時間があふれたしろい壺は
だんだん透明に染まっていって
いまはほとんどみえなくなった

わたしはさかさまになっていままでのことを
体じゅうに飾ってみる
あふれてあふれてあふれている
 ....
じゆうしのお墓まいりは
ひっそり行わなければならない
衣服をすて
思想をすて
言葉をすてて
まる裸で向かわねばならない、
という決まりを捨てられず
あきらめて横になるところに
じゆ ....
昔 そこに畑があった
住人たちは種を蒔き苗を植え
野菜を作り花を作り 少しばかりの木を植え
土に汗をおとした
笑い声も聞こえた

主が亡くなった畑を 子供は捨てた
未亡人は独 ....
気まぐれな風が 鏡の水面に木の実を落とす
広がる波紋は 臆病な栗鼠の目に少しの不安を
それでも 冬支度の手を 休めることなく
すぐに静まって 平穏になるとわかっているから


羊飼いの ....
横になって居眠りしていると
コオロギがひりひりと鳴いている
その音を聞いていると
白いシャツ一枚では肌寒くなってくる

真っ暗な外の闇に
確かに広がる草むらは
夏に汗をかきすぎて
少し ....
いつもは聞こえない
水洗トイレのタンク内に落ちる水滴の音
いつもは聞こえない
紫煙を逃がす窓の隙間から聴こえる虫の音
いつもは聞こえない
常に快適に室温を保っていたエアコンの音
いつもは聞 ....
いいこととわるいことを知りたい
どっちもおなじだけ知りたい

いつもバランスが悪いから
かたむいてしかたない

あなたがなぜ泣くのか
あなたがなぜ笑うのか

いつもちゃんとわからない ....
        遠くで鴉がうそぶいている
      近くでキジバトがうなっている
            もういっぽうでは
      無聊が楽隠居のかげをひそめて
   脱落のひなたぼっこ ....
コスモスは頭が重いので
ふらふらしながらたっています

彼岸花は
視線が痛いので
ぴりぴりとんがって咲いています

風は平等に
ふいています

花にも
わたしにも
数十億光年さきは

光でだと数十億年かかるけど

心でなら一瞬でいけるんだ

過去だろうと

未来だろうと

心でなら一瞬でいけるんだ

ぼくは心の実力を信じる

心は時空 ....
雨 いつのまにか
静かな吐息のように 
染まりはじめた黄葉から
ひとつ ふたつ しずく おち
{ルビ中空=なかぞら}はしっとりして
往くトンボたち
ゆるやかに すこし乱れて


   ....
この風を知っている
そんな気がするのは
夏を生き延びた生き物たちすべてが
その手をつないでいるからかもしれない

地球のどこかで生まれて
地球を何億回も旅をして
悲しみの涙を流す人のほほ ....
一昨日からペンギンのぬいぐるみの名前を考えている。私はペン助はどうかと言うのに彼は首を縦に振らない。じゃあなんてつけるのって聞くと黙りこむから、私はペン助と呼びつづけている。ペン助をもふりたい。ずいぶ .... 葬式をした

引出から本棚から過去になった切れ端を袋詰めして古本屋へ持ち込んだ
ただ買取リストを仕事のように見て選択して
ただ無言で何も考えないように見積に頷いた
ただ未開封のDVDと生産終 ....
力による勝利は、人間性の敗北だ あの日に近づく合図は
金木犀が香ること

最近よく見る夢は
ブラックコーヒーに
溺れてゆく私

角型よりも
山型の食パンが好き

通学電車でおしくらまんじゅう

数学の ....
悲しむことが得意だ
なにも言わず
悲しむことが得意だ

そんな自分がずるくて
嫌いだった昨日もあるけど
それすら悲しむことにしている

とてもとても悲しくて
風呂の底に沈んでいるよう ....
  把手こそついていたが
  その壁は 扉ではなかった
  今のわたしにはそれがわかる
  たわわな果実のように 美しい 直方体の
  寂寥だけが 向こう側の 壁際に置かれている

 ....
       ー年を取るとはこういうことか7ー

若者よ ズボンをはくとき
ベッドに腰掛けなくても履けるか

家中の者が畳の上で生活していた頃から
立って履くのが常だった
布団の上で寝転 ....
 
