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濁るよりほかに
生き延びようがなかったから
水を欲して、
水を求めて、
ここはさながら渇きの底
濁るよりほかに
明るい方向を知らなかったから
黒を試して、
黒を重ねて、
....
きっと、
数えきれない罪のうえにある私だ
きっと、
その甚大さに耐えられる私だ
それゆえに、
概ね後ろめたいのが、私の「ありがとう」
怪獣がすきだった
一生懸命に敗北へと向かう
その信念がすきだった
破壊される街も
逃げ惑う住民も
どうせフィクションだから
心配には及ばない
それなのに
怪獣の優勢が劣 ....
上手になりたいわけじゃない
練習なんかしたりしない
だけど、
いいわけしなきゃ
守れない暮らしがある
逃れる
技術のなさが
致命傷になることもある
上手にな ....
悪い噂は
広まりやすい
それが
己の護りになるなら
悪い噂はなお広まりやすい
悪い噂は
曲がりやすい
だれも
ほんとを求めないなら
悪い噂はなお曲がりやすい
....
断らずに済むのなら
だれも傷めず済むだろう
自分だけが傷めば済むだろう
弱音を吐かずに貫けば
士気は下がらず貫けるだろう
自分だけが背負う重みを貫けるだろう
....
たちのぼる
言葉と夜の境界へ
金魚がゆらり、にげてゆく
すべからく
広がりはじめる黒の祭に
あらがう手立ては
浅瀬にある
鮮やかで
にぎやかな
喪失のなかに
ある
....
弱々しい泣き声を自粛して
見上げる空に満ちるのは
サファイアの海
誰のものとも分かちがたい記憶の潮に
わたしは鼓動をそっと浮かべる
きれいな言葉も醜い言葉も
燃やしてしまえ、落 ....
貫いて、
まっすぐ空を貫いて
僕は僕の
生きてきた道を
証そうとしていた
この手を握りしめると
隠しようのない非力さが伝わって
けれどわずかに
意外な力も伝わって
....
十分に
勤めを果たした風よ
わたしのなかから
出ていきなさい
真直ぐ、迷わず、信ずるままに
うつくしい音を
連れて
うつくしい
音色となって
あたらしい風 ....
シロクマの
故郷と隔たるところに
わたしは住んで
いて
シロクマの故郷と
隔たらぬところに
わたしは住んで
いる
ニホンオオカミが
絶えてしまった時代に
わ ....
そっと
指にからめ取る粘液のなかに
胎動のような、ためらいが
ある
たやすくは
秘密裏に動けない総てのものを
固く透きとおらせてしまう
権力が、そこに
ある
良策かも ....
ふしぎな生きものが対岸におりましたので
わたしは急いで脱ぎました
なるべく丁寧に急いで
わたしはあらわになりました
しかしながら
湯茶の用意が整っておらず
先方はやや訝しげ ....
荒涼とした大地の上に
荒涼とした時空が
広がる
その
片隅を
写し取りたい些細な詞は
荒涼とした
影をなす
荒涼とした影の懐に
荒涼とした金属の
痕跡がある
....
白いひかりの内側で
やさしくもつれ合うものを
聴いていたかったのに
ただ、聴いていたかったのに
生きていてもいいですか、と問うよりも
生きていなくてはいけませんか、と問うほうが
....
希望という名の紙切れよ
希望という名の瞳に渡れ
誰かは無謀と云うだろう
或いは幼稚と嗤うだろう
希望という名の未熟さよ
立ち止まるがいい
思う存分に
希望という名の愚かさ ....
ほころんで、揺れて、
待ちわびて、揺れて、
愛されて、色づいて、
愛されたくて、匂って、
踏みつけられて、手折られて、
ずぶ濡れて、さらされて、
....
大きなお世話を
売る店が
だいぶ減って
しまったから
世の中は
だいぶ自由になって
他人の
一挙手一投足を
監視したり
嘲笑したりして
ときを
費やしている
....
