雪なんて当たり前だった幼い頃

道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ

一階はすべて雪の壁だったこと

なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで

物流の届かない ....
雪は
ひとひらと数えます

ひら、ひらと
落ちてくる様は
心がなにかを探しているようで

雪を
ひとひらと数えます

ふたひら
みひら
あとはもう数えるのは止めました

あ ....
裏切りには理由がある

理由のない裏切りには寄り添うが

理由のある裏切りには訣別する

それが自然なことなのだ

すべての裏切りのうえに雪が降る

雪はすぐ汚れてそのまま凍りつく

さあ、滑らぬよう ....
帰りの電車に揺られながら、頁を開いた 
一冊の本の中にいるドストエフスキーさんが 
(人生は絶望だ・・・)と語ったところで 
僕はぱたん、と本を閉じて、目を瞑る 

物語に描かれた父と幼子を ....
見たことも聞いたこともない
知らない国の痩せている土地に
稲を植えに行って
雨が降らなくて水に困り
そして
稲作を諦めた老人が
土に合う野菜を作ることを思い付き
風土に合う畑作に試行錯誤 ....
雪女は
約束を破った
夫と子供を残し
消えてしまったりして
物悲しいこと
この上ないけれど
それに引き換え
雪男は
巨大な足跡が
人間のものとは思えないとか
落ちてた体毛が異常に長 ....
笑顔でありがとうと
言ってくれたあなたを
冷たいと思ってしまった 私はうたぐり深く心の狭い人


世渡り上手に憧れて
今日もとんびは大空飛ぶもタカにはなれず
ただくるくると旋回してる ....
嫁が頭が痛いと言うから
頭痛薬を飲ませようと寝室の引き出しを探していると
なんとラブホテルの割引券が出てきた

問い詰めてみたら、すぐに逆切れして
「わかった、わかった、離婚したら良いんだろ ....
悲しくてかっこよかった

予備校生

それは生き方のような季節だった

探偵という職業も

そのようなものだとなにかで読んだ

だからあの頃ぼくらは

浪人探偵団だったのだ
 ....
30年まえ観た映画と再会した

30年まえの日本だ

撮影現場の600キロむこうに

ぼくはぼくの轍を探していた

あの頃の湿度

遊園地の風

蝉のしたの日差し

ぼくはあの頃今よりもひどかった

 ....
大人になったら
幸せが飛んでくると思っていた

けれど
幸せの羽は飛び去るためにも存在する

大人って
幸せにちゃんとさよなら、できる人
世界中の男女とセックスフレンドになりたい
だけど今すぐひとりぼっちになりたい
たぶんどこかがぶっ壊れているのでしょう

たくさんのひとに迷惑かけてきました
たくさんのひとをこれからも裏切るで ....
人の気持ちになんか
なれるわけないじゃん

なのに
雨がふると反省の気分になる

浄化されそうです
うちがわのドロドロなんて
ほおっておいてと
いいたいけど 少し心地よかったり

 ....
ふたりで街を冷やかしながら歩いていた

幸福というものがあるのなら

そんな時間や音や風のなかにあるようだった

ちいさなものからおおきな景色まで

ふたりに冷やかされるものは無限のようだった

それ ....
あたりまえのように朝があった

朝という名前

朝でひとくくりにしてしまうと

それは陳腐だ

愛とひとくくりにしてしまうと

解釈だらけだ

地方都市の朝にさえ貴女を思う


微熱

腹痛

結婚
 ....
今迄の僕は 
サラダにドレッシングを 
どばっとかけては 
じゅるじゅる汁を吸いながら 
緑の葉っぱを{ルビ咀嚼=そしゃく}していた 

ある日、寄ったレストランで 
出てきたサラダの器 ....
晴れた日はなるべく外に出るようにしている
昨日は心地よい快晴だったので
ベビーカーをことこと押して散歩に出かけた
布団を干してから、


何も変わらなかった
同じ道を同じように歩き
公 ....
ヨタヨタ ドッコイ フーラフラ
ノタノタ ドッコイ フーラフラ
トボトボ ドッコイ フーラフラ

見慣れて 歩き厭きた プロムナードで
でまかせの呪文を 呟きながら
(えび煎餅が焼かれるよ ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった

