降り始めたちいさな雨粒を
ひとつひとつ
こぶしで撃っていく

敵のいない闘い
ボクサーのロードワーク

撃ちきれない雨粒のなん粒かは
火の玉になり
眼球の中で
また、道々の砂利のす ....
名もない
小さな舞台で
見すぼらしい役者が
2、3の台詞を与えられて
得意になって喋っているが
表現は容姿と大差なく
筋書きも
よくあるつまらないシロモノだった
俺は心底まで退屈し ....
廃田の草を刈っていると突然大雨となった
しばし、刈り払い機を雨の当たらない所に置いて
雨の中に立ったまま私は辺りを見ていた

これからのことを打ち消すように
雨は降りしきり、そしてまた
何 ....
6/1
古いカメラのように瞬きをすると
紫陽花から滴る雨粒が
カリッ、と網膜に光の線を引く

6/2
すれ違う人の柔軟剤の香りにときめいて
振り返ると、彼女の背中に
斑点だらけの黒ずん ....
ハードディスクに録っといたテレビ番組を観ながらストロングゼロでも呑むかって夜に




なんか今観るのはもったいないかなとか


思って


 ....
行方不明というか

一週間弱みつからなくてさ

毎日、近所集まって

お経読んでる

見つかるように

そんとき、絶対泣かないときめてん

まだ、意味もわかってないくせに、て
 ....
{引用=むかしばなし}
幾千幾万の囁きで雨は静かに耳を溺れさせる
まろび出た夢想に白い指 {ルビ解=ほど}く否かためらって
灰にならない螢の恋は錘に捲かれて拷問されて
透かして飲んだ鈴の音も夜 ....
今日も真夜中の向こう側から
たくさんの「タスケテ」が届く
本気もあればウソもあって
見分けるのはむずかしい

だけどアタシはとりあえず
見つけた全部の「タスケテ」に
「ダイジョウブ」って ....
白いカーテンの揺れる部屋は
少し黴臭く、湿っぽい
レンタルベットの軋む音の中に
心臓だけになった母親は 小さく呼吸を繰り返していた

はじめて母親の大きな身体が剥がれたのは 小五の夏休みだっ ....
目が覚めて
冷凍庫をあける
「指定のレベルをクリアして下さい」
つめたい印字 マシンガン 僕のトラクター・アート
寝そべって 知らない人たち それから
視力の悪い指導者 濡れた掲示板 パ ....
光を求めて集まったのに
そのまま殺される虫のように
希望を求めて生きて生きて
その挙げ句に朽ち果てるとか
有り得ないことが現実になる
だって私は世界の中心じゃない

それでも運命って何か ....
つめたい星の下
きみはどこへいったんだろう
ちゃんと幸せになれましたって
ハッピーエンドになったのかな

物語は途中で消える はずがないけど
もしかしたら そうかもしれない
きみの望 ....
きみはぼくだった
ぼく以上に
ぼくをどうすればいいかわかってた
調子がいいときは
犬を放すみたいにほうっておいてくれたし
つらいときには
適度に気にかけてくれた
でもいま
きみはたった ....
芥川龍之介なら偸盗だ

石原慎太郎ならファンキー・ジャンプ



椎名林檎はモルヒネだ

レッチリの
アルバムは
バイザウェイで
 ....
The golden door

うちの猫はキーボードを踏んで歩き
スリープ状態のパソコンを呼び覚ます名人である

ぼくの彼女は何時も地雷を踏んで歩き
その意味ではとても有能な詩人でもある ....
その昔

長くて
つらい夜を
越える舟が無くて

夜に溺れた

その岸には
誰もいなくて

忘れるほど遠い年月
そこで沈んでいたの

人の言葉を忘れ
人の心を忘れ

 ....
生まれてこのかた
演じなかった日など無い
ダグラス氏の小さすぎの雨傘

左肩ほぼぜんぶ濡らしながら小さすぎの
雨傘に若妻と生まれて間もない赤んぼうを
入れて歩く ゆっくり
妻も赤 ....
〇一日目
お盆には帰ってくる? と聞けば
コロナ次第かな、と答える息子
じゃあね、と手を振る
新幹線の改札口
人はこんなにもさみしくなれる
胃袋までさみしさでいっぱい

白薔薇
花言 ....
遥か彼方へ流れ続け
時のうねりにこの身を削られる

生きてく事は自傷行為さ
傷つくこと避けられないけど

ダイアモンドはブリリアント・カットに
削り出されて輝くって言うじゃない


 ....
母が懐かしそうに
思い出話をするとき

私はいつも
「忘れた」って言う

お母さん私
今その話を思い出したくない

なんでだろう
幸せの記憶なのに

なんでだろう
鼻の奥が熱 ....
人の世界では
何者かであらねばならない

そして僕は
何者でもない

先生
僕は

患者ではない
信者ではない
生徒ではない
担当ではない
愚民ではない

先に生 ....
あじさい柄の、
日傘が咲いています。

梅雨の間の、
晴れの日の、

左目が痛みます。
蜘蛛を決して殺さないこと、幼き夏の夕に僕は僕と約束をした。
左右の小指で指切りをし、指が切れ、僕は8本指の少年となった。
叫びは暗闇に飲み込まれ、おれたちは
財布を落としてきたみたいな心もとない気持ちでいる
神さまは金持ちにだけ整理券を配り
おれたちには聖書みたいに硬いパンを施すだけさ
適性検査を受けて戦いに ....
{引用尾=昨日まで聞えなかった蝉が鳴き出した}
 *
悪を行うつもりで行う悪はたかが知れている
だが善を行うつもりで行う悪に際限はない
それは敵対勢力と自己犠牲の陶酔感でより強固になる

 ....
テーブルの上に並べられたディナーを
ナイフとフォークで切り分けていく
音は立てない クロスは汚さない
躾けられた習慣は簡単には抜けないね

足しげく通った放課後の図書室で
難しい言葉をいく ....
少しも
優しくないんだよ
私は
優しくなれないって
優しく出来ないって
何なの
優しさって努力なの?
違う
優しい人は
何も考えずに優しいんだよ
どうしようもなく優しいんだよ
腹 ....
 祖父の無線アンテナが世界中から不幸を手繰り寄せていた
朝はもう昔だ。ツユクサやイヌノフグリに覆われたあの土の
盛り上がった一角、あそこが祖父を埋めた場所だと、誰から
教えられた訳でもなくずっと ....
アーモンドチョコレートとストレートティ
夜のストレンジャーとカム・ダンス・ウィズミー
バス停でその日最後の長距離便を待っていた僕らは
見すぼらしくも誇らしい二人の子鼠だった

丸一日、あ ....
その蜜をかけて
わたしのすきなバニラの
エッセルスーパーカップに
全部にかけたいけれど
大きいので
内の蓋を少し開けて
半分ね


地面を舐めている
落とした自分のを
命にな ....
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6分- はるな自由詩320-6-25
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The_golden_door- 梅昆布茶自由詩1320-6-23
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ショー・マスト・ゴー・オン(脚本がすでに失われていても)- ホロウ・ ...自由詩3*20-5-27
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