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ゆっくりと頬を伝って流れる涙
悲しみの雪の中を体中真っ白に染まるまで
一人で泣きながらあるいた
風が吹いてサラサラと粉雪が空に登っていく
僕の弱さを心を伝って捜した
....
人がさなぎに見えることがある
外はカチカチ
中はドロドロ
無限の可能性を宿した
それは小宇宙だ
人は時々蝶になる
青い青い無窮の空間に
おもいきり翼を広げ
自由に飛んでいく
私は ....
明日も走るだろう。
ただ光を求めて。
ひたすら走ろう。
闇を振り切る為。
真実はここには無い。
いつも僕の一歩先にある。
ほら
雪って、生きているのよ
空からここまで辿ってきた足跡が
真っ直ぐじゃない
一粒ずつみてごらん
そうしたら、ね
小さな顔がある
あ、いま 目線が合った
雪はそのむかし 薄紅 ....
生きている実感が薄かった時
「なぜ」ばかり追い求めていた
全力で愛する事を覚えて
「なぜ」は必要なくなった
マンションの鍵を開ける
左手にぶら下げた金魚
学校の友達と
お祭りに行ったんだ
金魚すくいでね
僕が取ったんだ
リビングの扉を開けると
ママはソファーで横になっていて
つまらなさそうに ....
降水確率が
七十パーセントだとか
予報された空から
雨は得意げにやってくる
ビルとビルの隙間を
灰色に染めていく
知らない顔の持ち主が
逃げるように通り過ぎていく
少女は傘も持たずに
....
「修行」という言葉が胸をしめつける
もうなんにもいらない
人間としての幸福がほしい
リンリンと初雪がゆっくりと
空から落ちてきます
手で取って見たけど体温で
雪が滴へと変わってしまいました
今日はずっと降っているらしい
明日起きたらスグ窓を見て ....
喜びのうたが
空から零れてくる
おはよう、おはよう、おはよう
躍動するエネルギー
まあるく紅く凝縮すると
ほら、朝が来る
大きな蒼い空に雲
浮かび、たゆたい、 ....
鮮やかな色に道路は染まり
君の淡い朱色の髪と似ていた
家と家の間を抜ける様に光は僕らを照らす
眩しくて瞳を背けた
その間に君は僕の視界から消えた
小さな悪戯が僕を困らす
....
みなし子にかける言葉があるか
みなし子に
かける言葉はあるか
霧のような冷たい雨が降る日
孤独と不信に凝り固まった心を持つ子
その子の瞳は何も知らない
知らないけど知っている
日 ....
ひとつの恋の終わりは、
ひとつの音楽とひとつの香りを残す―――
いつだったか
すれ違った文庫本の帯が
そう主張していた
乾かないルーズソックスの ....
読みかけの雑誌を開いたまま あのひとが
透明なルリルになってしまった
笑みもそのまま ときめきもそのままに
ガラスのルリルになってしまった
うす青い 摩天楼の最上階
ここでは 音がこ ....
公園に散歩に行くと
楽しげに飛び回る犬を横目に
足下のシロツメクサを見つめてしまう
あ、もしかして四葉かもと
思わずかがみ込んで
でも滅多な事では見つかりはしない
三つ葉が普通で四葉は ....
赤はあなたの朝のあいさつ
いまさらながらって照れちゃうけれど
橙大好き抱きしめてなんて
いまさらながら言えないけれど
黄いろい蝶が花びらみたい
いまなら素直に笑えそう ....
焼きいも食べたい
だって寒いから
焼きいも食べたい
だって手がかじかんでいるから
焼きいも食べたい
だって体の芯まで冷えてしまっているから
焼きいも食べたい
だって北風が正面 ....
僕がこの言葉を知ったのは十年前
五歳のときだった
近所に住んでいた
りんにいわれたことがきっかけだった。
彼女は僕の目の前で
めちゃいい笑顔でいったんだ
「あい・らびゅー」
僕は意味 ....
廃校舎に月がさしのべる
光の中野エントランスの階段を
少しずつ確かめるように登っていく
昔のクラスの自分席に座って
月明かりに照らされて
まぶしいので目を細める ....
ぼくが見ている空があるから
君が見ている空があるから
ぼくが感じる風があるから
君が感じる風があるから
ぼくは飛び立つ羽があるから
君は飛び立つ羽があるから
ぼくは行きたい雲が ....
あおいそらをおなかいっぱいすいこむと
こころがうわぁんと大きく広がっていく
そう、自分が空と同化していく感じかな
はっぱや樹々とお揃いで空の下が大好き
ピッポッパッ♪ミ ....
終わらせることなどできない
終わらない
終われないんだ
永く遠く
その旋律は続く
終わらせることなどできない
終わらない
終われないんだ
低く高く
その旋律は続く
たとえば朝日が私 ....
穏やかな風が吹く
冬の晴れた日の午後
寒い日のはずなのに
その冷たさはどこにもない
鳥たちはのびやかに飛び回り
土は生きている
めったにないこの日を
人も皆
外に出て心で祝う
....
静かに今日を終えようとしている
始まりはいつも解らないが
終わりはいつも解る
儚いと知りつつも力を込める
僕ら(人と)の関係は脆く壊れやすい
一つの嘘が引き金に成りかねない
....
枯れ草しかない目の前は
寂しさを感じるけれど
ここから春が訪れると思えば
渇ききった枝と自分の心にも
潤いが与えられる
土がむき出しのままの畑も
侘しさを感じるけれど
ここから生が誕 ....
今日の空は少なかった
下ばかりを見ていて
たくさんの石ころは覚えている
今日の空は狭かった
部屋の中にいてばかりで
たくさんの手紙は覚えている
明日の空は
今日の空を見れないけれ ....
わたしがまだ小さい頃
パパがお仕事に行くとき
ママが「行ってらっしゃい」
といってパパにちゅーをした
パパはちゅーされた後ママにいっていた
「あい・らびゅー」
あ・い・ら・びゅ ....
剥がれ落ちた
爪を
見ていたの。
まるで
複雑すぎた人生を
真後ろから
眺めてるみたいでさ。
光りもしない
石を
ただ磨いていたの。
....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ
道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり
どこか ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
{引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
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