あなたが
西日にうずめたものを
知るすべもなく
いまは昔
あなたが
見ていた向こうには
なんにも無いと思ってた
なんにも無いと
思いたかった
向こう見ずなあな ....
ひどく熱い台の上で
亡きひとの骨を
拾う
幼い
わたしを
抱き上げてくれただろう
腕をひとつ
もう二度と
わたしを呼ぶことのない
喉をひとつ
かつての命は
....
ひょい、と
放り投げた缶コーヒー
疲れた顔した
おまえはつかの間
あわてた顔になる
あわてた顔で
キャッチして
細く、
わらう
おまえの横に
しゃが ....
雨は
嘆きを代弁しない
風は
怒りを
代弁しない
おまえを語れる
他者はない
星は
だれをも照らさない
花は
だれをも誘わない
おまえは
....
ふところ広いあの人と
度量のちいさなあの人の
中ほどあたりが
わたしです
勇猛果敢な眼差しと
こわごわ逸らす上目遣いの
中ほどあたりが
わたしです
ひとの間に
ひ ....
わが子が泣くので
わたしはそっと抱きあげる
生まれたばかりの
からだを包む
そして
なるべく平易な言葉をかけて
わが子の視線の先を見る
ときに
わが子は泣きやまない ....
ささいな言葉を宛てるにも
勇気がいります
愛ならば
企まないで
ほしがらないで
ただ真っすぐに仰げたら
空は
味方につきますか
かぜに誘われて
かぜに残されて ....
過度な
やさしさを
憩わせましょう
つかの間のわき見に
我を返しましょう
欠けても月は元にもどる
満ちても潮は引いてゆく
もっとも深い
日向へ赴きましょう
....
お品書きに
あなたの名があった
あなただけが
それを知らずにいた
もしかしたら
わたしの名も同じように
あったかも知れない
あなたはそれを
思案していたかも知れない ....
Lucyさんの千波 一也さんおすすめリスト
(27)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
濁るよりほかに
-
千波 一 ...
自由詩
5
16-12-23
ありがとう
-
千波 一 ...
自由詩
3
15-11-3
怪獣がすきだった
-
千波 一 ...
自由詩
13
15-9-20
いいわけ
-
千波 一 ...
自由詩
5
14-11-20
悪い噂
-
千波 一 ...
自由詩
3
14-11-18
傷つくための選択肢
-
千波 一 ...
自由詩
4
14-10-2
金魚
-
千波 一 ...
自由詩
8
14-9-17
処方箋
-
千波 一 ...
自由詩
4
14-6-12
十字架の空
-
千波 一 ...
自由詩
6
14-3-26
アコーディオン
-
千波 一 ...
自由詩
5
14-3-13
さまよう息吹
-
千波 一 ...
自由詩
5
14-3-4
琥珀帝
-
千波 一 ...
自由詩
5
14-3-1
対岸
-
千波 一 ...
自由詩
6
14-1-29
無限
-
千波 一 ...
自由詩
4
13-3-29
氷点
-
千波 一 ...
自由詩
5
13-3-28
精悍
-
千波 一 ...
自由詩
5
13-3-20
花の一族
-
千波 一 ...
自由詩
7
13-3-2
大きなお世話
-
千波 一 ...
自由詩
8
13-2-27
向こう見ずなあなた
-
千波 一 ...
自由詩
7
13-2-26
遺骨
-
千波 一 ...
自由詩
7
13-2-25
放物線
-
千波 一 ...
自由詩
5
13-2-17
恥知らず
-
千波 一 ...
自由詩
10*
13-2-6
人間
-
千波 一 ...
自由詩
8*
13-2-4
たとえちいさな光でも
-
千波 一 ...
自由詩
7*
13-2-1
瑠璃
-
千波 一 ...
自由詩
7*
13-1-30
風の扉
-
千波 一 ...
自由詩
4*
12-12-26
膳
-
千波 一 ...
自由詩
4*
12-12-17
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