最期のタバコ屋で最期の女に出会い
最期の言葉を交わして
いっしょに暮らそうかとも想う

いつも最期に出会いたくないので
のらりくらりいきている

挑戦状のないリングで闘争心のない犬と成り ....
空にポツリと佇んでいる
逆さまの煙突は今日も煙は落ち着かない

ドーナツをおでこにあてて
選ばれるのを待っているのだけど
聞こえてくるのは誰かのくしゃみばかり

僕は長い長い道を見ながら ....
毛虫の襟巻をした男が蝸牛の殻に腰をかけている
鼻にツンとくる冷気
上着の内ポケットを弄って
煙草――かと思えば
むかし別れた恋人の
薬指の骨ひとつ
飴色の思い出を
こころなしやさしく
 ....
午前4時
夕暮れが恋しくなる頃
息の白さが深く沈む
繰り返すさみしさの波に
黒く溶けていく

闇の中で誰かがいった
こんなはずじゃなかったよな
そうだな、こんなのは
どっかのグズ ....
迷っているひとほどしをほしがる

おなかがすいたらしは遠くなる

絶望のとなりにしはある

しという文字はまがってる

それは釣るためひとを

私は釣られないぞ

そうおもった ....
懐で古銭をじゃりじゃりさせながら
暗い大通りを歩いていく
多くの脇道が横に伸びていて
かつてここを一緒に歩いた人が
上から見ると「馬」の字になっている
と教えてくれた町
何百年も前に大火の ....
真冬の朝
道を歩いていると
飛べなくなった小鳥を目にすることがある
数年に一度
いつも忘れた頃だ
そっと捕まえ
コートの内ポケットへ忍ばせる
少しおくと
飛べるようになって
やわらか ....
なにかを聞き返すときの唇は
え という音のかたちがいい

あ という風にききかえすと
無用な風がまきおこるし
結んでしまうと唇は
意思を表明してしまう

え というかたちは平和のかたち ....
「どちら様でしたかねぇ」と
実の父親に尋ねられた

認知症治療中の父が
インフルエンザから肺炎を患った結果
認知症が一気に進んだ

散々反発した父なのに
この
足元に穴が開いた浮遊感 ....
説明 解説 言い訳
どれも要らないと云った
ただそのままで
あなたは惹きつける


男が女を始めて見たように
女が蛇を始めて見たように
たぶん
美しくて奇妙
エロチックで恐ろしい
 ....
誰がいちばん可愛いだとか
何がいちばん売れているだとか
私にとっての世界は争い
透明人間になりたかった

耳を塞ぐのはヘッドフォンで良い
口を隠すのはマスクで良い

肩に触れられて初め ....


赤トンボたちが
飛行機のルーツのように飛行している
一日ごとに冷たくなる風が
透明に流れている青空の清れつさと
黄いろい木々の退廃を同時に包含している
秋の午後
パズルのピー ....
かつて風船には二種類あった

空気より軽いガス製と
人間の息製と

人間由来の僕らは
空を飛べないはずだった

小さな手ではじかれて
ほんの少し空を飛んだ気分になって
じべたに落ち ....
 
 早朝の湖を歩くのは誰だ。
 湖畔の宿で耳を澄ませばそれは聞こえる。
 眠れない夜を超えて我が神経を研ぎ澄ます。
 苛立たしく窓を解き放つと、音の消えた足跡がくっきりと宙に浮かんでいる。
 ....
{ルビ理由=わけ}もなくかなしい時がある
理由はあっても 不明なのだ

本当は 
居場所の見当はついている

古い古い付き合いの 理由を
引っ張って来て 座らせて

またも千日手を繰 ....

おはようを云いたくない時にも
おはよう、と云う

ほんの少しほほえんでいたかもしれない
本意ではないし
嬉しいからではなく
茶柱が立っていたわけでもなく
それは
毎日の習慣だった ....
夕暮れどき
一日の仕事を終え
石段を弾むようにかけおりて
家路へと急ぐ、うしろ髪を簡素にたばねた初老の少女
時刻を告げるためのモノラルのスピーカーが
懐かしい音楽の一節で
夕暮れのあたり一 ....
わたしは、過去に、 とんでもない事柄を 発言しました。
『泪、涙、るるりら、る、は、私です。他にも使用しています。』と、もうしあげたこととが五年前にあります。事実ではありません。わたしは、るるりらで ....
昔昔のことです

