白い手先が折り畳んだ黒い風呂敷
角をピチリと揃えてたいそう丁寧に
ポタリと落ちた涙に星辰と名付ける
添い遂げようと恋情を抱いたおとこの
亡骸がひどく軽く腕に抱かれた
丑三つ時にただ月 ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
肉体だけが失われた
魂だけになった人々のすむ世界は
遠くて
案外近い、のではないか

たとえば
風の吹いてくる方角に向かい立ち
乾いてゆく眼球の映す景色が
そのまばたきのたびに
一枚 ....
空の色が無くなり
銀盆のような
アルミニウムの月が昇っていた
少し戸惑いながら
東の空を眺めていたら
雲霞のような
鳥の群れが
北の方角を目指している
不思議ではないのだけれど
ぼく ....
生まれました
もうずいぶん前のことです
そして、それを思い出す日です

そんな日は
誰かの死ぬ日でもあります
また、だれかが殺されたりもします
そして、それを思い出す日です

命 ....
たぶんもうすぐあかりがきえる
世界中のあちこちで いや 世界中で
ひつじはもう眠っている
きりんもとうに休んでいる
あかりがきえる
あかりは消される

祈ると祈らざるに関わらず
あ ....
行きたい場所がある
フェンスの多分向こう
標識は黄色か赤
越えてはいけない場所だった
死んだトモダチが
みんなそこにいて
おまえもか
って笑ってる
警告はみんな受けた
でもみんな境界 ....
バロックの符号は今も新しく
私を魅了する
彼と私には何の関係もないのに
私は彼に魅了され続けている

彼は神という存在を啓示した

私は仏という人間に指をさす

交わることはあるのだ ....
ラッキーワン
ラッキーツー
ラッキースリー
ラッキーフォー
ラッキーファイブ
ラッキーシックス
ラッキーセブン
ラッキーエイト
ラッキーナイン
ラッキーテン
ラッキーイレブン
ラ ....
「そうか、とうちゃん、もう地球には
 ボクら以外に宇宙人はいないのかぁ」
「あぁ、そうだ
 大震災で原子力発電所が壊れた時に
 みんな帰っちまったんだ
 もう誰も、こんな危ねえ星、欲しがらね ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
猿も木から落ちるかどうか
私が見た 赤い尻は 川下りの最中だった
橋の上だった
木では無かったから 解らないだなんて
想像力の 欠如

ケツをまくっても 
欠如してしまった思想は ....
冬庭は音符を奏でる

花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
臨界に旅立った母は、すこし痩せたみたいだ

もう、帰りたい。という
ここには団欒がない。という

距てるものは何もないのに
働きすぎたのだろうか
午後十時二分の、電動歯ブラシは
 ....
秋と冬の境目の
限りなく冬に寄り添う秋だから
ならべてみたくもなる
あったかいものをしこたまに
{ルビ炬燵=こたつ} 湯たんぽ 綿入れ{ルビ袢纏=はんてん}
焼き芋 甘酒 鍋料理
{ルビ熱 ....
間違いだと思っていた正しさを
意地悪だと思っていた優しさを
蚊の鳴くような祈りを聞いた

僕を守る両の腕を払い退ける勇気を
偽憤を溶かす真実を受け入れる力を
朝の光に赦し赦される勇気を ....
真夏の鳥取砂丘には
ただ一本の樹さえなく
にぎわう人と数頭のらくだの黒い影を
その茶色の肌にゆらしていた

運動靴を履いてきたけれど
砂に足をとられて歩きにくい
切れる息
額から滴る汗 ....
少女の形は生まれたままに
触れれば崩れる可憐な花の
可憐を装う自己愛のままに

私の形は生まれたままに
触れれば煤ける奇妙なかさの
可憐に為れない泥臭さを愛した

わらうことを忘れれば ....
(即興1)

一編の詩を絞り出して一杯のオレンジジュースを飲み
コートを羽織って散歩に出ると
何故か月はいつでも山の端ぎりぎりのところに飾ってあった
研ぎすまされて
あまりに細く
落 ....
「自分に味方しないものは敵だ」
という考え方と

