<十四歳>
十四歳の時の情緒によって
十四歳の時の衝動に任せて
十四歳の時に泣きわめくことが
十四歳の時にはできなくて。





<経験>
もっといろんな男の人と抱き合えば ....
ここに居た

そこに居た

あちらこちらに
居た
ことを記す

愛を叫ぶ雨蛙を乗せた丸い大きな葉も
その傍らに転がっていた水晶のような玉も
美しい色を持つ手が
幾重にも重なったよ ....
むくろと暮らしたことがある
たった数日

むくろは
案外しずかで
ちょうど
子供がいたずらに
掛け布団の下 座布団を仕込み
あたかも眠ったふりをした
そんなふうな

かつて肉体だ ....
ひきこもったカタツムリが大きい 左ポケットで飼っていた
”しあわせの青い鳥”
君がいれば僕はしあわせ

ねぇ本当なのかい?


あくる日僕はおもむろに
ポッケに手を突っ込んで
手を空に向けて開いてみた
小さな青い ....
そっと
指にからめ取る粘液のなかに
胎動のような、ためらいが
ある

たやすくは
秘密裏に動けない総てのものを
固く透きとおらせてしまう
権力が、そこに
ある

良策かも ....
小声で頼んだ並みのマグロが
おおくきなって店中を駆け回る
こちらの身が小さくなるとき
届けられた笑顔 
心ばかりのサービスを 
言葉で返る寿司職人
すべすべの掌が握って
板に乗った寿司の ....
ほぼ等間隔に置かれた
不安のハードル
倒さないようにしながら
生真面目に歩く

決して抜け出せない
ループの回廊
天気はいつも晴れのち曇り
ところにより雨

ほぼ等間隔に現れる ....
街を歩くと背中ばかりだという
マッチ売りの少女が死んでいる通りを過ぎ
崩壊したまま放置された幸福の王子の像の前で待ち合わせしてる
みにくいアヒルの子のように{ルビ悄気=しょげ}てるお前が{ルビ愛 ....
死語の道徳を囀る一羽の小鳥が
超高層ビルからヒラリと飛んだ
喪失した記憶 飛び方を思い出すための荒療治
ところが思い出したのは
自分が本当は魚だったということ
《しまった早まった! 》
だ ....
しびれるように今日は
明日を失い
昨日を失い
昼夜を失った

羊の目をもつ鳥が落ち
布を裂く音が縦に響き
誰かは誰かを失った

ぎりぎりの分別に
長くのばした爪を引っ掛けて
 ....
道ばたに
若いビジネスマンが
うずくまっている

心配して声をかけると
苦しそうな顔をして
ほとんど象になりかけていた

大丈夫です
と、忙しそうに立ち上がり
がんばっ ....
つまんないもので塀を築いて
おもろいものには目もくれず
いったいなにが楽しいのと聞いたら
「これが人生よ」と言われた

安いものを至上と信じて
ありきたりの色を重ねて
どのへんに君のこだ ....
いい夫婦の日に別れている 社交辞令の「大丈夫?」もない 不完全な春に花を盗もうと今から用意している

星が堕ちても拾わないで誰のものでもないのだから

約束って悲しい響き裏切りを孕んでいるから

一足飛びに人生を俯瞰してでも今が好きなんだごめん ....
<肉食獣>

私があなたに耳にかみつくと
あなたは私の腕にかみつく

私があなたの眼にかみつくと
あなたは私の手のひらにかみつく

私が食い込むたびに
あなたは遠ざかっていく

 ....
左腕に
浮き出た内出血の痣
八年前に受けた
ハーセプチンの点滴は
あたしの血管までもぼろぼろにして
以来 採血は
看護士泣かせの儀式となった
その痕を
老いた母は
かわいそうにと
 ....
夕ごはんの買い物帰りにママンが仔猫を拾ってきた
パッパは余計なもの拾ってくるなよと言った
ぼくはびっくりして、触ったりした
今日から兄弟だよって
ママンが言った

