夏はなんだかすごくさびしかった。これまではそんなことはないのに。さびしくなるのは冬か秋か春と相場が決まっている。
いろんなものが取れかけているわたしは、また色々のことを思い出す。思い出したり、考 ....
夏の終わり
などと書き出して
景色を眺めまわし
残りの年月を数え切れたかのように
何もせず
何も求めず
人に倦み
風の仕草を見つめては
瞑り 
欹て
ぼんやりとまた開き
終わる夏 ....
 深く蒼い秋空に
 一筋、また一筋と
 白い傷跡が
 泡立ちながら引かれていく

 暗い海溝にも似た
 幾壽にも奥まる天蓋の懐
 ある晴れた日、小高い丘に寝転がり
 青草のにおいを味わ ....
炎天下の
縁側で
はんおりの
チューペットアイス(ぶどう味)の
つめたあまさをくわえつつ

あ。蝉ジジジジッてって
落ちた。

ではなくて

つめたあまいのくわえつつ
ひんやり ....
つかれていたのかもしれません。
夏のさなかに
雪をかぶった連峰をみました
海辺を高速バスで走っているときでした
火事の中で氷を幻視するかのように
見たのです 

うたたねの山々は ....
夜明けの港でラプラスを待った

単なるゲームだ
俺たちはアホだ

だけどここ何年かの間に
こんなに純粋な気持ちでアホになったことあったろうか

潮の匂いのする風に向かって
俺たちはま ....
星も見えない
月も無い
私を照らすのは
切れかかった街灯だけ

目を細めながら
ぼやけた夜を焼き付ける

何も無い訳じゃない
手の平の中に
あの日の言葉と
光が残っている

 ....
せみの声と鈴虫みたいな音がそろそろ合唱になる夕方

せみの死骸は
なんであんなに重量がないんだろう

木にしがみつくあの力を
重さと勘違いしているだけなのかなと
思ったことがある 遠い昔 ....
そりゃあかんが
山積みされた自治会
そりゃあかんの解決方法が
そりゃあかんなのだ

そりゃあかんから
自治会を辞めるぞと抗議すると
そりゃあかんと
役員側が辞める人を抗議する

市 ....
花埋める愛した過去に追悼の土をかける

何時もとは違った日君とサーカスが一緒にやってくるだろう

君はいつもどこからどこまで急がしい奥さんにしたら疲れるだろうか

檸檬は梶井基次郎だがきみ ....
真っ白い炎が
咲き乱れて
花ちるさと
凍えるような涙で
殺菌する、
浴衣の模様を
黒地の頬を落ちる涙、
昔、
夏祭りに出かけて
一緒に金魚を網ですくった思い出がある
うちのお父 ....
その人が孔雀になったと
連絡が入ったのは明け方のことだった
一晩中鳥の羽ばたきのような物音がするので
合鍵を使って部屋の扉を開けてみたところ
室内に人影はなく
孔雀がうろついていたという
 ....
もう
見上げすぎて疲れたから
ふたり
アスファルトに寝そべって

あの
君の頭が
重いんですけど
ボクの抗議は
完全スルーで

北東ってどっちだろう
言った矢先に
すっ と
 ....
ふきすさぶ風のなかで
わたしは落し物を探していました
ロマンチックなはじまり
ではありません
財布がないのです
携帯も
さっき買った
にがりのきいた豆腐も醤油もレシートも
メモ帳もモバ ....
タツノオトシゴよ 台風に乗って疾駆せよ
まだ見ぬ父を夢に見て
ゴッドジーラは堕落しない正義の味方などに決して
熱線を吐いて世界を滅ぼせ


タツノオトシゴよ 敗北を振るい落せ
舌先の魔術 ....
毎日のように終電で帰ってたあの頃はどこも
かしこも閉まってるなかあそこだけは開いて
てホント助かってた十五台もあるレジは一つ
しか稼働してないし店員がいなくて卓上ベル
で呼びだすシステムだなん ....
耀う光のなか 疎らに枯れだす芝生
なにを疑うでもなく
彼女はそこに寝そべり
湧出する表層にみをあずけて
こちらをおもしろそうにみつめている

薄絹のみなれないスカートを
潮風にさらし
 ....
初めて知った
深夜には誰でも
猫の姿に戻るらしいと
どんな旅行者も
どんな政治家も
どんな偽善者も
どんな異教徒も
眠りに落ちれば
本性を現すらしい
しなやかなその背中
つやのある ....
薬で眠る
父を見舞った