「自分に敵対しないものは味方だ」
という考え方は

同じようでいて ずいぶん違う

生まれつきの敵も味方もいやしない

パレスチナ ....
鬱でも病気でも何でもなく、
光に黒い陰が差すように
平静のうちにそれを抱え、
にこにこと笑ううちにそれを抱え、
その図体に溜め息を吐き、
手綱を握り、
時に小路を諦め、
時に重さに泣きな ....
嫁見ると嘘発見器の針揺れるあした天気になりますように  
Aは「冷たい」と言い、
Dは「優しい」と言う。

Gは「変態」と呼び、
Jは「変人」と呼ぶ。

「テクニシャンだよ」と、M。
「好き者すぎて付いていけないね」と、P。

「バカ ....
私のお父さんの仕事は
箱舟を作ることです
むかし、ノアとその家族と
さまざまな動物たちが乗り込んで
洪水から生き延びたという
あの箱舟です
いつ来るとも知れない洪水に備え
お父さんは毎日 ....
暗闇に明滅してるテレビジョン孤独な夜のためのスタンス

ぽつねんと机の上のエンベロープ誰に届けるあてもないのに

冷蔵庫の独り言を聞きながらひとり眠れずにいる真夜中

恋しいと淋しいはきっ ....
夜は時々恐怖が充ちた
般若あるいは快楽殺人者の白い仮面が小さな窓に浮かんだ
どこかの月が妖しく照らした

夜は時々味方になった
メランコリーと夢幻と孤独に溺死するための空気を含んだ
犬の遠 ....
狙われしプラタナスの葉凱旋門 正化さんじゅうなん年

世間では

本を検閲する政府と

守る図書館で

どんぱちやっているらしい

銃弾の飛ぶ

大通りの裏路地で

私たちは聞かせる

ひととき ....
いつから積むようになったか忘れたが
もうほとんどれんがは残っていなかった
塀と不安は伸びつづける
いったい、この不安がなくなるか
れんがが先になくなるか
そのどちらが来てもわたしは
や ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ニロクジチュウ、ウカナイ- かんな自由詩7*15-11-25
一瞬確かにわたしたちは- ただのみ ...自由詩16*15-11-25
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
薄暮の街で- そらの珊 ...自由詩19*15-11-25
透明になった空- レタス自由詩715-11-24
おれのたんじょうび- たりぽん ...自由詩315-11-24
たぶんもうすぐあかりが消える- はるな自由詩4+15-11-24
ネジロ- ガト自由詩5*15-11-23
旋律- レタス自由詩215-11-22
ラッキーナンバー- 北大路京 ...自由詩815-11-22
宇宙人@とうほく.jp- イオン自由詩2*15-11-22
ヨラさん- たけし自由詩10*15-11-22
さるすべり- 藤鈴呼自由詩3*15-11-22
冬庭の音符- そらの珊 ...自由詩18*15-11-22
もんじゅ- たま自由詩15*15-11-21
扉の隙間から- ただのみ ...自由詩21*15-11-21
遮光- あなろぐ ...自由詩315-11-19
すなやま- そらの珊 ...自由詩16*15-11-19
道化- あなろぐ ...自由詩315-11-19
月への軌跡- 香椎焚自由詩315-11-19
どっちにもなる気はない- ただのみ ...自由詩19*15-11-18
虚無- あなろぐ ...自由詩215-11-18
嫁見ると嘘発見器の針揺れるあした天気になりますように- 北大路京 ...短歌515-11-18
私にまつわるエトセトラ- レモン自由詩6*15-11-17
箱舟- やまうち ...自由詩515-11-17
眠れない夜のミュルミュル- 未有花短歌8*15-11-17
サスペンス- 香椎焚自由詩315-11-17
凱旋門- 吉岡ペペ ...俳句215-11-17
正化- フユナ自由詩3*15-11-17
れんが- はるな自由詩215-11-16

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