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水面にゆがむ月よ
滑らかならぬ蒼白い顔は
私を待っていたのでしょうか
それとも見送ってくれるのでしょうか
足を止めると
あなたはきらりと
涙を放ったように見えましたが
驕りだったよう ....
眠れぬ夜が
大きな口をあけ
数珠繋ぎの言霊を
ひとつ食み
またひとつ食み
私をおいて
月の光ばかりが蒼白く
強くなる
溢れた涙を
瞳に返せはしないけれど ....
海の方へと走らす車の中
僕は何を考えて運転しているのだろう
自分に質問しても何も答えは出ず
アクセルを踏む足に力を入れた
優しさなんて口先だけ
と、思えてしまう
信じる程に失望は大きく ....
刻むビートの中で
すれ違った人の思いを切り刻む
夏の日じっとしてられなくてパジャマのまま
夏の風のなかをはしりぬける
繋いでとぎれない笑い声
手をのばしてつかみ ....
痛いとかかゆいとか
間抜けな人は嘘でもいいやと
マルをつけた
早く治るといいね
ピンクが好きだと言ったのね
そんなのもう
鳴り響かない
ずっと弾いてないから
静電気を放った
早く ....
ぼくは詩人
季節の思い出は
大きなものよりも
小さいことの方が
存在として大きい
今日もまた
夜の散歩をしていると
花火に出会いました
夜の空に咲く大輪の花が
その一 ....
私は言葉だ
私は日々 消費される 切り売りされている
切り花のように美しく 華美でいて
造花のように どこかしら胡散臭い
私は言葉という散財好きな令嬢である
はたまた この世で最も蔑視される ....
{引用=お嬢ちゃん、夕凪ドロップって知ってるかい?}
駅前で老人は呼び止めている
誰も足を止めずに長い髪を風に乗せて歩く
夕焼けを写真に撮る
カメラマンが其処にいた
近づくと後ろに周 ....
月は高く窓ガラスをすり抜けて
フローリングの床で優しく揺れている
君の声は夜風に乗って流れて
頬を伝う涼しさは本のページを捲って
私は一枚と一枚と戻している
扉を叩く音が静 ....
イワシの缶詰を
買ってきて
もらった
イワシの缶詰の空き缶は
魚臭いから野良猫が咥えて
行くんだ
カランコロンと音を立てながら
猫がイワシの油を舐めるんだ
ひかりの断片がまちまちに彩る景色の
これ以上無い非日常さに腕をひかれたように
散らかった部屋を放ってわたしは外に飛びだした
今日の天気がうすくもりなのか
目にかかるレンズのうすくもりなのか
....
雲色のミルクをコトコトと温めて
お鍋はグツグツと音を出す
夜空を優しく撫でる様に流れ星が堕ちる
三回願い事を声にすれば願いは叶う
でも、本当の願いは胸の中に在る
北風は窓枠 ....
炎の塊がどんどん大きくなっていく
僕の心もどんどん大きくなっていく
知らず知らず僕は少しずつ大人になっていった
まだ子どものままでいたい
ピーターパンシンドロームでもい ....
彼女のハンモックは
ピンク色だったそうだが
僕のハンモックは…
完全な漆黒であり
プランクトンの雪の舞う
蟹のいる深海の黒
練炭より
エスプレッソコーヒーより
悪魔の翼より
....
(でっかいのが、死んだ。)
風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
ざぶん
ざぶん
さらさら
さらさら
波は寄せて
砂は浚われて
すっーと記憶を読み返せば
海水の味が甦る
ざぶん
ざぶん
....
昨日は切なさを
今日は愛おしさを
明後日は狂おしさを
一枚
また一枚
引き剥いだ心から溢れ出る
あかい
あかい溶液は
あなたの眺める空を
あなたの愛でる花を
染めぬいてくれるでしょ ....
生暖かい風を受けて
君は眠りについている
世界のリズムを君だけは止めたみたい・・・
緩やかに雲は流れて
静かに時は刻まれて
未来に進んでいる
水面を優しく撫でて
....
えんえん泣いてるときより
はにかんで大笑いしてる方が可愛いよ
なにげなくふれあう瞬間
電撃が体内をいっそうに駆け抜ける
消えかかる心の奥底に
沈み損ねていた思い ....
何にも問題が起こらず日々は過ぎて行く
唐突に自分自身に何が起こることはない
そんな風に感じている
ベランダに住み着いた
鴉に夕食の残りをあげる
有無を言わずに皿を突付く
その姿が何処か ....
緩やかに伸びる陽射し
カーテンの影が揺らめく日曜日
君のいないソファーに転がり
時の流れを穏やかに感じています
淹れたての珈琲の芳醇な香り
苦味の中に隠した砂糖の甘さ
見え ....
この事柄を目にして
なにを生み出す?
私がつくったにちがいないが
どこまでも未知数な
私というフィルターよ
なにを入れたら
なにが出てくるのだ?
どう改良すればよい?
....
縁日の知らせを笛太鼓が告げる
心底に響く懐かしいメロディー
思い出す思い出に花を咲かし
酒の肴にする
最近の子供は金魚掬いを知らないだろう
と、飲み屋の親父はそんなことを呟き
串揚 ....
思い出せない人
どうやって
思い出せない人
思い出せる?
思い出せない人
目を伏せたまま
思い出せない人
わたしに話した
つねって
振り回せば?
からっぽの体で ....
広大な夜空の万華鏡
瞬く間に移り変わる
世界の姿は明日と今日では何も変わらないけど
数百年単位や数千年の単位で少しだけ成長している
打ち寄せる波
浚われる砂
帰らない人
心の ....
黒色の雪がヒラヒラ舞い落ちる
それに合わせてリズムをとるぼく
ブランコにのりながら遠くまで飛ばした
靴は雲の中に突き刺さり落ちてこないよ
ぼんやり光っている電灯に夜蝶が ....
初夏の雫を集めた、里芋の
透明な葉脈の裏側で
夏風の子が
小さな産声をあげる
まだ、うまく飛べない
棚田の{ルビ畦=あぜ}に沿って
緩やかな曲線を描くと
早苗に浮かぶ蛙が
水かきを ....
光る
ざわめく
お前を
連れ出す
打たれる
二人で
稲妻
はぜる
当たるぜ
俺たち
そんな
ひどい
あたった
ためしが
ないのよ
宝くじ
....
誰かに理解してもらおうなんて思いたくない
そんな事を考えて数年が経つ
共に過した月日に傍に在るのは治らない病
例えば、「おやすみ」と言って欲しいと頼む
そしたら誰かは「おやすみ」と ....
たった一人を満足させるために
君は不自由な生活をする
寝不足と二日酔い
時間と比例して蓄積していく
両手一杯の雪の華
自分の手の温もりで
溶けて、さぁ...
哀しいけど生きている
....
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