少し震えながら
鳴 ....
歩いては

遠くには行けない

この足だけで歩いては

毎日 移動している道の

およそ 半分までしか行けない

けれど

とけた雪を踏み崩しながら

足だけを動かし
 ....
りんごを食べた
わけありりんごを食べた

わけあり家族で
りんごを食べた

みんな無言で
それぞれの方向をみて

ペットのハムスターだけが
かさこそ音をたてて食べた

北国から ....
西側の二脚の椅子に
座っていた
子らは
ふくふくと育ち
ようようと三月へと出かけていった

つながったひとつのベンチに
結果 残されたようになった
夫婦は
横に座って
同じ景色を眺 ....
 瞳


二月の白い雨の中
何もかもが凍りついた冬日
畦の匂いさへ凍りついたまま
も吉は冷たい闇の中で
いつもの道を見失ってしまった
今日はどうしても
まっすぐ歩けない

も吉を ....
沈黙の微粒子が
ソーダ水のようにはじける
僕の部屋の夕暮れ
音楽も聴かず
テレビも見ず
ソファに座っていた
LEDの電灯は
人の気配に感応して
点灯するのだが
やがて
ぼんやりと消 ....
寒すぎるサーバー室で眠った彼は
真冬に新月で小指を切る夢を見た
次の朝になって彼が目覚めると
世界の半分が失われていた

空腹の彼はコードで繋がったまま
駅前まで歩いて喫茶店に入った
注 ....
いのちの素描 
躍動の結晶を背景に
白い天啓の不規則性
欺くように舞って

――つめたい耳たぶに腰をかける
   そとには沈黙が降り積み
   うちには言の葉降り積む

  
   ....
最初の人間がこの列島に入ったように
この川に入った亀は何匹だったろう

ミドリガメと呼ばれていた子亀のころ
生まれ故郷から 人間に連れ出され
あげくに捨てられたのか 
それとも
遙かな故 ....
     寒かったから
     息を吐きかけ
     こすり合わせる
           
     店先のディスプレイは
     パステルカラーが
     華やかさを競って ....
春がいる

駐車場の奥の
ハイブリッド車伝いに
ブロック塀の上に飛び乗った時
チイ子はそう思った

春がいる

朝の見回りで
ナワバリ荒らしのクロに
やられた三角耳がまだ痛む ....
ぐうっと伸びる
四肢が
おのれにおのれの目覚めを知らせる
 
大あくびが
まずは昇ったばかりの太陽を食らって
牙が汚く光る

ゆっくり開いた目
の血走り
冬の間中 ....
Lucyさんのおすすめリスト(6448)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
十四歳_/_同性愛_他- クナリ自由詩6+*14-3-2
仮埋葬- そらの珊 ...自由詩17*14-3-2
むくろ、と- umineko自由詩25*14-3-1
ひきこもったカタツムリが大きい- 北大路京 ...自由詩614-3-1
神様からの告白- にかほ  ...自由詩414-3-1
琥珀帝- 千波 一 ...自由詩514-3-1
回転寿司- イナエ自由詩12*14-3-1
ループ- nonya自由詩17*14-3-1
もうひとつの童話- ハァモニ ...自由詩5*14-3-1
歴史の礫- ただのみ ...自由詩14+*14-2-28
分別- はるな自由詩614-2-28
象さん- 小川 葉自由詩714-2-28
塀のある暮らし(2014.2)- 新嶋樹自由詩414-2-28
いい夫婦の日に別れている- 北大路京 ...自由詩214-2-28
社交辞令の「大丈夫?」もない- 北大路京 ...自由詩514-2-28
不完全な春- 梅昆布茶短歌1014-2-28
肉食獣_/_不思議- クナリ自由詩4*14-2-28
【紫の華】_詩人サークル「群青」二月のお題「紫」への提出作品- そらの珊 ...自由詩13*14-2-28
メーピスカリャー- 末下りょ ...自由詩4*14-2-28
遠くには行けない- フユナ自由詩7*14-2-27
わけありりんご- 朧月自由詩314-2-27
二月は未来を調整します- そらの珊 ...自由詩17*14-2-27
北の亡者/Again_2014如月〜皐月- たま自由詩25*14-2-27
僕の部屋の夕暮れ- 和田カマ ...自由詩5*14-2-26
ある朝- 自由詩1214-2-26
二月・北国では- ただのみ ...自由詩16*14-2-25
要注意外来生物- イナエ自由詩12*14-2-25
隠したのは袖口でした- 石田とわ自由詩14*14-2-25
チイさい春- nonya自由詩21*14-2-24
春のおおかみ- 平瀬たか ...自由詩9*14-2-24

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