「ソックタッチ」という商品名の速乾性液状糊のスティックがあった
糊といっても紙を貼りつけるものではない
靴下と足を貼りつけるものなのだ
ずり下がるという引力の法則に抗うこと ....
メモ帳には、
「さっぱりと空っぽになって、空を見ている
たとえ世界にとって新しいものはなくても、僕らは新しいものと出会い、日々を暮らす
別に、今日しか、今しか見れないものではなくても、今の空 ....
――切り刻む
思惑/意図/動機//詩情/詩法?/詩論??//詰め込んだもの//
読み漁ったもの/捻り出したもの/スケスケのもの//
レゴ並みの理論武装/生まれや育ち/時代精神/文化/思想/神学/ ....
あの頃
きみはまだ産まれていなかった
着床しない
小さな種だった

人はなぜ産まれてくるんだろう
人はなぜ産むんだろう
いつか手ばなす命であるのに

わたしが
影も形もない頃
少 ....
食べそびれたナッツケーキ、午後は乾いて吹き飛んで
月や夕陽に紐をつけて散歩させる毎日わたしたちは
もちろんその暇があればすぐ殴りあう
どうしていまごろあなたはそんなに

犬たちの、猫とは ....
  
そんな風にときどき
ためいきをつきたがっている
ぐらいなのに
そんなところへ
Mさんのお話なんかされるものだから

まっ
    しろ

になってしまって



いつ ....
いよいよオープン間近の焼肉店「{ルビ喰尽=しょくしん}」!
喰らい尽くすと書いて「喰尽」!
従来の焼肉の常識を遥かに覆す圧倒的コストパフォーマンス!!
なななんと牛・鶏・豚だけでなく猪・羊・鹿な ....
スツールに置いたスタンドライトの明かりが
薄い紙を透かして
褪せた文字を
一ページさきに触れた指の影に落とす

あてどもなくゆれ 、よぎる
ライオンの夢



眠りが獲物と結 ....
壁掛け時計の針が示す時間を鵜呑みにする前にこめかみに鉛筆を突き立てた、そう、それはまさにくたばる一歩手前のギリギリのところだったよ、ついでに言っておくけどそれは二三時を少し過ぎたところだった、 .... かけるくんは
呼ばれてもいつも返事をしない

返事だけではなく
一言も喋らない
いつの頃からだろう
皆がどんどん言葉を覚えて
いろいろ喋るようになって
かけるくんの言葉がないことに
 ....
なにも書かれていない
紙の上から立ちのぼる
青白い砂漠
その雪原のただなかで
花にも瞼があることを教えてくれた人が
透明なグランドピアノを弾いてくれる
その滑らかな指のうごきで
雪のよう ....
ギター
雨をはじいて飛ぶ鳥のように
空気を震わせて濁らない
濡れた枝先の微かな光
抜糸された瞳へ飛び降りる
孵しそこねた夢の欠片から
うなじのほくろふたつ
振り向くことのない永遠が
月 ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最期のタバコ屋にて- 梅昆布茶自由詩1717-2-2
食べかけの月- カマキリ自由詩517-2-1
吟遊詩人- ただのみ ...自由詩10*17-2-1
次の発車を待つ- 竜門勇気自由詩2*17-1-30
しの病- 朧月自由詩517-1-29
狂馬- 春日線香自由詩817-1-29
いのちさめる- ただのみ ...自由詩15+*17-1-28
ほほ笑みのかたち- 朧月自由詩317-1-28
忘れたくない事- まいこプ ...自由詩617-1-28
お気に入りの一編- ただのみ ...自由詩13*17-1-25
- ミナト ...自由詩217-1-25
- 本田憲嵩自由詩16*17-1-25
風船革命- そらの珊 ...自由詩19*17-1-23
悔恨- ヒヤシン ...自由詩8*17-1-22
かなしい- ただのみ ...自由詩18*17-1-21
つくろい- そらの珊 ...自由詩10*17-1-20
夕暮れ- 本田憲嵩自由詩917-1-20
さようならば- るるりら散文(批評 ...3+*17-1-20
わたしたちの靴下はいつだってずり下がってはいけなかった- そらの珊 ...自由詩19*17-1-19
メモ- 水宮うみ自由詩2*17-1-18
あると仮定して- ただのみ ...自由詩11*17-1-18
風花のことづて- そらの珊 ...自由詩21*17-1-18
どうしていまごろあなたはそんなに- はるな自由詩517-1-17
生まれながらの血の不足- AB(な ...自由詩15*17-1-16
- 少年(し ...自由詩1*17-1-16
よぎる- 末下りょ ...自由詩8*17-1-16
混沌を解いたところで簡単な現象にはならない- ホロウ・ ...自由詩5*17-1-15
かけるくんの空- 深水遊脚自由詩9*17-1-15
氷結- 本田憲嵩自由詩1317-1-15
INSPIRE- ただのみ ...自由詩14*17-1-14

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