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茫とした{ルビ陽=ひ}はため息をも受けつけず
溶けだした野原に足が吸いこまれていく
彼方に響く踏み切りとクラクションの音
向かい風に頬を殴られた{ルビ黄昏=たそがれ}
(岩陰ではレミングがひと ....
3つ葉のクローバーの様に思える
平凡な日々の中で
見落としていた4枚目の葉っぱを
見つける事が出来る人を
幸せな人って呼ぶんだよ
簡単な事ほど難しく考えて
答えなんて出てるのに
思い悩んで苦しんで
正解も不正解も
知りたくなんてないから
解ったフリのフリをするの
理不尽な言葉に
耳を傾けてる余裕なん ....
コロンと
転がって
なんだか可愛いと 思う
そっと殻を剥く
つるつる ぴかぴかの
白い肌が
なんだか可愛いと 思う
真ん丸く
抱きかかえた 黄身も
なんだか可愛いと 思う
....
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで
二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく
無造作に生えた緑から
シ ....
うつつを指でなぞった先に悪夢があるというなら
夢日記をしたためよう
意識下で作り出した硬く尖ったガラスの破片は
握りつぶした血を舐めてこそ報われる
否、結晶の降り積もる夜こそ
月明かりは正四 ....
もし120%のわたしがいたら
わたしはいらなかっただろう
もし120%のわたしがいたら
わたしの代わりをしてくれていただろう
もし120%のわたしがいたら
親はもう少し幸せになってい ....
私が何もしなくても
時間は流れていく
社会もまわっていく
つかみとるには
うって出て
多少傷を負ってでも
闘うしかない
張り裂けそうな胸の内を
君は何処へ持っていくんだい?
君の想いが
地中深く根をはって
一輪の華が
咲くといいね
名も無き花。
なんていうけど
ちゃんと誰かが名前をつけてあって
どんなものにも
名前がついてる。
どうにもならない気持ちだって
どうにもならない気持ちっていう
名前があるし
....
声にならなかった
あらん限りの力を込めたはずなのに
例えばそれは
孤島に取り残されたおとこがひとり
遥か水平線に見え隠れする
船影を
蜃気楼だとはなから諦めているかのように
もし ....
さかなやさんがやさがししてる
やさしいおさしみつくるひと
やさいやさんがめさいやうたう
いざやいざなえやそのくに
ささらえおとこはきにさわる
ささゆりささやくささめごと
ささら ....
淡い淡い夕日
ほら、顔に映って
ぴんくいろだよ。
きみ、ね。恋してるでしょ?
なんでわかったかっていうとね。
ココロの音
すごい音量だよ。
あたし、もう気付い ....
夏は
出番が過ぎたのか
まだいてもいいものか
わからずに
うろうろと彷徨っている。
秋が後ろからせっついて
夏は途方に暮れる。
もういいから
夏よ、おやすみ。
ゆっく ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか
ひとと比べることで見いだせるものとは
柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
うれしかったこと
悲しかったこと
楽しかったこと
辛かったこと
今日の箱を
棚の奥にしまい込んでくれる
夜の暗闇
どこに置いたかなんて
明日になれば
きっと
....
ルージュを差してスクランブル交差点を闊歩する
マネキン
サングラス越しのレーザー光線が
斜めに風景を切り取る
溶けて秋風に癒される切り口は
ぼくには見えない
エナメルメッキを貼った乳房 ....
安美錦
アミニズム
あれはクビライ・ハンの来襲だったのか
心技体
やおろずの神々に祈りを捧げ
丸い土俵の上にあるものを
観音菩薩。弁天様。
ご利益いかばかりであったとしても
女人禁制
....
早くはじめなきゃ
悲しみのレッスン
早く覚えなきゃ
忘却のレッスン
傷がまだひりひり痛むけど
ほかの誰かと笑ってると思うと
まだ胸が痛いけど
笑うと眼尻にしわが寄る
あ ....
あなたが
「疲れてない?」
っていえば
Yesって答えるよ
ちょっと疲れててもね
あなたが
「焼き肉食べない?」
っていえば
Yesって答えるよ
あんまり乗り気じゃなくてもね
....
僕は自分自身を自覚した
自分がどんなに素晴らしいのか
その素晴らしさを
自覚せよ
自分がどんなに強いのか
その強さを
自覚せよ
自分がどんなに大きいのか
その大きさを
自覚せよ
自分がどんなに優 ....
空がパッと閃いて
少しあとで雷が鳴った
昨日も今日もたおれそうに暑くて
夕立でもあれば少しは何かを思い出すかしら、と思った
この邪魔なおくれ毛は刈りあげるべきじゃないかしら、と思っ ....
後退する夏の左腕をつかまえて
さみしがる頚動脈にあてがい
しずかな熱をからめる
満たされては退いてゆく
寝息の揺りかご
いちばん弱い部分は
あずけたままで
届かないエアメールの
....
あの
見慣れた朝は
履き違えた
靴それだけで
不器用に
ほつれてった
夏が終わる日
あなたに
手を伸ばして
どうしたって
届かないのは
陽炎に
よく似た
寂しげな
....
まもなく
四番乗り場に列車が参ります
盛者券をお持ちのかたのみ
足元を掬われないように
ご注意してお待ち下さい
当車展望車からは
世間が見くだせるようになっております
....
いつもの遊歩道
いつも駅
いつもレール
いつも本屋
いつものコーヒー
いつもの世界
それで満足のはずの見慣れた景色
けれど
僕らの知らな ....
青や緑の絵の具を
うすくのばして
あの透明をあらわそうとして
さっきから
なんども失敗している
{引用=
手をひいて
石を渡る
ぬらりとした光沢に滑らせた足を
からだごと、ぐいと引き ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする
すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような
ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
君は 今
自分がどんなふうに立っているか
知っているかい
言葉は 心をあらわし
表情は 心を語っていると
そう 思うだろうけれど
本当に
今 ある 自分を
本当に
....
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