小さなサイコロが
ころがっていく

平坦に見えた道に
傾斜がかかりはじめたから
なにもかもが
かろやかに
だけど
のがれることはできない

さよなら

さよならも
すなつぶも ....
樹木に絡む細い雨
しっとりした芝生
鳥たちの早すぎる朝の歌
あなたは夢見る髪の渦
傘を差そうか差すまいか

照り返す水の雲
ほどけ去る踊り子の
糸つれひとつ引くように
白いけむり青く ....
  お前は夢を見ているのか。

 緑に囲まれた小さな庭の片隅。
 日陰に置いた籐椅子に腰かけたお前は優しく眠っていたのだ。
 
 静かな寝息を立てているお前に私は小声で語りかけた。

 ....
きみの苦しみのことなどおれは知らない
たとえばきみが家を失ったとしても
(気の毒にな、でも、おれじゃなくてよかったな)
そう
思うだけだ
だから
おれはきみには手を差し伸べない

 ....
浮かれたあたしは

秘密をダッシュボードに隠した。


めまいがした

自分に吐き気がした

窓を流れていく景色が

ただただ騒がしかった


何をしてるんだろう

 ....
順番通りに死んでいくのなら
僕は何番目の星になるの

ビニール傘が裸になるような
風が吹いて雨が降って
おにぎりが三角じゃなかった夜

いなくなったお母さんのことで
食欲をなくすはずだ ....
雨上がりの朝
二羽のカラスが二羽のスズメを追いかける
食うための 食われないための空中戦
右に左に離れては交差して
建物の陰で見えなくなった
が出て来た一羽の嘴には何かが挟まっていて
今度 ....
水色の希望を空に溶かして
氷の上に乗せたブルーハワイ
胃が痛むくらいキュッと縮んで

思い出はドミノ倒しのように
現実の壁を薄くしてゆく

美しかった君の困った顔
他に誰が知っていると ....
鬼の瞳を拾う。それはとても貴重なものなので大急ぎで懐にしまいこみ、何食わぬ顔で日陰に移動してまじまじと眺めてみる。灰色と薄紫色の中間の色彩はよく磨かれつつ深海を思わせる深みがあって、世界の真実がここに .... 身を切るナイフが、降ってくる
心になんか、刺さらない

オレが立てずに、しゃがみ込み
震えあがって、詩を詠みながら

嫉妬の氷が、降ってくる
心に過去の、友がいる

オ ....
利き手が庭を襲う
利き手の猛威が教室を吹き荒れて
先生をなぎ倒す
飛行機の旋回も許さない
利き手の猛威
ダリの絵を飾って終息を願った
飽きるほど梅酒を飲むと
エンジン音が鳴るだけで
利 ....
友よ、
夏の朝は蝉の羽に描かれた透明な街路図
すべては透明に満ち足りている
夏の灼熱の陽光は
まるで新鮮な水かなにかのように拡がってゆく
辺りの建物の窓や街路樹の緑 色濃い花々に
輝きと潤 ....
光を消して過ごしました
朝に揺れる光を消して過ごしました
吐かれた煙を夜から夜へ引き継いで
アベンチュリンの若葉を
湛えた私の両目が鏡の中で溺れている


揺れているものすべてを
 ....
いくつものこころの事件や

からだの変化

霊的なからくりがまわっている


説教するようなおじさんに

なるなんて

少年のころ思いもしなかった

ちいさな権力に

あ ....
冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた

光をともす雨つぶのなかに 今朝はうまれた

冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた

わたしは傘を差し 家を出る

はじまりがおわりに ....
頭をいくら固くしても
心はそのまま
言葉の持つ意味は不動でも
渡す者
受け取る者
ふれる心はやわらかい
絹豆腐みたいに崩れたり
卵みたいに中身が漏れたり
隅々まで波紋を広げ
丈夫な外 ....
灼熱の車、アスファルト、建物
灼熱は水のように重く、辺りを濡らす
この駅だけが閉ざされていて
世界はここで終わっている
人間の悦びだけが影を落とし
人間の欲望がこんなにも焼けている
そんな ....
涙で銀の冠作りましょう