書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした

書こ ....
舌なめずりする男のもとに

女が契約書を届けにゆく

女の望みがいくつか叶えられ

男はその女を所有する

凌辱する

思い知らせる

ストックホルムシンドロームにより

 ....
雨は校庭にアマゾン川をつくる
午後の授業は眠たい
窓越しに校庭を見下ろす
あれはきっとアフリカ大陸
あれはきっとオーストラリア

あの川にはピラニアが泳いでいる
友達がいないから
わざ ....
死後の地獄は知らないけれど

生き地獄なら知っている

そんな無力や痛みなど

誰もが経験するだろう

それでもここは辛いのだ

残酷かつ心細さの果てなのだ


一緒に見た広 ....
戦場へ赴く男たちの頬は
どれも蒼褪めて
眼だけが真っ赤な
獣のようにぎらぎらと燃えた
そして一様に
目指しているのだと言う
その先には
膨張しきった黒い太陽があった
女は男の眼 ....
うっかりすると 本人も見逃しそうな 直立だった
それは闇夜のできごとだった
神技(かみわざ)の域

幾重にも 青天の霹靂が重なった年がつづいた 
ある新月の晩
カワウソが 岩の上 ....
紅茶だったり
緑茶だったり
ウーロン茶だったり

君と飲みたいものは
その時々で違って
正解があるのかすらわからないけど

丁寧に淹れる
きっと
その行為がすきなんだと
こんな夜 ....
熱い琥珀色の紅茶に角砂糖を溶かしましょう。睡眠薬がわりに疲れたミルクが、銀の容器のなかで一休みしていますから。
街は人のことなどまるでお構いなしですね。くつろぎの傍らを、電車が疾過していきます。カラ ....
ありがとうございます
すいません、じじいなもんで、見えねえや

喫茶店で
七十前後の男が小銭を落とし、
床に数枚転がった

僕は眼鏡をかけ、
床を見渡して百円玉を一枚見つけ、
男と男 ....
 
 
国境線の上に魚が死んでいた
線に沿ってナイフで切ると
両方の国から猫がやって来て
半分ずつ咥えて行った
近くでは国境線を挟んで
男たちがチェスをしている
自分の陣地は真ん中ま ....
時間の流れが早すぎて
いろいろなものを捨ててきた

捨てることが美徳のように
もてはやされているけれど

捨てることが輝くのは
大事なものを持っているから
だと私は思う

分別がつ ....
星星が散っていくように
人も散るもの
散るそれぞれの
方向にまた
凝固しつつある星のような一団が
待っている
流動してゆくことを
かみしめるいとまもない
すみれ色の軌道が
数百万 ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪の日に- 梅昆布茶自由詩21+13-1-15
ひとひらの雪- そらの珊 ...自由詩1513-1-15
すべての裏切りのうえに- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...413-1-15
天使の声_- 服部 剛自由詩10*13-1-14
アフリカの角- 板谷みき ...自由詩3*13-1-14
イエティ- 花形新次自由詩313-1-14
とんび- 寿 雪野自由詩3*13-1-14
離婚慣れ- 和田カマ ...自由詩4*13-1-14
浪人探偵団- 吉岡ペペ ...自由詩213-1-14
30年まえ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...313-1-14
成人式おめでとう。- そらの珊 ...自由詩10*13-1-14
包帯のような空の下- 村田 活 ...自由詩913-1-14
雨がもたらすもの- 朧月自由詩213-1-14
ひとり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...113-1-14
地方都市の朝- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...913-1-14
サラダの味_- 服部 剛自由詩3*13-1-13
書こうとしたことを忘れてしまって- あ。自由詩4*13-1-13
凍てついたサウンド__九- 信天翁自由詩213-1-13
書こうとしたことを忘れてしまって- 小原あき自由詩21*13-1-13
凌辱- 吉岡ペペ ...自由詩113-1-13
午後の授業は眠たい- 四角い丸自由詩8*13-1-13
許しあえる光- 吉岡ペペ ...自由詩713-1-13
黒い太陽- 衣 ミコ自由詩713-1-13
書こうとしたことを忘れてしまって- るるりら自由詩10*13-1-13
夜の飲み物- 朧月自由詩213-1-12
ティータイム- 月形半分 ...自由詩413-1-12
友情- 三田九郎自由詩2*13-1-12
国境スープ- たもつ自由詩813-1-12
破棄予定- 未完自由詩3*13-1-12
星の一族- 遙洋自由詩2*13-1-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216