詩を書き始めたのは高校生の頃。
現代詩集という投稿サイトに狂ったように詩を書き続けた。
ドコモのimodeのせいで人生も狂った。
不満だけは人よりあった。未来はそれほどじゃなかった。
一攫 ....
光と冷気が青い燃料だった
破れた財布から千円札を出して
印鑑ケースとノートを買う
郵便局には月に一度往く
記憶喪失の犬みたいに
今も雪原から突き出している
枯れ果てた雑草を見ていた
夏の ....
春を探しに行けと命じて
一羽の文鳥を窓から離した

窓の外で冬は
ただ美しいというだけで凍えていた

季節に巡り会うことに馴れた土地では
ただ美しいというだけで

文鳥は春を見つけた ....
朝早起きして市場へ行きました
新鮮なお魚が食べたいと思ったので
貯金をくずして行きました

市場には死んだ顔した人でいっぱいでした
みんな死んだ顔で商品を漁っていました
仕入れの人は怒鳴っ ....
たしか八年前には溶かしてたチョコレイトも
甘過ぎるからちょっとね
ね、って言われて
それからやめたんだ手料理は

わたしが溶かすのはインスタントコーヒーと
一人で過ごす部屋のため息
なん ....
         120216
絵の具を全部混ぜたら
何色になりますかと
先生が尋ねたので
暗い灰色になります
と答える代わりに
空色になりますと
自信たっぷり回答したら
×が付いてき ....
トイレで赤い卵を流したあと冷蔵庫から野菜ジュースを取り出そうとして
玉子を床に二つ落として割れてしまった。かろうじて玉子の形をとどめた
まま中身は放り出されなかったので、フライパンで割れた玉子を溶 ....
花粉も埃も取り去った無菌室で
くらしていますが
危険はどこかに潜んでいて
いつも隙をうかがっているのです

みがききぬかれた手すりが
不思議なことに
摩擦をなくしていたり
すべらないゴ ....
夜に
生長する木があるという
普通の植物のように
陽の光や水を養分とするのではなく
暗い闇の中
静寂と孤独を糧に
その枝を伸ばすのだという
そんなことは信じられないと
大抵の人は言う
 ....
病を得て復職してからも、私はしばらく長いトンネルの中を歩き続けた。私の関心は己の傷ばかりに集中して、社会や人間に対する根本的な不信がぬぐえなかった。些細なことで傷ついては暗澹たる気持ちになり、 ....       『ママは怒ると頭からしょっかくが生える』
      と姪が言いだした。

      『しょっかく?』
      思わず聞き返すと神妙な顔をしてうなずく。

  ....
翔子さんの筆から生まれた
その文字は、無邪気に駆けている。
その文字は、歓びを舞っている。

  「空」

誰もが自らを空の器にして
忘我の瞬間を、求めている。

翔子さんの持つ
 ....
卵であることは、苦しい
孵化するには、
薄い殻を…破らねばならぬ  
夜中何度も目が覚めて
なんだかすっきりしないまま
布団から起き出して
水道の蛇口をひねり
乾いた体にひとときの喜びを


元あった場所に戻そうとして
手をすべらせた
哀れコップはした ....
命を忘れて生きていたら
空に向かって詩を書きなさいという
いつか
あなたと見上げた空がやってきました

みな異なる
あれほどたくさんの雲をノートにして
やっと伸ばした指先が
余計に小さ ....
ここに旗はない
風に弄られ立ち竦むのは
他の何者でもない
東も西も南も北も
微笑んでなんかいない
ただ巡る風の音が
埋まらない空白を告げている


ここに旗はない
足跡は辿らない
 ....
            160213
申し上げます。
後は言葉にならないので
ひょうたん池の写真を載せた
彼の人生は今、ひょうたんのどのあたりをなぞっているのだろうか
誰にも分からないことを ....
暗号を解けば答えがラブレター なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた

一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
し ....
    米を研ぐ
    それは繰り返される日々の儀式
    手のひらにあたる米粒はかたく
    米どうしがぶつかりあい
    じゃっじゃと音をたてあう
    このかたいひと粒ひと粒 ....
 お昼からの仕事はひとりきりの惣菜部
 体はきついがおばちゃんおらずで気は楽なのだ
 過去的現在的将来的に
 考えなければならないことは
 山ほどあるのだけれど
 五時半までに終わらせないと ....
わたしは
粒で出来ている

粒は
かなしみも
ぜつぼうも
知らないまま
ただ
あたえられた時間を
あたえられるままに
はずんでいた

ときおり粒は
とどこおる
たとえば寒い ....
知ってた?


