すべてのおすすめ
望みが持てなくなって
ひとつの灯りも灯せない
そういう夜にその日は思えた
雨が降り出している
耳をすまし
黒い地面がまるで現実に見ているようにはっきりと見えるね
もう二時になった
枕 ....
おかのうえのばかものは日が暮れてかえるのだよ
4人の不良は仲良く手をつないでブルースしている
ねえJohn 宇宙は渡れるかい
ロックンロールには限界があるのかい
銃撃されなけれ ....
{ルビ宙=そら}に向かって 翳した{ルビ掌=て}
ちっちゃな指の隙間から
見える夜空
月と星 天上を照らす
蒼白く磨ぎ澄まされた星々は
夜の静間に息づいて
光年の{ルビ刻=とき}を数え ....
朝早く目が醒めて
一日始めるアサガオさん
朝食はパンにたっぷりマーマレード
コーヒーすすって
洗濯でもしようかな
みんながもそもそ起きるころ
洗濯機回すアサガオさん
昨日のパ ....
すっかり足腰が弱くなった昨今
でかいバイクで宇宙へ旅立ちたいと思う
つれない彼女なんて要らないさ
打算の女は沢山だし
抱く気にもなれない
カートコバーンみたいにい ....
まるこめみそが母で手前味噌が親父
かにみそがいとこで僕は八丁味噌で野菜炒めをつくる
朝の日差しのなかでふうわりと世界は味噌に征服されてゆく
味噌らーめんが好きだ
夏絵さんの ....
新年
まわりゆく月日
新しいといえるか
迷いゆく道
死の年
まがまがしい月日
もはや過去だ
通いゆく血
あの夏は遠く今
見えるのは
白い冬の日
あんなに嫌悪した脱 ....
笑いながら僕らの内部から
ななめうしろに
バタバタ飛んでいった鳥たち
そうだった
僕らに絶対はないのだ
絶対がないことの再認に
僕らと鳥たちのあいだにある
みえない影法師を見よ
....
白鶺鴒と歩道ですれ違った
Pardon, forever!
スタスタスタ、にっにっにっ
小鳥が啼いて朝を告げた
巣からとびだしたのは6羽だ
あのちいさな翼で大空を飛び
....
乾いた空をぶっ飛ばしてゆくぼくたちは
武器をもたない天使
光速のロックンローラー
ベルリンの地下のクラブに生まれて
とんがったバラードを歌い続けてアイスランドの火山を
....
目玉焼きには
塩と胡椒をかけるべきとか
ぜったいに
....
ああ、
貧乏に生まれて
貧乏のままで死んで逝く
ああ……
啄木さんや一葉さんの
気持ちがちょっと分かったけど……
才能は銀河の果てほど差がある!
ああ、もう
わたしなん ....
らくだ色の毛布のなかで
ひだまりに
あたまを撫でられた
....
坂本くんや夏絵嬢と新年を祝う
今年も風車はまわる
去年はちょっとくたびれた年だったなあ
夏絵嬢が笑う
僕の星たちはどの軌道に乗るのだろうか
運命という星座は色を変えか ....
蟹がいた
砂漠の真ん中に。
細い車輪に踏まれてつぶれたようだった
雨が降っていた
雲は見当たらないが・・
光が満ちていた
太陽は見当たらないが・・
....
きっと その
水色の子は
女の子でしょう
あなたに 毎日
愛をささやきに
来たのでしょう
私の真っ白い子は
おしゃべりで甘えん坊で
食いしん坊でした
どこからか
飛んで ....
まつげの先にくっついているのは
きっと、全てからこぼれたひとかけら
布団からはみ出た指先の冷たさに驚く
そういえば昨夜見ていたニュース番組で
朝夕の冷え込みに注意しましょう
とか何と ....
僕という手品を君に見せてあげよう
きみはつまらないっていうけど日常はとてつもなく
素敵なショウだってね
種明かしは簡単さ
詩人であればいいのさ
世界という書物を書き換 ....
ぼくは待つ人
何を待っているかも
わからないけど
ぼく待っている
待つもの来ずとも
待つ心のありかたで
有為も無為も
意味をなし得る
意味といえども
無意味な本質
本質 ....
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お正月、
特別なその日をくぐる
肩上げの晴れの着物に赤いりぼん
門松は凛々しく
遊び仲間はおすましして
行ったり来たり
どのお正月も晴れていたような
追い羽根の檜扇の実は
音 ....
南島の
国際通りでるつぼに会おう
安里から
牧志にかけての人だかり
沖縄三越の道向かいから 平和通りはかまぼこ型で
龍の捩れる ガマほどにあやしく
おいで おいでよ
ほの暗くゆるやか ....
顔で笑って心で泣いて?
そんな美学いらねぇ
我慢することが誉?
そんな価値観蹴飛ばしてぇ
泥水の中だって
俺は生きてる
コールタールを飲み干して
ブラックホールを吸い尽くせ
....
詩人たちよ
雨が落ちてくるように言葉は降ってくるのだよ
時に水滴を凍らせ沢山の結晶をまきちらすのは僕らの魂
手探りで取り出した心臓の鼓動に空の波動と風の色がにシンクロするまで
....
誰かのために歌ったんじゃなくて
私のために歌った私の歌が
一番愛しかった
そうして
やっと
あなたのために歌いたいなんて
思ったりして
誰かのためんなていうのは
とても難し ....
透明化された
君のことばは
いつしか
あいに変わっていた
ふゆに舞い落ちる
結晶たちのように
少し儚く
確かにつよい
年の瀬に
告げられた
プロポーズは
大気に漂う冷気で ....
そこにあるのは悲しい沈黙
誰も触れない
君に話したものは希望
君にはわからない真実
僕たちは誤解という小さな罪を積み重ねてきたね
ジョン レノンを貫いた銃弾はいま ....
年が改まり 今日から新年なんだ
モソモソと布団から這いずり出して 袢纏を引っ掛け
いつものように 新聞をポストに取りに行ったら
電話帳みたいな ぶっとい紙が捻じ込まれていた
こんなもん、 ....
空から降ってくるものたちは
悲しみをたずさえてそっとやってくる
それはアリューシャン列島の凍った針葉樹を融かし
地に降り立つとそれぞれに色を変えて南下してくるのだ
柱時計をぼんと鳴らし ....
季節外れなんだけど
その事を考えていると
なぜか
バニラアイスクリームと
汗の匂いがする
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