誰かのための想いは

赤い傷口でも

黒い憎しみでもありません

密かに綴る

音無き心が

手を繋いで

優しい鈴を鳴らします
小さく尖った歯で
骨付き肉に喰い付くと
遠い昔がよみがえる
自分がまだ産まれてもいない
遠い時間の記憶が

タイムマシンはまだ発明されてはいないけれど
かたちのないタイムマシンはいつだっ ....
君が君とはまるで違う小さな花に水をやる時
じょうろの中に沈んでいる冷たい一個の星が僕だ
ビー玉越しの景色を一通り楽しんだなら
必ずベランダから放ること すべて朝食前に
僕の口笛が余韻を引いても ....
 夢のような暮らしの中で今日もまた朝を迎える。
 夜の魔力が次第に解けて、鳥たちの声が聞こえる。
 テラスに出ると庭のあちこちで色鮮やかな薔薇が咲いている。
 私は今ここに在る事に感謝する。 ....
朝とも夜とも言えない時間に
新聞配達のバイクが来る
彼等が世界を見ている間に
僕等は寝息の中でキスをした

みんな眠ってるうちは死なずに
透明な空が綺麗だと思う

彼等と僕等が交代する ....
あなたのシャツの裾を掴んだまま
どこかへ連れ出して欲しかったのに

コーヒー買って来てと頼まれて
仕方なく手離すシャツの形が
風で膨らんで羽根に変わった

あなたの背中が消えないうちに
 ....
ただしい農場では
ただしい青果が生産され
世界をよりただしくしてゆくのだろう

おびただしいひとの群れは
おびただしい愛の定義をつむぎだし
世界をより美しいものにしてゆくのだろうか

 ....
Tシャツの上にプリントされた
ネクタイの模様は僕のように
子供と大人の顔を持ったまま
世界へ出て行く覚悟がなかった

寿命が伸びてるこんな時代に
敗北を認めるのは早すぎて
夢はひとつでも ....
耳たぶが痛い
イヤリングのネジを巻きすぎた

気取って慣れないおしゃれをする
乙女心は大人になったはずなのに。
ひとつの楽曲が
獣のように現れては去って往く
そんな境界で白いけむりを手繰ること

倒木の洞
爛熟の火照りから上ってくる
固く閉ざした{ルビ鞘翅=さやばね}の囁くような反射

メモ書き ....
雨音が激しくあたしの耳を塞いで
雨の矢が進むあなたの足を遮って

ふたりきりにする
この狭い部屋

望んでいたのに、冷たい。
いつくしみを
ぼくに いつくしむこころを

ひとの知の火がなげこまれた
焼け野が原にも
ひとの予期よりうんとはやく
みどりが咲いたことを

 アインシュタインはおどけながら呻いている
 ....
嵐の到来を伝えるラジオの音
突然の雨がアスファルトを冷やす
雲が覆い尽くした赤黒いアーケードを足早に歩いた

湯気のように霧散していくこともなく
ただじっとりと身体に纏わりついている
ぐず ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の入り口へ- そらの珊 ...自由詩2018-7-15
皮膚に隠れて- ただのみ ...自由詩9*18-7-14
午睡- ヒヤシン ...自由詩10*18-7-14
メシア- ホロウ・ ...自由詩2*18-7-13
現実- 巳 砂自由詩318-7-12
不協和音- ミナト ...自由詩218-7-12
ヒューマニズム- ただのみ ...自由詩4*18-7-11
- ミナト ...自由詩118-7-11
鬼の瞳- 春日線香自由詩318-7-9
詩とナイフ- 秋葉竹自由詩518-7-9
利き手- 間村長自由詩13*18-7-8
蝉時雨- 本田憲嵩自由詩1218-7-8
過_覚_- 渚鳥自由詩10*18-7-7
霊的なからくり- ペペロ自由詩218-7-5
繰りかえし- 印あかり自由詩1318-7-4
やわらかいもの- ただのみ ...自由詩6*18-7-4
焼け焦げた駅で- 葉leaf自由詩218-7-4
銀の音- まみ自由詩9*18-7-3
野性の夜に- そらの珊 ...自由詩13*18-7-2
題名を付けられたくない二人- ただのみ ...自由詩13*18-6-30
アトリエの休日- ヒヤシン ...自由詩9*18-6-30
青の時間- ミナト ...自由詩218-6-29
歩道橋の詩- ミナト ...自由詩118-6-29
気流- 梅昆布茶自由詩1118-6-26
凡人の爪- ミナト ...自由詩918-6-25
オシャレノイタミ- 巳 砂自由詩218-6-23
覚悟して往きましょう- ただのみ ...自由詩8*18-6-23
雨の矢- 巳 砂自由詩218-6-22
永遠の雨- 田中修子自由詩16*18-6-21
錆びる- 青の群れ自由詩1218-6-20

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