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いつか 私は夜で
星の鼓動を抱いては太陽を想った
いつか 私は昼で
鳥の歌声を聴いては月を想った
いま 昼と夜は交わり黄昏になる
見上げれば見覚えのあるアゲハチョ ....
こんな夕暮れは
たまに
たまになんだけど
あなたに逢えることが嬉しくてしかたなかった頃の私が戻ってきてね
ふたりで駈け落ち気分で出かけた場所を思い出すの
嬉しくて切なくて
....
こんがりと焼けた茜に
今宵あなたとニコーラへ
とろりと滴るバターの琥珀
バジルで装うゴルゴンゾーラ
ギンガムクロスに灯るオイルランプが
ゆらゆら ゆらゆら ゆらめいて
窓から見える ....
なまえ、ください。
道路の上に横たわる、かぞく
駆け寄った。悲しくて、悲しくて。
もう、しんでいるのでしょう?
あぁ、どうかこれ以上
ひかないで、踏まないで
魂は、 ....
「ここになにかがありまする」
そう言って彼女は化石発掘用のトンカチで
私の胸をとんとんと叩く
いつもの陽だまりの午後
「なにもありませぬ」
「いやいや、なにかあるであろう」
....
{引用=いつまでも生きていこうよ}
桜を見に
車椅子を押す
その背中
“来年も見に来よう”
孫から貰った桜の花
手の中に大事にして
見つめながら
“それまで生 ....
数が多いというだけで
強気になっている
本当に大切なものを
忘れてしまっている
力など所詮愛という
大いなるものの前には
無力なものに過ぎないのが
見えていないのか
生き方が違 ....
ナイロンで滑る指
艶めかしさに酔い
月の果てに漂う
今宵の月
冴えて
今宵の月
独りで
輝いている
夜の屋内プール
水面に反射する
水銀灯・ナトリウムラン ....
「ダックス!」
といきなりいわれた
ソファーでひっくり返って
ノビている姿が
ペットショップで見かけた
ミニチュア・ダックスにそっくりだという
あんなふうにやわらかい腹をムキダシで
無垢 ....
戒厳令下、部屋は灯火管制の暗闇に沈んでいる
遠く、山脈の向こうで、モデムのLEDが点滅している
僕は、銃撃に怯えながら
アロマキャンドルの揺れる炎を見つめている
嘘ではない。もはや戦後では ....
散りゆく花びら舞うように
爪の先を桜色に染めた
散った桜を惜しむように
爪の先を桜色に染めた
爪の先だけ満開な桜
4月14日 雨-----------------------------------
憧れのあのひと 人気者
あんなに綺麗な人と ほら・・・ 仲良さそう
あたしなんか どうせ カエルみたいだし ....
順調に下りてきた針は息切れし
8あたりで喘いでいる
それを見てただ微笑むだけの君は
海外ドラマに夢中になってて
きのう焦げつかせたやかんをせっせと磨く
異動先の職場に提出する書類を書きながら
彼女はポロポロと涙をこぼす
それは悔し涙だったのか
自分の人生を真摯に捉える人だからこそ
だれ憚ることなく感情を顕わにする人とは
僕は見ていな ....
見えている終着地点を目指してみて
ときおり、きこえた、きみの、こえ
『まださみしいんだよ』
全ては逃げるためなのだと
分かり切った言い訳をさけている胸に押しこんで
カメラのレンズにう ....
へのへのもへじみたいだねと問いかけたら
「へへののもへじ」が正しいんだと
あのひとは言った
―へのへの
叱られて家に帰れなかった
夕焼け空に
ロウセキで描いた
へのへのもへじ
....
住所を聞くように
ブログのアドレスを訪ねて
これで大丈夫と安心する
また話そうねと文字を塗り重ねて
実際に会うより
大切にしているかもしれない
何かが起きて
アクセスできなくなったら
....
ため息をつく男 という絵画を観ていた というのは嘘
凍り付いた大地 という映画を観ていた というのも嘘
悲しみに暮れて という彫刻を観ていた というのも嘘
失われゆく楽園 という演劇を観ていた ....
一緒になろぅ
耳に届けば心は梔子
一緒になろぅ
口づけ交わせば心は深紅
一緒になろぅ
眠ってしまえば心は濃藍
恵まれてないからだとか
体調がよくないからだとか
全部、きれいごと。
私が病む理由なんて簡単
必要とされず
自分が他人より劣って見えたとき
部屋の隅で
膝を抱 ....
あなたは昔言いました
…お前、偽物だ。と
寂しげにぽつり言いました
…お前、偽物だ。と
私 言い訳を探して
だってあなたは脳の病気だし
寝たきりでろくに口もきけない ....
ベーコンチーズトーストを差し出す
どんなに慌ただしくても
両の目からの弧光
を浴びて
お腹 風船みたいだよ
やわらかいんだろうか
コーヒーを啜っては新聞をめくる
ひい ....
幼い 記憶辿る
暖かなる 春 揺りかご ゆらり
ありがとう
聴こえるの
嬉しい気持ちで お腹がいっぱーい
満たされているのよ わたし
幸せのおすそ分け ちょっとだけ あげる
幸せのおすそ ....
いま からっぽのこの体 なにから詰め込んでいこうか
いま からっぽのこの体 目に映るはモノクロの世界
いま からっぽのこの体 なにから入れたらいいのでしょうか
いま からっぽのこの体 なにを愛せ ....
甘やかな
ひとさじの記憶を舐めたので
それにすがって
いまでも背負う
185センチをもてあます
トンガッテ戸惑う魂を
(ウザイ)
(ウルサイ)
五角形のつぶてを
吐き ....
彼女がいやなのは
その事柄よりも
それを知らないでいる時間
彼女がいやなのは
戦わずして逃げること
彼女がいやなのは
無視されること
人は傷つきすぎると
誰もが自分 ....
オレンジと
アップルと
互いの唇を結ぶきらきらの細い糸と
つぶして
歯で
たらして
口移しで
かきまぜて
舌で
私は、
冬ワインとする
眠れぬ夜を越え辿り着く時
身からこぼれる無彩色な雫たち
こぼれるほどに身は透明になり
私はついに記憶を失う
この狭間の中で
行き着いたのは鏡の世界
映し出された情景 ....
揚々昇り立つ煙り 山より下るは
吐く息の ちぎれるも 薄れ
野に流るる かぎろい 四季の はじまり
卯月
甘い 春の来
*
そろり そろりと やって来たのは 糖蜜の ....
暇を弄んでいる
雨は上がった
日差しのなかに春を見つけ
香りのなかに沈丁花を見つけ
ぼんやりする
渦中のただなかにいると
気づけば
既に過去と知る繰り返し
追い ....
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