意識はふくらみ 肉体から浮き上る
こどもの手に握られた風船みたいに
実体のない 軽すぎるガスで ぱんぱんになった
自我――今にも破裂しそう(でなかなか破裂しない)
が 明後日の風に弄られる
 ....
ほこりをかぶっていようといまいと
食品サンプルは食べられない

蜘蛛の巣に囚われた
きのうの夜の雨粒たち
夕刻にはその存在ごと食べられて
また空へ還る

バナナの黒いとこは
食べられ ....
水色が
ながれてあおくなり
思い出を思い出していた
あなたのひたいを
光がとおり すぎて いく のを

窓があり 扉がある
世界には取っ手がついてなくて
うまくひらかない心の代わり ....
暗く淀む沼があって、
底のない沼があって、
死体でそれを埋めたてて、
若者達の死体で埋めたてて、
死体はどれも血まみれで、
瞳は濁って光が無くて、
なかには首が折れているのもあって、
そ ....
水面から突き出し露わにされた
見えざる岩の 固く 鋭い突端
流れを切り裂いて
空間を満たしとどまることのない
               行進を
                ただ白く  ....
食パンを食べてる時

最後に流し込むコーヒーが
妙に旨い

しばらくして

遠い昔の
朝の味だなって気づいた

冷え切った夜の部屋で
腹減ってたのか。


旨そうに

飯を食うな


悲しくなるから。   
縁側から見える風景は、タイヤの遊具とうさぎの小屋、小高い山と、その裏に生えているバナナの木。
住宅街のなかで息づくその空間の真上にはいつでも空空空空空空空空空空空空空空空空が流れていた。
目に飛び ....
年に二度バラを買う
六月と十月 ほんの数本ずつ
ずっと深紅のバラだったが
ここ何度かピンクだったような気がする

バラほど美しい花はない
見つめているとそう思う
自分のためには決して選ば ....
台風のあと散らずにいた
白い小菊の花びらの中に座り
濡れた髪など乾かしながら
やっとひとごこちつく
清涼な香りに
生き返るここちする

草むらで横たわった猫は
生き返らなかった
その ....
{引用=
ここには昔きよらがわと呼んだ細流(せせらぎ)があった



なにもしらずにおもいつづけた
 あなたには こよない日々があったとしらずに
なにもしらずにさがしつづけた
 あな ....
刀の{ルビ柄=つか}になりたかった
      かつて

 いまは
極小ビキニでありたい

真面目な話です
    詩についての




      《ちょっとだけ:2017年 ....
胸の芯がゆるゆる融けて
濁った冷たさと澄んだ熱いものが
混じり合えず争っていた
揺れる 琴線の 綱渡り
まばたきばかりが早足で
なみなみと杯は晴天を仰ぐ
降らぬ雨を数えてか
真昼の螢を追 ....
息子が初めて発した言葉は
ママでも、パパでもなく
はっぱ
    🍂

それでも伝わる
ことのはの世界へようこそ
ようこその
 
  🍂

   🍂
  
     🍂
  ....
同僚は羊
羊のくせに出席を取り
羊のくせに宿題を出す
羊なりにはものを考え
羊なりには会議で発言
羊なのに給料をもらい
羊なのにネクタイをしている
あるとき
夕暮れの屋上で呟いた
羊 ....
その頃どんなに目をこらして頑張ってみても
夜空には星と月しかみえず
ひとりでは
生きるってそんなもんだと今でも思っています

時計台のある北の街で感じた
そうでないひととき
その人は白い ....
 よく晴れた日、木の下に立って空を見上げる。
 くたびれた木の葉が太陽の光を受けてオレンジ色に透けていた。
 これほど美しい情景があろうか。
 溢れた感情がフレームに収まり切れずシャッターは ....
羊のいない街などに
住みたくはない

眠れない夜に
数えるものがなにもない

夜中まで起きていて
地球でたった一人になって
季節の星座に笑われる

地上に貼りついているものの
そ ....
目に見えないできごと
ずっと心のなかで燃え続けている炎が
目に見えない事象を照らしだす

人はずっと神々しく輝いていて
まざまざと見せつけるように
その才能を映しだしている

気持ちが ....
フルート 高く舞い 歌う鳥
音を置き去りにひた走る稲光のよう
冷たい朝明けの空に溺れながら
命からがら 寄る辺もなくふるえ
ふるえながら鳴き叫ぶ――旋律


