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燕が飛ぶを 見られない町
群れ飛ぶトンボは どこだ
ただドス赤い 夕焼けの
ビルの隙間の 底の闇
嵌り込んでいるのは 何?
コンクリートで厚化粧した
お ....
月は夜の命醒めた情熱が空に浮かんでいる
張り出した枝の先に引っかかってなにを思う
そらが墜ちてくるまであそぼうか
朝のひかりを待たずに逝ってしまう
幾千のしじまの響きをたずさえて
....
人は
何のために祈るのだろう
自分のため
家族のため
社会
世界
宇宙
それから
私たちは知っている
幸せは
すべての人にはこないこと
多分に
相対的であり
他人 ....
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春を待てずに 窓辺にて
花ほころびを 愛しむ日
過ぎ去りし時 在りゝと
時にあらずに 致しこと
咲いて萎れて はらゝと
....
瞳 閉じて下さい
その瞳から
光もれぬように
息 ひそめて下さい
その唇から
恋語られぬように
恋は百年続いたけれど
既に潰えた
青春の輝きも
今は色褪せ
光と影に満ち ....
下を向いていることが なにより好き
下しか見えないから 当たり前
もっと前を見つめて 天を仰ぎみて
大きく羽ばたき
大きく羽ばたき
うん そのあと どうする ....
離乳食
自立の一歩
母さんのおっぱいは
少し寂しくなります
いつまでも
吸血鬼で
可愛い可愛い鬼で
いて欲しいのは
母さんのわがままです
きみは
....
きみは愛しい
そのきみに
あなたを認めると
一層愛しくなる
それはきみなのか
あなたなのか
***
数少ない出会い
別れ
いつかは来る孤独
一瞬でも
一緒 ....
「木 樹 木」
木の若芽
木という美しい存在から発せられる
さらに妙なる空気は
宇宙の真空に似て
静かなのに歌に満ち
陰なのに光にあふれ
少し怖いけ ....
「さあここへ」
木の若芽
街の人と里の民が
踊る はやす 祈る
働く つくる
楽しみ喜んで
太陽に向かって 海に山に向かって
音楽科の父と 画 ....
121010
横顔の君はとても綺麗です
チャーミングですと煽てられ
そんなでもないのにねと
悪い気もしないので照れ笑いを隠しながらふり向く ....
夜の和室で レコードをかけて
明るい部屋の 怒鳴り声も
針を落として 消してしまおう
明日になれたら きっとだいじょうぶ
....
あまいシロップ飲み干したら
猿が金星でおどりだした
クリスタルガール
欲しいものは銀色のナイフで
愛の祈りをほざいても
リルカは哂うしかなかった
まっしろな贅沢で まさ ....
猿山の
一番見えやすい位置に
子猿を抱えた
母猿が座っていて
まるで「うちの子可愛いでしょ?」
と言っているみたいで
親ばかは
人間だけじゃないのかもしれないと
わらった
私 ....
一人居の 部屋に漂う 紫煙ゆら ゆらと揺らすは 鼠なのかも
薄暗き 夕に向かへば 膝抱え 薄ら悲しく 犬鳴く遠く
連休の 終わりも近い 侘しさに 曇り空落ち 町は静かだ
当たり前のことを
当たり前と思わないことで
幸福になれると
君の小さな鼓動を聞いて
知りました
「なだらかな丘の草おおう地面にすわりたい」
木の若芽
木の葉と鳥の羽に映し出された
微妙な彩りの恵みが
等しく幸いの象徴なことを
なによりうれし ....
母の作る
遠足のお弁当
いつでもそこには
りんごのうさぎ
黄色い躯体に
赤い耳
役に立たない耳の端(は)を
世界に
ぴん、とそばだてて
ああ
君がい ....
君の心の暗がりにいる天使
白い羽根は埃でいっぱい
眠っているみたいに
じっとしてる
かくれんぼしてるのかい?
幸せが鬼かな
....
121007
共感覚の指令の下に
自転車を漕ぐと
待ち合わせの人が微笑んで
昨日の猫が舌を出す
奴は今から欠伸をして
背筋を伸ばして
何処かに遊びに ....
{画像=121007020710.jpg}
さんぽのとちゅう
すりよるこねこの
せなをなでたらね
せぼねをじかにさ
かんじてしまって
せつないかんじだ
....
生まれてきただけで
本当はこんなに嬉しいのに
あまりぐずらないで欲しいと思ってしまう
生まれてきただけで
本当はこんなに嬉しいのに
賢くなって欲しいと思ってしまう
生まれてきただけ ....
この粗末な杖で
渓谷の深さを探りながら
対岸に渡り
平らな岩の上に荷物を置いた
紅葉は始まったばかりで
枝は葉を乗せて
上下に ゆったりと揺れ
葉は揺れながら 左右に小刻 ....
どんより色の窓
真っ黒に白い模様の
蛾が二匹
はたはたと舞っている
夕暮れの薄ら暗い窓だよ
秋に死す者
その不吉さを
喪服の様な衣装で表現か
ああ 舞う ....
野分
木の若芽
海に生まれ海を吸い
東から西から
竹の葉のような島を
南へ北へめくりあげ
野分
秋果をもぎとり海に果つ
「月光文字」
木の若芽
秋の月に照らされて
月光だけで詩を書きましょう
人は寝静まり
虫の声のほか聞こえるのは
時計の音
遠い風の音 それから
だん ....
とししたのメンズは
いどんでくるから
つかれちゃうのよ
かちたくもないけど
かつし
かてばかったで
つぎから
てきよばわりされるし
そう ....
恋人よ
その唇に
甘き吐息を重ねよう
永遠の時は
数えられないけれど
砂時計は刹那を刻む
明けない夜
ふたり魚になって
白い川を泳いでいく
愛染の
罪は深まりつつ
快 ....
愛していますと 言ってみたかい
かみそりの様な 三日月の夜にさ
過ぎる程の星の 瞬きの深夜にさ
河原で尖った石 探す様な手探り
積み上げてみる 崩れる音のする
瓦解しなが ....
真夜中のいきものたち
真夜中の市場にはすでに
大都会の胃袋を満たすための供物が
続々と魁偉な動物のような巨大車両や
あるいは中型や小型のさまざまな甲虫たちによって
到着し並びはじめて ....
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