ゆっくりと
眼裂が開き

ゆっくりと
また閉じる

私は
川に立つ
真っ白な鳥を想う

そう
あの鳥と
同じ視線で

父は
私を見る
私 ....
この窓から
杉の梢の 老いた枝が何本も
風で揺れているのを見た
生きてるみたいだった いつも

枝の間を透かして
鈍く光る雲と 色あせた青空が
微塵になっていた
昨日がまた昨日みたいだ ....
一枚の写真を見せられた
それは遠い昔図書館の一番厚い本にこっそり挟んだ手紙のように
言葉にできない秘密を乗せたまま沈んだ船の位置を示すブイのように
暗い忘却の地の底へ一条の光の震える糸の繋がりを ....
列車が出る直前
ホームに目をやると
これまで出会った人たちが
一人残らず見送りにきていた
家族や友人は勿論
ほんの短期間関わりのあった人たちや
仲違いをして音信不通になった人たち
亡くな ....
花よ
いま震えている花よ
見えない風の手が怯えさせるか
それともやさしい愛撫に


花よ
人も同じ
誰かの心の中 将来のこと
見えないものに心を乱されて


わたしたちは少し似 ....
  「風のことば」

西へと
みじかい眠りを繋ぎながら
渦潮の海をわたって
風のくにへ

古い記憶をなぞるように
活火山はゆたかな放物線で
懐かしい風の声を
伝えてくる

空は ....
迷惑というものが
足元に転がってきたので
これ
あなたのですよ
と元来た方向に蹴り返したら
露骨に嫌な顔をされる
それ
お前のもんだろうが

正しい日本語に言い換えて
返してあげ ....
眠れない夜が好き
(二行目は思いつかなかった)
ペットボトルの水を飲み
ソファで何もしないことをしている
新聞で読んだ伝説によると
こんな夜には黒豹が
宝石を探してうろついているそう
カ ....
さみしい人が
さみしい人に
さみしいですと
手紙を書いた

なんてこと
シロヤギさんより
たちが悪いね

わかりあえない
私たちには
明日のことがわからない

台風が
また ....
ぼくは 鍵をかけるけど
果たして それは
ドア一枚を隔てた
あちら側を守りたいのか
こちら側を守りたいのか

考えてたら 遅刻した

カゴの中で今日も小鳥が歌う せかい

街の ....
なみなみと注がれた盃に
映る
かつて訪れたもの
掴むことも消すこともできず

ゆらり ゆらして
とけることもかけることもない

見つめれば朧
目を閉じればありありと

油絵の月の ....
揚げすぎたコロッケがはじけた飛沫をたてる
これ以上もう無理の逃走本能がわきおこる
さまざまなバリエーションの試み
フジツ誠のお歳頃
透かしそこねた屁の具の香
あゝ、こんなさみしい呼鈴きいたこ ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ことしの夏は_のこと- はるな散文(批評 ...616-8-31
残余の火- ただのみ ...自由詩6*16-8-31
命の航跡- まーつん自由詩216-8-31
チューペットアイス(ぶどう味)- コトコレ自由詩416-8-30
あいづち- るるりら自由詩15*16-8-29
ラプラス- ガト自由詩5*16-8-29
裸眼散歩- 葉月 祐自由詩3*16-8-28
ソノヒグラシ- Rabbies Diar ...自由詩4*16-8-28
あかん地区自治会- イオン自由詩1*16-8-28
蔦屋のなかのタリーズにて- 梅昆布茶散文(批評 ...316-8-27
金魚- 百均自由詩7*16-8-26
鳳凰詩篇- やまうち ...自由詩316-8-26
流星- umineko自由詩4*16-8-26
うせもの- Seia自由詩116-8-26
落とし子の歌- ただのみ ...自由詩7*16-8-24
夜のスーパーマリオ/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩3*16-8-24
芝生に- 末下りょ ...自由詩4*16-8-24
真夜猫- やまうち ...自由詩3*16-8-23
俯瞰- umineko自由詩7*16-8-23
この窓から- オイタル自由詩416-8-21
ニュープラン- ただのみ ...自由詩5*16-8-21
流星列車- やまうち ...自由詩316-8-21
野の花- ただのみ ...自由詩8*16-8-20
風の国から- yo-yo自由詩3*16-8-20
共同体- ピッピ自由詩316-8-19
夜の国- やまうち ...自由詩2*16-8-19
さみしい人- umineko自由詩8*16-8-18
せかい- もり自由詩2*16-8-17
闇と盃- ただのみ ...自由詩6*16-8-17
ほ_°_ん_°- soft_machine自由詩216-8-17

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