切れた指先で描いて見せる聾唖 ....
私がいない朝
天使が泣き出すから
私はここに居てもいいんだ

私がいない夜
天使が眠れないから
私はここに居てもいいんだ

いつかは この世界を離れる日がくるけど
その日がくるまで
 ....
僕は一枚の紙

美しい物語が綴られるはずだった紙
だのに、その表面は虚しい無地のまま
降り止まない雨に打たれて
溶けだしてる



ある晴れた日、道行く人々が
ふいに風に舞う紙に変 ....
早朝の駐車場
誰かが捨てたごみ袋を丁寧に
カラスが広げている
コンビニ弁当の容器や紙クズを
ひび割れたコンクリートの上
器用に嘴を使って


秋晴れの清々しい空の下
目ぼしいものはな ....
  破壊と創造

あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なに・・・


   。




                                     ....
朝の古びた駅舎で
ペンキのはげた屋根上から
剥き出しの大きな電球が
辺りをそっと照らしている

ひとり、ふたり
音も無く通り過ぎ

これから街へ出てゆく、私も
何者かに淡く照らされて ....
帰るよ、とか
ケーキ買ったよ、とか
たいがいの報告に

ってひと文字で応える

それは、了解ですの意味だって
わかっているけど
少しさみしいから
り、り、ってコオロギかよ!
って ....
ひと晩中
雨が降ってる

長い夜を
長い雨が
覆い尽くして

時が
止まったみたい

許すよ

とか

許さないよって秋の会話が
心の中に始まって

私は目の前が水浸 ....
止まない雨のせいで
人の心が落ちてく

深い水底に
ひとり

またひとり
ゆっくり沈んでいく

かかる電話は悲しい知らせ

孤独と孤独を結ぶ線のはずなのに
聞けばもっと孤独にな ....
手稲山の頂辺りに白いものが見える
――書置き 今朝早く来て行ったのだ
見つめる瞳に来るべき冬が映り込む
雲間の薄青い空
氷水に浸した剃刀をそっと置かれたみたいに
張り詰めて でもどこか 痺れ ....
県道沿いの山は粘土質だ。
いつも湿っていて、
一歩ごとに靴底へべったりと張り付く。
私は墨染みた卒塔婆を背負っては、
暗き夜に忍び歩く。
夜露は私の身体をぬらす。
ぬれながら、泥で汚れなが ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
極めて人間的- ただのみ ...自由詩15*17-11-8
食べられるもの食べられないもの- そらの珊 ...自由詩12*17-11-8
とって- はるな自由詩517-11-5
埋めたてて- 渡辺八畳 ...自由詩517-11-5
流時紋- ただのみ ...自由詩18*17-11-4
オーパーツ- ガト自由詩6*17-11-4
Stray- ガト自由詩3*17-11-4
保育園の頃の記憶- 宮木理人自由詩317-11-3
十月の薔薇- ただのみ ...自由詩10*17-11-1
花暮らし- そらの珊 ...自由詩17*17-10-30
きよらの賦- 宮内緑自由詩9*17-10-30
ちょっとだけ- ただのみ ...自由詩12*17-10-28
耐え切れず- ただのみ ...自由詩6*17-10-28
うれしい悲鳴- AB(な ...自由詩817-10-28
羊の同僚- やまうち ...自由詩5*17-10-28
さくらいろ- 犬絵自由詩217-10-28
秋の名残り- ヒヤシン ...自由詩8*17-10-28
羊の街- やまうち ...自由詩317-10-27
心の炎は- 電光石火自由詩317-10-27
アンサンブル- ただのみ ...自由詩4*17-10-25
ここに居る意味- 無限上昇 ...自由詩517-10-24
僕は一枚の紙- まーつん自由詩10*17-10-22
ルールとマナー- ただのみ ...自由詩9*17-10-21
junk_box- 空丸自由詩1217-10-21
照明灯- 服部 剛自由詩417-10-20
ただいま- 佐野ごん ...自由詩7*17-10-20
水と水の間- ガト自由詩4*17-10-19
光の回路- ガト自由詩9*17-10-19
白髪の朝- ただのみ ...自由詩14*17-10-18
卒塔婆を背負いて山をゆく- 渡辺八畳 ...自由詩1217-10-18

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