4つうえの姉ちゃんの本棚には、(ホットロード)と(瞬きもせず)しかなかった
たまに学年成績トップとかの姉ちゃんは、本棚に紡木たくしか置かなかった
こんなの読んだらオカマになると思って僕は読まな ....
目を瞑って鍵盤にそっと乗せるだけで
軽やかに舞い始める私の十本の指
やがて目の前にお洒落なショパンが現れて
揺れる私の肩をそっと抱いてくれる





「お母さん、私ピアノを習ってみ ....
誕生日
私の多面体の面が
またひとつ増えた

生まれた瞬間は
まんまるだったはずなのに
歳を重ねるごとに
ひとつずつ面が増えて

今では寄せ木細工にも似た
得体の知れない多面体 ....
石灰岩の岬で その木は咲いていた
岩礁を咀嚼する波しぶきで、真夏だというのに咲いていた 桜の木
あの花は  きっと永久の入り口を見たのだ

桜は黄泉を観ていた
泣いている人々のことは  ....
満開のソメイヨシノ

春の強い風に散り
工場のタンクや配管に
まばらな花が咲く

工場の町の春景色


自家不和合性のこの桜は
開花して
ソメイヨシノどうしで
受粉して結実 ....
コツコツコツ深夜の足音
ゴソゴソゴソ深夜の物音

何をしているのだろうと
訝りつつ目覚めれば深夜

安眠を妨げる足音や物音
決まった時刻に乱される

ドアを開け見渡しながら
誰もい ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと

夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない

僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
食べ物買うのに言葉はいらない
ましてや売る人の心など

風邪薬は効き目を買う
心配そうな言葉など鬱陶しい

陳列棚から取り出した飲み物
黙って値段を示せばいい
すぐに飲もうと だれと飲 ....
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
                140402

+0パーセントの悲鳴が
2パーセントに達するほど
奥が深くない湾岸の住民たちは
3パーセントアップでも耐えられるはずだ
5パーセントアップだ ....
この悲しみもこの痛みも本物だけど。あの優しい眼差しも温かい手のひらも本物。

だから生きてゆける。
絡まったままほどけない幸せを
アスファルトに埋めたまま夏がきます

最高気温が湯気になる夕方に
風鈴は燃えあがる
生まれたばかりの炉の中で
輝いている命を
そんなふうな形に変えた
あぁ ....
親愛なる友人に捧げる。

彼はミュージシャンだった。

バンドマンだった。

人生の中で一度だけ、スポットライトに照らされた。

だけど、彼の生涯は孤独と絶望と罰に塗れていた。

 ....
僕の通っていたひかり幼稚園は
お寺の中にあって
墓地は恰好の遊び場だった

4月8日は花祭り
お坊さんの園長先生は
あまりおいしくない甘茶をみんなに飲ませて
毎年自己紹介させる
め ....
あの大きな地震から三年たって
家を建て直した人の窓ガラスが悪意で割られるという現実
廃炉問題や生活再建や瓦礫処理はまだまだ続きその一方で
こちらの生活は元通り
スーパーで売っていないものはない ....
廃屋に一本の桜が立っている
誰一人愛でる人もなく
人知れず枝を伸ばし
花を咲かす

月明かりの夜
街灯に照らし出されて
ぼんやりと薄桃色の
その姿を浮かび上らせていた

夜の静寂に ....
ちりちりと音立てもえる炎には
踊る火の子どもがいて
芋が煮え 栗が爆ぜた

囲炉裏の炎に燃え上がった
ファンタジー
雀が踊り 鬼が泣き
ああ 狸の背でもえる炎
を冷ややかに
うさぎの ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
ねえパパ
最近 
珈琲カスをあまり食べられなくて
ミミズがかわいそう

娘たちがリビングで飼育している
数千匹のミミズ達は
私がドリップした後の珈琲のカスが
大好きなのである
だ ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に

ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです

桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
 ....
 
月夜の桜にご用心

照らされた花吹雪に心をもっていかれるという

そんな夜はおひとりになりませんように



 
夜勤の作業台
部品のはんだ付けをしながら
あくびが出る
慣れない頃は眠ってしまって
何度も火傷をした
今夜も気をつけなくては

はんだ付けはやり直しができて
部品の取り替えができる
 ....
ナオミ

明日の午前11時に
成田まで
誘拐犯があなたを 迎えにいくから
電車賃も忘れずに
ちゃんと早起きして行くこと

それから
東京中の名所を リストアップして
メモに ....
我が社に知的障害持った青年が入社した
長い期間研修で頑張って入社した
彼は我々の新しい仲間だ

18歳の彼は真面目で優しい
彼を見ていると
健常と障害の違いは紙一重だと思う

彼の ....
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
向かい合わされた二つの椅子の一つに座る
誰かの温もりがまだ残された椅子に
浅く、前屈みに

向かい合わされたもう一つの椅子に
客人が座る
深く、めざめに
もたれ

客人の手の甲に ....
夜明け
窓を開けると
空に明星が瞬いている

テーブルにこぼした煙草の灰を
手で掬いとっているうちに
夜が終わっていく

春先の
暖かい雨は降り止み
朝日が微かにひかる
神経が泡 ....
赤い星から届く光と熱を糧として成長した生命
闇に怯える幼い生命をやさしく照らす黄色い星
人は太古から赤い星と黄色い星を崇め慕い
年を数え 循環する季節を知り
様々な物語を幻想してきた

 ....
ハゼドンが
8億円借りて
全部使っちゃったって?
そんなのみんなで使っちゃったに
決まってんだろうよ!
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
姉ちゃんの本棚のホットロード、- 末下りょ ...自由詩9*14-4-9
頼りないショパン_不器用なベートーベン- 夏美かを ...自由詩31*14-4-9
多面体- nonya自由詩27*14-4-7
【嵐】_根を張る- るるりら自由詩17+*14-4-7
恋い焦がれてソメイヨシノは咲く- ichirou自由詩15*14-4-5
足音・・・- tamami自由詩1714-4-5
地球詩人- ただのみ ...自由詩25*14-4-4
夕暮れ- 梅昆布茶自由詩2514-4-4
余計なお世話だけれど- イナエ自由詩18+*14-4-4
ちいさなコントラバス- るるりら自由詩21*14-4-3
狐石- あおば自由詩13*14-4-2
いっそすべてが偽物だったらよかったのに- 水宮うみ自由詩3*14-4-2
汗ばんだ帰り道- うみこ自由詩5*14-4-2
純粋性理性批判- kei99自由詩314-4-1
花祭り- ichirou自由詩10*14-4-1
後ろからくる崖- ふるる自由詩10*14-4-1
【_廃屋の桜_】- 泡沫恋歌自由詩23*14-4-1
IHクッキングヒーターが来た日に- イナエ自由詩9*14-4-1
重力を連れて散歩に出る- 自由詩1614-4-1
珈琲好きのミミズの件- ichirou自由詩5*14-4-1
憧憬。春- 梅昆布茶自由詩24*14-3-31
ご用心- 殿上 童自由詩22*14-3-30
はんだ付けの夜- イオン自由詩4*14-3-30
ナオミから_もう一人のナオミへの手紙- オダ カ ...自由詩2*14-3-30
新しい仲間- ichirou自由詩14*14-3-30
巡花芽- 砂木自由詩16*14-3-30
一つの空席のために二つの椅子を用意して- 末下りょ ...自由詩5*14-3-30
桜の樹の下へ- 小林螢太自由詩20*14-3-29
宙の三原色- イナエ自由詩9*14-3-28
みんなの党- 花形新次自由詩214-3-27

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