私たちは夜道を歩いてる
月明かりを頼りに
遠い世界から雷雨がやってきて
私の両耳をあなたが両手で塞いでくれる
夜中に目が覚める
部屋の中で風が吹いてる
私の髪はまだ濡れていて
....
爪から
ほそい光がでるようになってしまった
愛されすぎですね
と
医者が言った
でもだれに?
という問いには答えずに
気をつけてください
光のぶんだけ
影がたまっていきますか ....
アルペジオの
階段を探して
一本のギターが
僕を立たせる
ざわめくノイズが
傷口を開けて
剥き出しの肌に
残響を乗せた
空気が割れて
破片を集める
この世界で
光を放 ....
ア、気息が冷たくなった。
夕空のコゲが美しい。
このダイダイの空腹。
迷子になった記憶はいつも鮮明。
まちがえ人が話しかける。
身内のだれかにするように・・・ ....
悪い夢を見ているようで
大切な友を亡くしたようで
ただ時の流れにいるんだなと
思っています
心にぽっかり穴が開いて
その穴を覗いています
思い出が消えてしまったようで
やっぱり ....
海の部品が落ちていた
大事な部品を落として
海は今頃
どこで凪いでいるのだろう
行方を捜すにしても
持っている地図は改訂前のものだし
海に関係する友達も
親戚ももういない
海を作っ ....
ふわっと地面におりてきて、
着地。
ああ、ここに貝殻があるわ、
と手にとって、
お日さまにかざして、
すかしてみる。
貝殻は、貝殻だわ。
わたしも誰かにとっての ....
端っこまでクリームの詰まったクリームパン。
そういう幸せが、君の人生に沢山ありますように。
誰かがいて
誰もがいなかった
隠れんぼのように
取り残された
神社の鳥居に
ブランコはない
バチが当たるのか
風が当たるのか
日常のノイズ
白く飛ばした
青春はまだ
....
きみとぼくは警察に追われている
ぼくは強盗をしたらしい
きみはその手引きをしたらしい
派手なカーチェイスがあり
奇跡的な突破があり
きみとぼくは南国の
テーマパークにどうにか
辿り着 ....
もう
これいじょう私を
厚化粧で
着ぶくれさせないで
そんな言葉
誰にも伝わるわけない
そんな
仮装行列で詩にしないで
海と空をうつした写真を逆さにすると
水の球がみえてくる
全ての検札がこれで済めばいい
非常階段の裏を踏んで
ただひたすら空へ
かけ降りていきたい時がある
近所に世界の果てが出来た
白いベンチがひとつあった
僕らはベンチに腰かけて
パストラミのサンドイッチを食べながら
突き当りで折り返して行く飛行機を眺めた
世界の果ての地面にも小さな虫はい ....
個人のつつましい民主主義が疲労して
つま先から順に夏に攪拌されていく
暮らしの行き先など
だれも責任を持たずに今日も花市だ
詩は円環軌道で経営され
詩は競争優位のためにイノベーション
....
灰色の街道沿いの
深く暗い井戸の底、
白く円かな女の顔が
微細に揺れ動きながら
切れ長の目を閉じ浮かんでいる
死んでしまった死んでしまった!
わたしは戦慄のうちそう悟り
隣で無表情に ....
道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に
道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に
工場の屋根の煙突が
白い煙 ....
昨日、落ちて行った欠片は
一昨日との間で見失った
今日、すれ違ったものは
いつか仲違いした誰かとよく似ていた
長雨に汚れた
川のほとりに腰を下ろして
彼らの急ぎ足の
旅を
老人 ....
神さまのぬり絵は芸が細かい。
僕の心に眠る花にまで色がついてる。
俺の家から歩ける範囲には
コンビニ スーパーマーケット
俺の家から歩ける範囲には
学校 郵便局
等がある
なのにどうして
俺の家から歩ける範囲に
天国と地獄がないんだよ
何を寝 ....
海王星と冥王星は今でも友達だろうか。
年賀状のやりとり、まだ続いているかな。
何でも同じ物を
持ちたがる
その心に飼える
羊の数は
あなたと私で
違うはずだった
怖い夢を見て
涙滲む夜は
助けに行くため
羊に乗るから
数えていないと
不安になるよ
....
人にいい顔を向けることが出来ないし
わるい顔もできない
被害者面ならできる
扇風機の羽根に
纏わりついた
綿ぼこりが
窓をすり抜けて来た風に
ほつれて
ふうわりと
フロアに舞い降りてくる頃
天秤座のワタシは一つ歳を取ります
プロペラを持っているのに
....
ラーメン屋さんで
割りばしが
綺麗に割れなかったので
死にたくなった
あぁ、なるとの渦に
引き込まれる
飛び降り自殺をするには
飛び降りる勇気と
死ねるという自信が
ないとい ....
どぶ川に浮かんで漂う人間のクズ
何処かで殺害されてから深夜に運ばれて川に投げ込まれた
と推察された
男には相応しい死に様だった 誰からも同情されないだろう
寧ろ犯人は称賛されるに違いなかった
....
不在にだって好奇心はありますよ
「植物たちの呼吸が羨ましい」
はじまりはその程度だったと思います
その程度のはじまりから
この身体にはひとりでに不在に返る約束が
しっかりとあるのです
....
生と死の狭間で虹を見ている。
気に入らないものは排除し、生きてきた。
気付いたら一人ぼっちになっていた。
男も女も居なくなった。
生と死の狭間で夕陽を見ていた。
目の前に ....
聞きたいことは
最後に何を食べたいか?
ではなく
最後に誰と食べたいか?
けれどもそんな怖いこと
誰も聞けない
本当のことは言葉にできない
それは言葉が未完成だからだ
詩人 ....
背後にひとり立つ木の葉群から
夏の終わりの蝉の鳴き声…ふりしきる
路面を歩いていると
ふいに 涼しくなった
見知らぬ誰かが
水をまいた道だった
私は、気づいていたろうか
いつの ....
月の夜にはからすが舞う
かけたままの心には蟋蟀が鳴いている
無垢な地図帳には地番がない
条件は
いつだって
みたされないものだ
要件は大概なおざりにされ
描き続けること
想 ....
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