きみは阿片を吸ったことはある?
もちろんないよね当たり前だよね
ぼく?
答える必要はある?
答えて欲しい眼だね
香港でね一度だけ
でも阿片窟に辿り着くまでは
大変だったしお金も遣 ....
胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
くるくると 青空に放ってみた
跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた
迎え ....
君は強いねと言うから
そうかもねと答える
弱さに溺れる人は本当は強く
あなたのような人が本当は一番弱いのかもしれない
私は強い。
働いてるから、とかいう労働者を私は殺すし
勉 ....
あなたのこのみはなんだろう
と、おもいつつ
たまごを割り
しろみ
と
きみ
にわける
よく冷えた銀色のボオルに、ひしゃげた顔がうつり
かしゃかしゃと、撹拌されていく
こんげつのつ ....
ことばよりさきに
脱ぎ去れない肉体を持って
取り乱す
見上げれば
木漏れ日が
からだを斑に染め
赤と緑に、網膜が灼ける
わたしは、うまれてしまったのだ
あかくふよふ ....
鳥はなぜ逃げない
足下に 跳ね回る
逃げないが 近寄らない
近寄らないのに 逃げもしない
小さな雀
鳥は なぜ逃げる
逃げるのに また舞 ....
息子が帰り支度をするのを見つめながら先生からきょうの息子の様子を聞いていた。
お礼を言って先生にぼくは微笑み保育園を出た。
ぼくは笑顔をよくほめられる。あるとき仲間に黒人であることの利点を ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標
抱擁されるまま
冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
古いデパートの舞台裏、
職員用通路の片隅に、
忘れられかけた物置がある。
狭く、薄暗いその部屋には、
用済みになった小道具が。
埃をかぶったハンガー、
古い ....
猫が転ぶとき
そこには道路と猫とわたしがあって
あたかもおのおの一番遠いもの同士のよう
二月にふる雪はぴらぴらとして細かく
手のひらにのせるまもなくとけ消えてしまう
ひとひらひとひら ....
たくさんのベランダは ひかってる
さかなの呼吸のようだと おもう
ひとすくい ひろって
あきらめて 放す
ぼくらはヤドリギを しってた
ひりついた アゲハの細い ....
ざぶとんにのせた言葉がいききする
母との旅行
ゆきが
遠慮なしにふりつける
にたような二人に
しあわせか
ふしあわせなのかなんて
かんたんにけつろんづけないでほしい
ふゆが
とうめいなしっとをかかえて
こいがしたいなんてまだいえない
だれかがきみに
らしさをのぞんでいるよ ....
僕は夢を見ているのかもしれなかった
オーディオの雑誌を ぼんやりとめくり続けながら
自分の持つべきオーディオシステムの構成について思いめぐらす
そうしている 僕自身は 凡人なのだが
理想と ....
あなたの胸に、耳をつける。
はらはらと
降りつもる、ゆき。
さいげんなく現れる、ぶあつい雪片。
あなたにふれた手のひらが、やはらかく折り重なり
何層にもなってゐる。
ぼくのも、知らないひと ....
君がスクイズバントをする
僕は必死に走って
無人のホームに帰ってくる
振り返ると
一塁線上を走っていたはずの君は
どこにもいない
野球に譬えるとそんな感じだ
見えない君の ....
わたくし獰猛な檸檬 チューニングするチュー リップ
いいかげんの はちゃめちゃさで
いい加減をさがしてる
わたくし球体ですの
清潔な球体の切り口 ビタミン ....
0次元
面積を持たない点は哀しくて
あられのようにパラパラと降りそそぐだろう
なんのうえに
1次元
線虫となった哀しみはのたうちまわって
それでも面積を持てない
2次元
....
死んだ魚の隣で
ビニールの袋の中で
スケルトンな体をくねらせて
白魚は泳ぐ
その臓器の あまやかなピンク色は
ゆるされている時間の刹那を泳ぐ
なにやら虚無からの出立や ....
ごすいって
ひすいに似たような
石
たおやかに
睡り続ける
午後
もくもくと
宝石になる練習をしよう
纏足の爪先から
あたたかな成分が溶け出していく
あらがえない{ルビ麻薬=レ ....
のどが痛かった。激痛レベルだった。痛いところがあると身動きのとれなくなる自分がいた。
ベッドで薄暗くからだを丸めながらのどの痛くなかったころの自分を思い浮かべた。
英雄色を好む、あのころ自 ....
やだと言えない
じぶんが悔しい
やだと言っても
どうどうめぐり
日常があなたを
くるしめるのが
長生きしてくれ
元気でいてくれ
傷つくことより
....
ソリティア
白は孤独
白は正しく
やがて 汚れる
自分を守れ
と
私は言いたい
逃げて
逃げて
ぶざまに
転んで
泥だらけ
スーツも何も
あったもんじゃ
ないん ....
地図は自由だ
どこへも行けない僕よりも
世界を知っている
時々
どうしようもなく泣きそうで
どうしようもなく苦しくて
息が詰まりそうになる
そんな時
地図を広げて眺めるんだ
自分 ....
G7先進7カ国の
時間給会議が
本日AM5:00
高田馬場駅前に
停められた
トラックの荷台で
行われた
各国の代表者は
一日目の議題
これから始まる
長野県でのダム工事の
時給 ....
パラシュートをテーブルに括りつけて
父が天国に行く練習をしている
深緑色のグレープフルーツを剥いたりして
僕は君ともう少し深刻な話をしたい
すべてがシンメトリーになれば
人 ....
ねえ みんな聞いてよ
昨日も行ったんだけど
今日も行くの
大きな病院に
朝食抜きなのに
思わず食べそうになって
あわてたわ
とりあえず薬は飲まなくちゃ
メイクする気にもなれず
....
小さな水たまり
暗い冬空を映して
薄氷が張っている
メリ…メリ…メリ…
靴底で踏みつける
ヒビが広がる鈍い音
囚われた心と身体
メリ…メリ…メリ…
....
自分や自分の愛する人が
明日隕石に当たって命を落とすとは
恐らく誰も思わないだろう
だから
いつも通り私達は
目の前の人にお休みを言って
今日という日を
当たり前のように見送る
あ ....
結婚式に300万かかるという話を
ハンバーグを食べながら聞いた後
ムータンのことを考える
かわいいし
たぶん
へいこうせかいだと
いっしょになれたけど
へいこうせかいじゃないから
むり ....
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