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わたしはさがしているのです
この世に生まれおちる
その前の
母のナカで見た
あの光を
わたしはさがしているのです
わたしが生まれおちる
その時の
慈愛に満ち ....
安らかに眠っていた牛が
Mooッと一声高らかに鳴いた
月には一文字足りないけれど
無知蒙昧で顔をまんまるに膨らませ
危険を回避する為に電化していく家の隣で
しれぇっと天然ガスを汲み上 ....
降り止まない豪雨
微かに水を切る車の音
窓伝いに零れる涙の雫
渇いた歌声
整えられた髪飾り
銀の指輪が錆びて
嘗ては、歌姫と持て囃された自分自身
今は廃れた自分自身 ....
最後の夜が直ぐ傍まで来ていた
闇に二つの姿が飲まれていく
彼女の瞳は硝子玉のようで
薄汚れた世界でも綺麗に映す
少しの衝撃で砕けてしまいそう
そうしたら、醜い世界を見せなくてす ....
やりたいときに
やりたい分だけ
自分の都合だけの
マイペース
マイペースは
自分で進んでゆく速度のことだ
けれどもその前に
自分で進んでゆく道がなければ
ペースはつくれない
そこ ....
入梅に映えるはな
雨の雫を身籠って
まぁるく結実して
空の蒼さをうつす
さようなら
なんて
言わないはずだったのに
さようなら
ふたりで作った
桜のしおりは
あの日以来 挟んだまま
日記には
もう あなたのことを
書 ....
おもてに映るのは
笑って
泣いて
嘘を吐いて
うらでは何を
映しているの?
遠い空しか
見てないの、ね
仰向けに眠る癖は
やっぱり
私なんか
あなたのどこにも
....
あの時
「ごめんなさい」と言えなくて
けれどもその後
勇気を出して言いにいったけど
君はもう帰ってしまった
あの時
「ありがとう」と言えなくて
けれどもその後
がんばって言おうとし ....
拝啓
やあやあ
初めましての方も
そうでない方も
こんばんは
梅雨特有の
湿り気たっぷりの中
いかがお過ごしですか?
じめじめの空気に
雨の日の
あの優しい ....
一つの授業が終わるたびに
階段を下りて
一階にある自動販売機で
レモネードを飲んでいた
今日も暑い
昇降口の近くでは
これから体育の授業だろうか
下級生たちが体操服で
わいわいと騒いで ....
鳥はいいなぁ
と誰かが言った
鳥のどこがどういいのか
説明こそしてくれなかったけど
何となく理解できた
きっと空を自由に飛びまわれるから
なんて単純な理由なんだろうけど
....
こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる
洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた
防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた
はにかみ屋さんで
口下手で
....
自分で決めれば
そこが
スタートに
なる
スタートラインは
つくるもの
誰かのつくる
スタートラインは
君の
それじゃ
ない
スタート ....
隣の家の畑から
一輪の花が
「おはようございます」
挨拶をした
それは隣の家の
おばあちゃんの声に
そっくりで
腰は少し曲がっている
お辞儀草みたい
ちょん、と触ると
にこ ....
北の方角では
青年が祈っている
切実なその願いは
祈り、というより叫びのように
わたしのたましいに遠くから響いてくる
薄いカーテンの向こうでは
洗濯物が揺れている
梅雨の晴れ間と聞い ....
将来の夢を語り合うよりも
明日のテストに向けて
たくさんの単語を関連もなく
覚えることの方が大切だった
そのときのぼくの夢は痛かった
将来の夢を描くことよりも
今の生活を脱する方法を
....
― 太陽は人気者でした。
それはそうだよ
だって、僕がいなくちゃ生命そのものが存在しないんだから。
見てごらん
みんなが僕を慕ってる
作 ....
何を植えるかなんて
考えもなしに
掘りおこした
庭のすみ
やわらかい土の頂きに
雀が降りて
ころころと、まろび遊ぶから
つい、嬉しく振り返って
あの人の面影を探してしまう
幸 ....
無数のあなた、むすっとあなた
そこの穴はあなたの穴さ
穴のないあなた、穴ばかりのあなた
あなあなかしこ、あらかしこ
洗ったあなた、ずぶ濡れあなた
愛してあなた、言って ....
疲れた体を
冷たいベッドに横たえて
昨日の夢の続きを再生しましょ
夢みたいな夢
現実よりもはるかに現実
どっちでも大して変わらないね
あら
どういう風の吹き回しかし ....
輪ゴムのように生きろ
小さい頃から父に
ずっと言われ続けてきた
その父も祖父から
ずっと言われ続けてきたらしい
輪ゴムのような生き方って
どんな生き方なんだろう
伸びたり縮んだり
....
探し物をしていたら
押入れの奥から出てきた
学生時代のルーズリーフ
こんなものがこんなところに
物理のノートだろうか
数式やらグラフやら
長々とした漢字による専門用語やら
今では何が書か ....
隣の席で
難解な数学の問題を
すらすらと解く彼が嫌いだった
無能な自分を見ていた
何でこんな複雑なものを
考え込むことなしに
さばいて見せるのだろう
その姿勢がどこか傲慢で
さらに彼を ....
ラジオから流れてくる
何気ないナンバーに
心動かされたりする
気付くと世界は歌っていた
木も歌っている
草も花も鳥も歌っている
石ころも雲も風も
空も太陽も月も星々も歌う
私も歌う
....
ちいさな ちいさな
そらを見つけたのは
近所の公園で遊んでいた
三歳くらいのおんなのこの
瞳の中
よちよち
浮かんでいるようでした
おおきな おおきな
うみを見たのは
田舎の天文 ....
林の中の記念碑が
どこか重たい空気に包まれて
その横にぼくたち二人が立っている
君は説明書きの立て札を
じっと読みながら
この記念碑が何であるのか
話し始める
ぼくたち二人にとって
....
願いが時に邪魔して
ループして
あの頃の想いを
捨てきれないでいます
また今度の今夜
ずっと待ってていただけますか?
返事は色褪せた手紙でいいので
次は忘れないで下さいね ....
誰にも教えたくないことこそ
誰かに教えたいのかもしれない
自分では誰にも教えたくないと思っていても
人は何でもないことなのかもしれない
プライバシー
このカタカナな表現が
どこかかっこ ....
飛んでいる、みたいに
自転車を漕ぐ
坂道を下って
手を広げて
風の翼が
背中に生える
目を瞑れば
何もなく
自分の宇宙が
自分の未来が
見える
飛んでいる、みたいに
自 ....
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