十一月の鐘が実を落とし
朱色の音符を齧る
冬になる前の夕焼けの子守歌

もういいかい
紅潮した頬がさらに赤みを増したのは
母に贈る感謝への気恥ずかしさ

渋くはないよね
不安げが ....
中二階の六畳間で
タンスの上の黒猫が奇妙なことをする。
長い舌を出しながら
タンスの上を転げ回るのだ。
そして突然畳の上に下りてきて
俺の目の前で長い舌を出し入れする
じっと俺の目を見つめ ....
 トランプやサイコロをさっと取りだす
 マジックのように風景
 という手ごたえのない空間をてのひらにのせて
 ひぐちさんは
 ほら
 ここよ
 この部分が大好きなの
 といって頬 ....
春色のセーターをほどく
うねに添って並ぶ
小さな毛糸の環が
現れては消え
現れては消え
優しく解体されながら
終点に向かう

逆回転を奏でる音楽のように
くぐっては消え
くぐっては ....
幼いころ
せっかく瘡蓋になると
はがして食べちゃう癖があって
これがどうにもこうにもやめられない
しちゃいけない、なんてことは
五歳でもわかるんだけど
知らず知らずのうちにやってしまう
 ....
あいさつも そこそこに
そうぞうぶつ ふえつづけ にげるように
ここに たどりついた

あまいろに つやめくとびらのむこうは あめいろ
つくえに みな ほおづえを つき
 ....
佐川急便の人にサインして受け取ったダンボールはからっぽで
送られてきたからっぽをどうしようかと思い
捨てるのもわるいし、いやダメだし、
とはいえ好きなものを入れるのもどうかと思うし、
ましてや ....
  日がないちにち、きみは
  ふたの閉じたオルガンにむかっていた
  やりばのないかなしみはもう、
  とうの昔に過ぎさったはずなのに
  雨をうけた一頭のサフォークが
  抱いて ....
れんがの家を覚えていますか
東の壁にはドアがあり
南の壁には窓があり
西の壁には物を置き
北の壁ではあなたが待つ

ドアを開けて壁をつたい
一度右へ曲がったら
虹のような形の窓の ....
                  140306

ただの変態だよ!
(;gdwgd@d@zifuoue9)
歴史的事実にはならないよ
コレクション作家が来ていないもの
700万円のソフト ....
誰もいない日に
私は寂しい目を閉ざした
眠りにつく 二月
外はとても 寒かった

プライドは 持っていたい けれど
東京の 冷たい 風が 私の体を突き刺していた
迷いながら 新宿の路地を ....
    あのひとの吐息はいつも菫です溶けゆく雪の儚さうつし


    この想い雪花に告げて溶けてゆく好きでした、あぁ好きです今も


    せつなさを櫛で梳かして目をふ ....
わたし、あなたの夢をみたの
ときみは言った
心の奥底で知らず知らず僕を意識しているということに
きみは戸惑っているようだった
ひょっとして、恋?
否定したいのに、出来ない
なんだか胸騒ぎが ....
何もない日に
眠りに落ちる
思い出が何も見あたらないのに
なぜだろう

さすらいのソロキャンパーだった 僕は
昔泳いだことのある 記憶にうかぶ
テトラのつみ重なった 灰色の向こうを見つめ ....
ボールペンの黒色で
君がいなくなるまでぐちゃぐちゃにした

罫線もないまっしろなこころだったので
血もあの海もぐちゃぐちゃにした

まっしろなわたしは帰ってこなかった
まっくろなわたしが ....
この世から卒業してく友人におめでとう言い通夜の寿司喰う 前世餓死してるぶん食う 真実を叫ぶ口に口内炎 1号車に乗っているあなたを
僕は追いかけることができなかった
すぐにホームは終わって
ホームの端っこで呆然と見送るしかなかった

もしあなたが16号車に乗っていたら
息が切れて走れなくなる ....
鳥の羽根が

片方だけ大きくなって墜落

もつれながら

羽根はまだ互いを罵りあっている

足だけがあがいたが

もはや空には戻れなかった
シロクマの
故郷と隔たるところに
わたしは住んで
いて

シロクマの故郷と
隔たらぬところに
わたしは住んで
いる



ニホンオオカミが
絶えてしまった時代に
わ ....
制服を仕立てにいくと言って
行ってしまった

トイレや脱衣所の扉が
足音に反応して閉められる
ほろにがい痛みをともなう
(バタン、カチャ
ちゃんと閉めなさい、なんて
言ってたのは
い ....
手近な男とくっついちゃって
あたしもヤキがまわったかなあと
それが照れ隠しなのは
彼女の顔を見たらわかる

手近な言葉
ありふれた言葉
黒板消しで拭くたびに
私の屋根に白いチョークの粉 ....
歩道橋の上で つまらなそうに
黒い帽子の ミスター・クロウ
放課後の 車行き交う上で
舌打ちもせずに 空を睨んでる

そこはまだ低いんだね
高く飛べることを知っているから



 ....
わたしの体はわたしのものなのか

わたしがわたしのなかの
血液を流しているわけではないし

まして心臓を動かしているわけでもない


けれど痛い



大切にするフリをしている ....
区役所を訪ねるたびにとりあえず離婚届を手にしてる嫁 /
俺は問題をつくらなければならない。
冬が白く武装するから
何回でも潰して
問題をつくり続けなきゃなんねーの。
氷が溶けて季節が死ぬ
ひとつの色が死んでなくなる。
滑る階段で開封する遺 ....
雛人形は海を渡らない

「今日は雛祭りよ」
「雛祭りってなあに?」

童話を聞かせるように
雛祭りの話を聞かせる

「ふ〜ん」
それはまるで 
おとぎ話よりも遠い世界のお祭りごと
 ....
 目を閉じてください
 そして
 駆けている
 馬
 を思ってください

 西暦一九八三年
 いちばん後ろから
 ぜんぶ抜き去っていく
 黒鹿毛を見た人は
 叫んだのです
 太古 ....
この言葉が何より先にでて
そのあとに即興でなにかを投げて
返ってくるなにかをみる


余韻を残すことなく消える


あとで語られないように
いま要るだけの言葉が
あなたのすべてであ ....
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