彼のこと
託すきみたちもう切るよ

誰にも見返られないで
青い瞳を輝かせ
強い心で今年も咲いた

こうして根っこを抜くとても
冬至がきては冬も過ぎ

春一番につんつんと
 ....
古里の十年は
丸い石ころみたいに
旅にいざなわれた

山陰に五年もいたら
霧の病に取り付かれ
九州にもどったら
嘘のようにピンクの肌

ロマンスの七年を置き去りに
意気揚々と広 ....
吉岡ペペロさんの木原東子さんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無駄な一歩か否か- 木原東子自由詩19*12-6-24
友垣へ花束を- 木原東子自由詩14*12-4-1
武道女子- 木原東子自由詩18*12-3-18
道で出逢う- 木原東子自由詩20*12-2-28
ひとときの嬉しさ- 木原東子自由詩26*12-2-20
自分が世界でもっとも- 木原東子自由詩18+*12-1-11
正月の空気- 木原東子自由詩12*12-1-4
大好きな冬至の日,讃歌- 木原東子自由詩23*11-12-23
脳内の場所- 木原東子自由詩14+*11-12-16
遺伝子解読- 木原東子自由詩10+*11-12-12
人形願望- 木原東子自由詩17*11-12-4
青森行き- 木原東子自由詩10*11-12-1
はじかれたけれども- 木原東子自由詩5+*11-11-29
誰のせいだと言いたいのか- 木原東子自由詩411-11-28
ハッピーエンドののちのひとつ- 木原東子自由詩7+*11-11-26
御影石- 木原東子自由詩5*11-11-24
地球家族- 木原東子自由詩4*11-11-14
小さな計画- 木原東子自由詩9*11-11-12
恥の上塗り- 木原東子自由詩11*11-11-8
「女でも惚れる」- 木原東子自由詩10*11-11-3
今日のもみぢ- 木原東子自由詩8*11-11-1
一瞬のやる気- 木原東子自由詩7*11-10-30
露草によせて- 木原東子自由詩7*11-10-28
困っても遅いのだが- 木原東子自由詩8*11-10-24

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