君が僕の名前を呼ぶから
僕は動けるんだ


君がくれたんだ
何もかも


キラキラしたんだ
この世界が




ありがとう
百数十年ぶりに里に下りてきた私は
あろうことか人間に狩られてしまったのだ

この老体を食べても美味しくなかろうに
あろうことか吊るされてさばかれてしまったのだ

私の臓腑の中で可愛がってい ....
美術館の展示物は
来館者のまなざしを食べる
じっくり詳細に見る来館者のまなざしを
ふんだんに咀嚼し飲み込んで
まなざしの味を吟味する
一般者の軽いまなざしは
スナック菓子のよう
 ....
 
思い出になったあなた

お願いだから あたいをよばないで

この一本道、途切れるまで



 
僕たちの仕事、
それはぐちゃぐちゃになったルービックキューブを、元の形に戻す仕事。

僕とひろみちゃんとたかしくんは、
一切の外気が遮断された部屋で、
ベルトコンベヤーから運ばれてくる大小様 ....
さて 生きようと思うのだ
遠く山並みは雪雲でかすみ 
いま街は晴れている
人通りの少ない週末の朝 
わたしは浅瀬の魚のよう
ぼんやりと光を纏い静止する
異国の歌が暫し寄り添い また 
去 ....
   まばゆい光も届かない
   みどりの風もそよがない
   暗くて冷たい土の中
   眠る一匹のへび
   春の調べをなんときく
   小鳥たちのさえずりか
   隣で眠る種のうずきか ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘れたことが多すぎるけど少し- 竜門勇気散文(批評 ...10*16-2-18
前触れ- ただのみ ...自由詩15*16-2-17
センテンス/スプリング- rabbitfighte ...自由詩316-2-17
にこやか市場- wakaba自由詩316-2-17
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。/即興ゴルコンダ( ...- こうだた ...自由詩6*16-2-16
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。- あおば自由詩14*16-2-16
黒い手袋- 為平 澪自由詩1116-2-15
塀の中が生きる世界の全てだとしても- イナエ自由詩16*16-2-15
夜の木- やまうち ...自由詩416-2-15
恢復- 葉leaf自由詩316-2-15
でんでんむし- 石田とわ自由詩11*16-2-15
ましろい世界___- 服部 剛自由詩516-2-14
新生___- 服部 剛自由詩116-2-14
硝子のコップ- 寒雪自由詩116-2-14
- 乾 加津 ...自由詩8*16-2-13
ここに旗はない- ただのみ ...自由詩17*16-2-13
心中お察し- あおば自由詩4*16-2-13
暗号を解けば答えがラブレター- 北大路京 ...川柳416-2-12
君が教えてくれた- nonya自由詩23*16-2-12
研ぐおんな- 石田とわ自由詩15*16-2-11
〈サンライズジャーニー〉GLIM_SPANKY_-_SUNR ...- 平瀬たか ...自由詩3*16-2-11
わたしの粒々- そらの珊 ...自由詩2116-2-11
君がくれたもの- 幸絵自由詩316-2-8
_里に下りた顛末_- くろねこ自由詩2*16-2-8
美術館- 葉leaf自由詩416-2-8
よばないで- 殿上 童自由詩16+*16-2-8
ルービックキューブ- wakaba自由詩2*16-2-7
生きようと思うのだ- ただのみ ...自由詩17*16-2-7
幕開け- 石田とわ自由詩7*16-2-3
虹の後始末- nonya自由詩22*16-2-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216