視界の開けた農道の十字路で
車同士が衝突する死亡事故が
今年二件も起きた
屋根の上の仕事師は言う
屋根の上が安全です
棟は細くておっかないって?
歩く足の幅が有れば十分 ....
ゴリゴリと命を削り生きてみる
飛び散るのは、魂の欠片
それが言葉だろ、詩だろ
笛吹きケットルが壊れて
笛吹かずケットルになってしまった
笛を吹かない笛吹きケットルは使い難くて仕様がない
ケットルを買い変えようと思った矢先のこと
突然 笛吹かずケットルが言った
....
ケチャップ切らしちゃってと
大人の笑顔で彼女は言った
僕の目の前に置かれたのは
ケチャップがのっていない黄色い肥満体だった
まあいいさとスプウンを入れたのだが
腹から出てきたのは ....
閉じられた瞼は
眼球にやさしくかけられたさらし布
或いは
フリンジのついた遮光性の高い暗幕
時折
なにかに呼応して
波打つように
揺れる
ベビーカーのハンドルに止まったちょうち ....
両翼を広げて谷間を覆う様に飛んで行く
渓谷に遊べば
すくい上げたのは 6月の空
まだ 冷たいね
あー
ホウノキの葉
何枚の葉が あの子を支えているのだろ
....
みんなの寝しずまるのを待って
腕をきるので
みんな寝ない
みんなの起きるのを見はからって
眠りにはいるので
みんな起きない
だんだんできてゆく
柵のそと側へのがれてみると
そこはぐるぐ ....
ぱすんと音を鳴らし
アイスキャンディーを取り出す
自転車を漕ぎながら
あっこの味あたりだ
今日も一日暑かったけれど
今時分の風が気持ちいいなあと
公園で立ち止まり木 ....
あの紅葉に燃える木の下にいってみよう
あのみどり深い木の下にいってみよう
あの石橋の向こうの赤い屋根の家の窓から
ひょいと顔を出して、世界を眺めてみよう
戻ってきたら、石橋の(絵の中心 ....
「二十世紀」と「ラ・フランス」は
親しげに肩を並べ
(互いにちょっとの、すき間を空けて)
顔も無いのによろこんで、佇んでいる。
「偶然だねぇ」
「ふしぎねぇ」
ほの青さ ....
おそらくは
やわらかな春の香り
おそらくは
かぐわしい早乙女のような
おそらくは
この世に用意された
おびただしい
喜びと悲しみのあわいで
おそらくは
それは
幻の香り
さく ....
私は今闘っている
目に見えないものと闘っている
今の自分だ
未来の自分を
より良くしていくために
新鮮な風が喉を洗う。
屋上の日差しに汚らしく濡れた心を渇かす。
4月の別れを引き摺る私の影。
夕映えも過ぎて気づけば人気はない。
振り向くなと暗闇が囁いた。
揺れるツインテールまばゆい光の中で踊るそのままに
大好きなツインテール木漏れ日のように優しく
あの日の午後の坂道で出会った奇跡が嬉しいんだ
そうさ僕と君の時間が始まったんだよね
ツイン ....
朝もやの中
僕らはどこだろう
ゴミが散らばる
街の中だった
僕らには今
未来の姿は無いけれど
未来のある時代を
思うようにして
死んでいく
遠のいた六歳の背丈からのまなざしはもう
わたしだけが知っていて
本当の潮風を忘れ
たやすく唄われる海の風景だけはいつまでも
地球はあおい星だから
その歌たちはたぶん続くのだと
確信して ....
もくもく と 浮かぶ雲で
空想も ふわふわ 膨らむので
さくさく と 音を立てながら
パンでも かじろうか
耳は どうしよう
もったいないから
隣の もふもふサンに
あげてみ ....
風に吹かれて空き缶が
ゆるい傾斜を上って行く
カンカラ転がり上っては
カラカラカラリと下りてくる
あの風が止んでしまえば
あとは 下りるだけ
底の底まで落ちぶれて
それ ....
浴槽の栓を抜く
しばらくは何事も変わらない水面
さざ波のそぶりさえない
今 渦中では
見えない引力に導かれ
出口へと
まさに水が
わあわあ殺到しているというのに
ことの始まりは
....
開いて
閉じて
開き直る
胸のちょうつがいを
ギシギシ言わせて
自分の扉を開け放つ
隅から隅までよく見てみやがれと
立ち塞がった戸口の後ろで
気弱な本体が震えている
....
こっそりでも戦車
しずかな つばさの抑揚に
呼吸を あわしながら歩きます
しろさの きわだつ蝶を
追うとき わたしの 肩甲骨も
空を感じてました
「おたんぽぽしてるの
ふうてん とばそ」
....
冬の蛇のように
ゆるやかなとぐろを巻き
光たちはもう、
眠りに落ちてしまったから
わたしは雨の音だけが
心を満たしていてほしい
歌をうたうくちびるのよう ....
ゆくすえは
どこまで見まもることが
できるのだろう
吃音のことで
それほど悩んでいたなんて
知らなかったけれど
親は子の悩みを
まるごと肩代わりすることはできないし
してあげたいけ ....
以下の方がこの文書を良いと認めました
-大豆
-ウォルス
-詩人F
宇宙人の好物がお好み焼きとは
知りませんでした。
-ドメガザウルス
-レントゲン太郎
私も学生時代に ....
ゴジラに破壊された街
昨日人が往き来した街
昨日車が往き来した街
昨日喧噪と怒号の街
昨日軍が往き来した街
昨日ゴジラが破壊した街
ゴジラが去って何も無い
人もいなければ ....
自分についた嘘が真実になる
宇宙人みたいな顔のやつがTVに出ている
どのチャンネルに変えても、
出てくるのは宇宙人みたいな顔のやつばかりだ
そして久しぶりに街に出ると、
高級ファッションで身を固めた
超ド派手な宇宙 ....
あざみの花が咲いた
あざやかに 色づいた
笑い草が生い茂る藪の中に 野薊
たおやかな仕草で天につきさす刃の薊
白い卯の花の薫りの路に まごうことなく薊
どこまでも続く道のところどころに 負け ....
時代に迎合したものは
腐食しやすい傾向がある
二十世紀以降は特に足が早い
あなたがガスオーブンを被り
光速ロケットに乗ったあの日から
世界は五十歳ほど老けた
だがあなたの詩は瞳のように ....
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