川が かろやかに ながれている
人々は みな
黒い衣装を着て
積み重ねてきた色とりどりの思い出が
しずかに ながれていくことに 心を寄せている
美しい心でありたいと焦る日々を埋葬し ....
遠い人は自由だ
理想を語ることができる
見えないから
無垢な心で理論を振りかざす
割り切ることができる
中空に浮かぶ月が綺麗
それは遠いから
月面では人は一時も生き ....
ささいな言葉を宛てるにも
勇気がいります
愛ならば
企まないで
ほしがらないで
ただ真っすぐに仰げたら
空は
味方につきますか
かぜに誘われて
かぜに残されて ....
冷たい風が、街路樹のあたりで、
キョロキョロと挙動不審で。
一瞬でマンションのベランダに駆けあがると
干されていた白い洗濯物を奪って逃げた。
空を眺めるのが大好きな僕は ....
言葉を解き放て
制限の彼方から
噛み続けた沈黙は味のなくなったペパーミントガムだ
吐き出すタイミングを逃したら、あとはばらばらになるだけ
僕と同じだ
悪い夢は現実になる、そうじゃない
悪い言葉が現実になる、
P ....
朝凪の浜に降り立ってみると
詩が
たくさん打ち上げられていた
、それらには
誰にでも読めるようなカタチで
詩
と書いてあった
それぞれに棘だとか
ウィルスだとか
病原菌だとか
....
もう
あやまらなくてもいい
くらい影を
遠く 風が
宙へ
ささやいている
ありがとう
おしまいね
あたらしい道をあゆむ
これからは
そばにいるよ
こころに咲い ....
夜に浮かぶ幻想群
いつも夜の湾岸線を走る度に思うのだ
川崎と木更津を結ぶアクアラインも然りだが
陸上の建造物よりも海上の光のなかに浮かびあがった巨大建造物は
何故か深く心を打つ
....
人間がうさぎを喰っていたころ
うさぎたちは月へ逃げた
いま うさぎを喰う人が無くなって
うさぎたちが青い星へ帰ってくる
風の朝 小高い山から眺める海に
浪の上を走る姿が見える
偶然触れてしまった
手と手の間に
青い花火が散ったのを
キミは静電気だと言ったけれど
人と人の間に
ぶつかって発生する電気信号みたいなもんさと
ボクは思った
キミが粒ならボクもありふれた ....
なべなべそこぬけ
そこがぬけたら
つながれた両手のうちのどちらかを
くぐる
ふたり一組になって遊ぶこともあれば
大人数で輪になって歌いながら
そこがぬけたら そこぬけに笑う ....
強くなりたいと歌うのも疲れたよ
強いと称えられる人も 結局弱くて
強いと思い込んでいる人は 弱さを知らないだけ
大人になれば 少しは変わると
たしかに 信じた時もあった
いつからか 気づ ....
まっずいゼリィを喰わされて
うまいうまいと今日もよろこぶ
食品添加物すごいです
こんなにぶどうが長持ちするなんて
冥土印茶否!
今日も日本の食卓を支える!
しかし俺 ....
老人ホームで百歳のお婆さんが旅立ちました
「若い頃桜島が噴火してねぇ・・・
首輪をつながれた愛犬の悲鳴が
今も聴こえるんだよ・・・ 」
遠い昔に世を去っても
お婆さんの心に ....
子らにはすべて名まえがある
物のなかにいる子
鏡を割ったような子
一粒の歯もないままでわらう子
レモンイエローの乳房の子
氷点下で生きている子
それでも
澱とともにあるとうめい
....
人の心は水に似て
器に合わせて形を変える
だけど時には凍りつき
器の方を壊してしまう
水は低きに流れるが
それは惰性の気楽さで
時に情熱の火に触 ....
130128
5年前に簡単に解けたなぞなぞが
今では難しくてなかなか解けなくなった
謎が謎を生み複雑性が増したのだろう
と考えていたら
引き出しの奥から子供の頃
....
気づけば内定していた印刷会社で
ぼんやりと ひたすら ローテーションワークする
詩をひたすらにノートに書くように
目を刺す 昼の強烈な日差しだけは 二月の初旬は貴重だった
だけど ....
クロールの腕は
背泳ぎの腕は
すでに必要な分の
空間をかきとっている
その直径の
中で泳げばいい
ぜんぶというなの
私のせかいで
て何だ
ガソリンスタンドはこればっか
客に手を汚せというのかしら
石油の匂いは嫌いじゃないけど
まどっちかゆーと愛してるけど
可燃性危険物がボタボタ垂れるレバーハンドルを
何で金払ってまで ....
路上に駐車する中型の窓に『敗走中』とある
ああ逃げているのね、フムンと見送る
崩れてゆく戦線に溶けていく{ルビ生命=いのち}、黄昏に沈む国
傾いた客船は船首から浸水し一気に沈む、折れ ....
ちっこいよ ちっこいよ
ぼくのおちんちんじゃなくて
ひととしてのこころのうつわ
でっかいよ でっかいよ
ぼくのたいどじゃなくて
ぼくがずっともっているゆめ
愛の鞭は必要か
そもそも愛する者を
鞭打つような愛があるのだろうか?
それを愛と呼べるか?
暴力は
最も原始的な言語だ
だからそれを用いる者達は
獣のようだと ののしられる
....
夫の茶碗で朝餉を食す
手に余る大ぶりな器に
炊きたてご飯が湯気をたて
バターが溶けて醤油がかおる
虚ろに思えた ....
押して駄目なら引いてみる
荒んだ心を晒してみる
思い切って日本の冬に
剥き出しの神経を晒してみる
ひりひりとして
顔が歪み
泣きそうになっても
晒し続ける
木々の重なりまでくっ ....
所有すると場所をとる
永遠の愛であろうと
無償の奉仕であろうと
約束して会わないことが
いちばん別れられるのだ
所有しなければ良いのだ
所有すると場所をとる
永遠の愛であろうと
無 ....
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り
だが本当は流されているのは雲の方
月は自分の道を行くだけだ
きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく
....
誰を護るか鬼子母神
いつからなった鬼子母神
子供を喰らうか鬼子母神
ああ鬼子母神
とても淋しい名前
執着することでかろうじて神である貴方は
とても愛しい何かを喰らいながら
生きる ....
あなたは
とても綺麗に微笑みながら
水のような滑らかさで話をつなぐ
わたしは
そんなあなたに見惚れながら
あなたの綻びを探してしまう
あなたは
笑っていないほうの目でわたしの ....
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