通販サイトのタイムセールを見るたび

欲しいものリストが増えていく

ぽっかり空いた穴は満ちやしないのに



 
とても悲しい気持ちに
なった時が前にあって
そこから海を求めるようになった

波の音を聞いて
潮風の香りを感じ
一粒涙を流したら

気がつけば
海に浮かぶ
海月になって ....
下町を一人で
緊張せずに歩けること
夜 家の外を
気軽に歩けること

それらが当たり前のこと
ではないことに
外国で暮らすと
気付かされる

銃を持つ自由のある国で
出歩こうとす ....
怪獣がすきだった

一生懸命に敗北へと向かう
その信念がすきだった

破壊される街も
逃げ惑う住民も
どうせフィクションだから
心配には及ばない

それなのに
怪獣の優勢が劣 ....
朝の光が問いかける
空ろを残して辿る海辺で
初めから抜け落ちた地図が飛ばされる
一日か百年かも分からない始まり 

わたしは呼び起こす わたしを
塵ひとつ動かすこともない精神で
囚われた ....
 目の眩むような夕日に明日への希望を託し、今日の自分を労う。
 それは燃えるような赤さで限りなく透明で。
 お疲れ様。
 今日も精一杯生きたんだね。

 もうすぐここは闇に包まれるけれど ....
模造刀を作業着のズボンの中に仕込む
上着でさやを隠せばほとんど分からない
通りに出るがタクシーが捕まらず雨の濡れ駅まで歩く
途中嫁さんからメールが来るが返信せずにおく
返信すると決行への態度が ....
委員長を自民党員が猛ダッシュで取り囲む

怒号のなか既に数え終わっている採決までが終わっている

総理大臣が参議院第一委員会室を退出する

おれはこんなことしていられなかった

もっと ....
それでも人生にYESと言う
摩耗していくだけの人生に
磨り減っていくだけの人生に
果てなき消耗戦の人生に
逆転など有り得ない人生に
それでも人生にYESと言う
何度でも言う
人生に意味は ....
よごれた皿を洗うことはたやすくできる
こころを洗うことは容易ではない

精神のよごれが頂点に達して
いつもこわれっっぱなしの回路をさらに脅かす
どこの惑星で治療をうけたらよいのか

基本 ....
悪びれることもなく時は捲れ
ゆるゆると確実に老いてゆく
胸に立ち込める冷たい霧
晴れる間もない
季節より早く深まったあなた
色づく言葉が黙々と
忘れ去られた詩人の墓を覆う頃
斜陽に目を細 ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あふれる- はるな自由詩515-9-25
じゆうしのお墓まいり- はるな自由詩515-9-25
無断投棄- 為平 澪自由詩615-9-24
あたしの平和- 藤原絵理 ...自由詩14*15-9-24
秋彼岸- 藤山 誠自由詩3*15-9-24
帰参- 土田自由詩2*15-9-23
おんなじ- 朧月自由詩315-9-23
想いはかすれて_①- 信天翁自由詩315-9-23
風の中- 朧月自由詩515-9-23
心でなら- 吉岡ペペ ...自由詩315-9-23
秋・湿傷- ただのみ ...自由詩13*15-9-23
夏越しの約束- そらの珊 ...自由詩14*15-9-23
名づく/即興ゴルコンダ(仮)投稿.74- こうだた ...自由詩8*15-9-23
葬送- ブルーベ ...自由詩1*15-9-23
勝利とは- まーつん自由詩7*15-9-22
あの日になったら- 瑞海自由詩6*15-9-22
悲しみ上手- 朧月自由詩315-9-22
把手- 草野春心自由詩515-9-22
物を両手には持たないで- イナエ自由詩21*15-9-22
満ちない- 殿上 童自由詩17*15-9-21
海月- 瑞海自由詩7*15-9-21
潮流- 眠り羊自由詩215-9-20
怪獣がすきだった- 千波 一 ...自由詩1315-9-20
いつかロマンス風の- ただのみ ...自由詩8*15-9-19
勇気- ヒヤシン ...自由詩7*15-9-19
模造刀- 馬野ミキ自由詩315-9-18
融和への誓い- 吉岡ペペ ...自由詩115-9-17
果てなき消耗戦の果てに- 渡辺亘自由詩315-9-17
ちっちゃな宇宙船にのって- 梅昆布茶自由詩1815-9-17
秋・滑落- ただのみ ...自由詩19*15-9-16

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