黒にひかりがまじりだすと青になった
しばらくすると青がうすまり白くなった
ピンクやオレンジに雲は染まった
ただそれだけで互いに好き合っていた
からだひとつ、ただ寒いと感じていた
ぶるぶるぶ ....
それは無責任さから来るものではなかった
ちあきなおみが黒人霊歌の奈落のとばりに
サマータイム・・すっと立って歌っていた
夏の粒子のような湿度と暗闇
わたしはたましいを遊ばせる
いいことなん ....
おまえ
仮面ライダーを名乗ってるけど
よく見たら目のとこ
メッシュになってるから
大体誰だかわかりそうじゃんか
えっ?
ライダーじゃない?
ヲイダーだ?
わらかしよんな
....
人からたまに言われるさ。
「いつも楽しそうですね」
「ちゃんとしててすごいですね」
「きれいにしてて素敵ですね」
・・・etc.
もうちょっと近づいて、よく見てご ....
は罪
は泥棒のはじまり
が重なり身動きがとれない
三昧の・・・
も方便
でもイイから
は嫌い
嘘だとおもったら、人間でした。
ほんの小さな子どもだった
たぶん五歳くらいだと思う
私は明確な意思を持って
嘘をついたことがある
――お母さんの背中だった
月が出ていた
星も見える
風はとても冷たい
凍てつ ....
いい格好しなくていい
むしろ
ちゃんとしているとつまらない
ちゃんとしない人生を生きる勇気はないけれど
せめて
目も口も鼻も
とんでもなく
へんてこにしたれ
おかしくしたれ
ぶっちぎ ....
正しいことってどうして
こんなにも傷つける道具になるの
間違い探しを習った
学校のせいにしたい
みんなとは別の方向が
いきたい場所だと決めて
歩けば勇気にかわると信じた
あの頃の ....
カラスみたいに
どこにいても不思議じゃなくて
どこにいてもかまわれなくて
嫌われてても
黒でいることをゆるされている
そんなお前がうらやましいと
こっそりいつも
思っている私がいるこ ....
雪なんて当たり前だった幼い頃
道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ
一階はすべて雪の壁だったこと
なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで
物流の届かない ....
雪は
ひとひらと数えます
ひら、ひらと
落ちてくる様は
心がなにかを探しているようで
雪を
ひとひらと数えます
ふたひら
みひら
あとはもう数えるのは止めました
あ ....
裏切りには理由がある
理由のない裏切りには寄り添うが
理由のある裏切りには訣別する
それが自然なことなのだ
すべての裏切りのうえに雪が降る
雪はすぐ汚れてそのまま凍りつく
さあ、滑らぬよう ....
帰りの電車に揺られながら、頁を開いた
一冊の本の中にいるドストエフスキーさんが
(人生は絶望だ・・・)と語ったところで
僕はぱたん、と本を閉じて、目を瞑る
物語に描かれた父と幼子を ....
見たことも聞いたこともない
知らない国の痩せている土地に
稲を植えに行って
雨が降らなくて水に困り
そして
稲作を諦めた老人が
土に合う野菜を作ることを思い付き
風土に合う畑作に試行錯誤 ....
雪女は
約束を破った
夫と子供を残し
消えてしまったりして
物悲しいこと
この上ないけれど
それに引き換え
雪男は
巨大な足跡が
人間のものとは思えないとか
落ちてた体毛が異常に長 ....
笑顔でありがとうと
言ってくれたあなたを
冷たいと思ってしまった 私はうたぐり深く心の狭い人
世渡り上手に憧れて
今日もとんびは大空飛ぶもタカにはなれず
ただくるくると旋回してる ....
嫁が頭が痛いと言うから
頭痛薬を飲ませようと寝室の引き出しを探していると
なんとラブホテルの割引券が出てきた
問い詰めてみたら、すぐに逆切れして
「わかった、わかった、離婚したら良いんだろ ....
悲しくてかっこよかった
予備校生
それは生き方のような季節だった
探偵という職業も
そのようなものだとなにかで読んだ
だからあの頃ぼくらは
浪人探偵団だったのだ
....
30年まえ観た映画と再会した
30年まえの日本だ
撮影現場の600キロむこうに
ぼくはぼくの轍を探していた
あの頃の湿度
遊園地の風
蝉のしたの日差し
ぼくはあの頃今よりもひどかった
....
大人になったら
幸せが飛んでくると思っていた
けれど
幸せの羽は飛び去るためにも存在する
大人って
幸せにちゃんとさよなら、できる人
世界中の男女とセックスフレンドになりたい
だけど今すぐひとりぼっちになりたい
たぶんどこかがぶっ壊れているのでしょう
たくさんのひとに迷惑かけてきました
たくさんのひとをこれからも裏切るで ....
人の気持ちになんか
なれるわけないじゃん
なのに
雨がふると反省の気分になる
浄化されそうです
うちがわのドロドロなんて
ほおっておいてと
いいたいけど 少し心地よかったり
....
ふたりで街を冷やかしながら歩いていた
幸福というものがあるのなら
そんな時間や音や風のなかにあるようだった
ちいさなものからおおきな景色まで
ふたりに冷やかされるものは無限のようだった
それ ....
あたりまえのように朝があった
朝という名前
朝でひとくくりにしてしまうと
それは陳腐だ
愛とひとくくりにしてしまうと
解釈だらけだ
地方都市の朝にさえ貴女を思う
微熱
腹痛
結婚
....
今迄の僕は
サラダにドレッシングを
どばっとかけては
じゅるじゅる汁を吸いながら
緑の葉っぱを{ルビ咀嚼=そしゃく}していた
ある日、寄ったレストランで
出てきたサラダの器 ....
晴れた日はなるべく外に出るようにしている
昨日は心地よい快晴だったので
ベビーカーをことこと押して散歩に出かけた
布団を干してから、
何も変わらなかった
同じ道を同じように歩き
公 ....
ヨタヨタ ドッコイ フーラフラ
ノタノタ ドッコイ フーラフラ
トボトボ ドッコイ フーラフラ
見慣れて 歩き厭きた プロムナードで
でまかせの呪文を 呟きながら
(えび煎餅が焼かれるよ ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった
書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした
書こ ....
舌なめずりする男のもとに
女が契約書を届けにゆく
女の望みがいくつか叶えられ
男はその女を所有する
凌辱する
思い知らせる
ストックホルムシンドロームにより
....
雨は校庭にアマゾン川をつくる
午後の授業は眠たい
窓越しに校庭を見下ろす
あれはきっとアフリカ大陸
あれはきっとオーストラリア
あの川にはピラニアが泳いでいる
友達がいないから
わざ ....
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