月夜の桜にご用心

照らされた花吹雪に心をもっていかれるという

そんな夜はおひとりになりませんように



 
夜勤の作業台
部品のはんだ付けをしながら
あくびが出る
慣れない頃は眠ってしまって
何度も火傷をした
今夜も気をつけなくては

はんだ付けはやり直しができて
部品の取り替えができる
 ....
ナオミ

明日の午前11時に
成田まで
誘拐犯があなたを 迎えにいくから
電車賃も忘れずに
ちゃんと早起きして行くこと

それから
東京中の名所を リストアップして
メモに ....
我が社に知的障害持った青年が入社した
長い期間研修で頑張って入社した
彼は我々の新しい仲間だ

18歳の彼は真面目で優しい
彼を見ていると
健常と障害の違いは紙一重だと思う

彼の ....
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
向かい合わされた二つの椅子の一つに座る
誰かの温もりがまだ残された椅子に
浅く、前屈みに

向かい合わされたもう一つの椅子に
客人が座る
深く、めざめに
もたれ

客人の手の甲に ....
夜明け
窓を開けると
空に明星が瞬いている

テーブルにこぼした煙草の灰を
手で掬いとっているうちに
夜が終わっていく

春先の
暖かい雨は降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
赤い星から届く光と熱を糧として成長した生命
闇に怯える幼い生命をやさしく照らす黄色い星
人は太古から赤い星と黄色い星を崇め慕い
年を数え 循環する季節を知り
様々な物語を幻想してきた

 ....
ハゼドンが
8億円借りて
全部使っちゃったって?
そんなのみんなで使っちゃったに
決まってんだろうよ!
毒づきたくて見あげたはずの
夕焼けが綺麗で
たとえわたしがポエマーでも
言うことなんか何もないくらい
それはあらかじめ完成された一編の詩となって
目の前に広げられていたから
もう死にたくっ ....
ショーウィンドウの前から
ふわりと剥がれた影は
軽やかにステップを踏んで
もうひとつの影にくっついた

大きな紙袋をぶら下げて
せかせかと動き回る影は
スマホを耳に押し当てたまま
 ....
<猶予>
今はまだ
そうこうしているうちに
未来も腐る。





<接触>
危ないですよ
始まってしまう。





<残照>
消えてしまうから
惜しまれるの ....
さむらごうちプロデュース
奇跡の詩人
小保沢康治
第一詩集「チェルノブイリ」(大東亜出版)

小保沢康治:
文盲であるにも関わらず
絶対語感だけを頼りに詩を紡ぐ天才詩人
最近チェルノブ ....
名前が変わる前のようにはもう生きられないだろうと彼女は小部屋で言った
「自分の中でこっそりと作ったルールは500円までだった
大体高校生が多かったからおやつみたいなものだと思う」

盗人は大人 ....
ストーブよく燃える誰もいない部屋 トヨタのワゴンに乗って
ネトウヨの車にのって
おれは回転寿司へむかう
雪はころげつつ
ワイパーにそってふっとぶ
おれは結晶を見るのをやめて
プラスチックボードの
ポリエステルの埃と
フ ....
貫いて、
まっすぐ空を貫いて
僕は僕の
生きてきた道を
証そうとしていた

この手を握りしめると
隠しようのない非力さが伝わって
けれどわずかに
意外な力も伝わって
 ....
大きく膨らんだお腹に手を当てると

ぐるんと窮屈そうに動いてくれた

明日生まれるよ

君は明日生まれるよ


後ろからそっと抱きしめると

安心そうに身を委ねてくれた

明 ....
ここにはない
何も踊らない
ただ搾り出された絵具のように
眠たげな静物だけ

わたしの中か
わたしの外か

楽しげな人の姿が
ゆっくりと薄れ消えて行く
古いスナップ写真が
毎 ....
それはなかったことにして

ではなく ないことにして

これもなかったものと泣き

いや ないものと叫びたいだけで


火の粉が夜空を浮遊する


仰ぎ見るわたしの口 ....
会いたい人がいるはずなのに
会わなくても生きていけて
なんとなく煩わしさを感じてしまって

地方から東京に出てきて
祖母とも叔父とも疎遠になっている
わたしは健 ....
藍色など
群青色などと言って
壊れないで下さい

星が点滅する
或は惑星、
と言うか

全ては夜の表に光っている

私は私の肌色を光らせて
草原の上
月の下、
或は上

 ....
はるののでツクシをつんでいるとき
かんぼくのあいだを とおりすぎるかげ
そいつはイタチだ

かんぼくのなかをのぞくと
なくしたスーパーボールや
ミニカーがみつかるにちがいない
イタチのこ ....
目が覚めて
隣に寝ていたはずの
ひとがいないと
私はひとりではないと知る

しなければならないことがあって
私が私に着陸したことに
感謝する
魂がからだに

少し今朝は
自分を気 ....
開け放った窓からカーテンがあふれだしたからオルガンを弾いてともだちと身体を絡ませておどる/まだ子供なのになつかしくなるような錯覚/点滴があと少しでおわるから看護師さんを呼んで/丸い体の看護師さ .... 妻に物をプレゼントしたことがない
物より思い出ばかりプレゼントしたからだ

それでも妻は物がほしかったようで
時々古ぼけた腕時計を指差すこともあった

あの世でね
と私は言った

私 ....
見知らぬ男たちに追われる夢
叫んでも叫んでも届かない夢
歯が何本もぼろぼろ抜ける夢
昔の友が今を共にしている夢
夢だと気づいて目が覚める夢
覚めても覚めてもまだ夢な夢
夢にうんざりして起床 ....
現代詩フォーラムという場所に限定していえば、ここに投稿されるいわゆるネット詩と呼ばれているものは膨大な数が毎日投稿されている。
タイムラインはよどみなく更新される。一日開かないだけで、ひとつの詩は一 ....
【いとおしい 石】


真新しい制服をきて
さあ これから はじまりますよという玄関で
籠の鳥が けたたましくないていたから 鳥にも 
ありがとう 入学してくるねって 声をかけ
ただいま ....
パワーウインドウをおろして
ぱたぱたと灰をまいている
花咲かじいさんは
浅黒い腕しかみえない

パワーウインドウをあげて
その場を去っていった
あとをにごしたものを
私はじっとみつめて ....
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奇跡の詩人- 花形新次自由詩114-3-27
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ストーブよく燃える誰もいない部屋- 北大路京 ...自由詩414-3-27
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