残念な目的を果たすため乗ったバス
次の停留所を伝える声が
なんだか常世のひとみたいだった
このままあちらの世界へ
引っ張っていってくれてもいいのにと
願いかけたのに降ろされた現世

 ....
ぬれて可愛い犬のあたまを撫でてやる
自分の手が よいもののようにみえてくる

ほんとうのことを言っていればいいと思っているひとのとなりだと
まるでほんとうでないように見えるわたしの手が
 ....
速度は一定がいい
そんなに速くなくてもいい
あんまり遅くない方がいい
目をつぶらずにいられるくらい
微かに向かい風を頬で受けるくらい
しばらくこのままで進みたい
赤い目をしていま
なにを読み
どこを跳ねるのか


あなたは謀った
{ルビ和邇=ワニ}たちの背を戯れ跳ねながら
目指すところへ近づいた時(それは幻想だった)
傲りと嘲りが
鈴のように ....
  薔薇の花をおくるよ
  ふかく悲しませたあとに
  気にしないでときみは言うけど


  鋭いナイフをおくるよ
  歓びをわけあったあとに
  面倒な人、ときみは言うけど
 ....
雨のおとが体に刺さって下に抜けて行く
その先のまちで

男が酒を飲んで煙草を吸い
女が風呂に入り石鹸の香りを嗅ぐ
花は季節に散る

どうということもない
あたたかな食卓が
どれだけに ....
僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟 ....
誰もがみんな、まっ逆さまに死んでゆく
僕は絶望に呑まれて立ち上がる事もできない
死んだら十字架は要らないから棒かなんか差しといてくれ。地面に。
血腥いジャズで朝までウヰスキーを飲む。安い女が話し ....
頭と骨と鰭を付けた鯉が
泳ぐのを見た
首を落とされた鶏が
庭を走るのを見た

背骨のない蛸が泳いでも
背骨を抜いた鮎は泳げない

骨牌のような積み木(ブロック)が
髄で繋がっている背 ....
【新】

手と手と てとてとてと かさなりあって音がする
足と足  大きな靴のなか小さな足が とてとて動く
とおい日の かげが
わたしを追い抜こうとして とてと 立ち止まる

冷蔵庫に  ....
誰の手にもとられずにずっと沈んでいる本がある。
本のなかにのめり込んで沈んでいる人もいる。
人から人へと貸し借りされ、ずっと泳ぎ続けている本もある。
本たちの上を楽しそうに泳いでいる人もいる ....
にんげんはいでんしののりものだってさ
きみもぼくもいでんしののりものならば

でもぼくはきみのいでんしをあいしているわけではない
きみのえくぼがとてもすきでいつまでもみていたいから

何日 ....
速度を脱ぎ捨てては
肌から新しい速度が広がっていく
夜の残響は低く厳しく
朝の前奏は遥かに
誰かが投げ捨てた栄光を
誰かが見失った感性を
拾い集めては燃料として焚く
このひとつの大気の横 ....
もうこの世にはいないように
白い墓標の文字を眺めている
すると小さな手が払いのけて
絵本を読んでとせがんでくる

漂う意識は
もう我が子を眺めるしか
楽しみがないのかね

幽体離脱を ....
同じ道を歩いた
くり返し歩き
くり返し問い
くり返し答え
水の写経のようになにも
こころの所作だけが
ただ――


くり返し祈った
石の中のロザリオ
沈黙の塵は満ちて
尚も空白 ....
一度間違えてしまったのだから
何度間違えても同じことだろう
そう思って暮らしていると
次第にばったのような顔になってくる
顔がばったのようでは外にも出られないので
その部分を消しゴムでこすり ....
母がぼくの肩に交じり
ぼくはぬるいお茶をこぼす
夢をも一度
ハ行に注ぎ入れて
湯気を吹き
そっとすする

ほら お食べ
銀のお椀に
盛り切れないほど いっぱいの
夢だよ
飲みきれ ....
吐き気を催すほどの閉塞感
我慢をし過ぎるなと常に言い聞かせているのに
自分でも上限を認識できないらしい
まるで他人事のようだ
優しい気持ちをどこかに置き忘れて
目の前をすべて遮断する
独り ....
かん高い声の騒ぐ言葉が部屋中を這いまわっている。声の主は女と女なのだが、女と女は椅子に座っていて向かい合ったちょうど真ん中にテーブルに載った紅茶とポッド、そしてナイフで取り分けたそれぞれのビクトリアサ .... 月曜日に来た人は とても穏やかな顔をして
私の頭を撫でてくれました
月曜日に来た人は 火曜日には火遊びの仕方を
私に教えてくれました
月曜日に来た人は 水曜日私の小言を片付けて
流 ....
全か無かになる前に
全から少しだけ引いてみる
自分にはこれだけできるはずだ
という根拠のないプライドが
少しずつ擦れていって
それでも切れることなく
切れないためにも
苦笑いして
何か ....
おもいでのまちをとおりすぎて
おもいでのまちにかえる

おもいではとうにうせてあきのそらがひろがる
なんだかかなしくてくちぶえをふいてみる

おもいでのいちばではなにをうっているのだろう
 ....
――雲が早い
と思えば雨か
秋らしい振舞に
朝からおまえと飲みたくなる
なすがまま
なされるがまま踊る木々
つめたい雫
鼻先に最初のひとつを感じた蛇が
暗い岩間にすべり込み
ただじっ ....
手にしていたのは
小さなひしゃく

星が消えた途方もない夜は
蛍を連れて

そしてたどりつく水源の
ほとりは

どこへつながっているのか
どこへもつながっていないのか

汲み上 ....
目の前に見上げるような高い山がそびえている
あんな所まで登れるだろうか
と思っても
一歩一歩あるいていけば
いつの間にか頂上に着くから
不思議だ!
僕はこの一歩一歩を大事にしている
登山 ....
土の付いた相撲取りは皮むき器で皮を剥き、お好みの長さに切り揃えます。
しばらく水にさらしてあくを抜きましょう。
熱湯で5〜6分ほど茹で、水気をきります。
しばらくおいて粗熱が取れたら、肉襦袢を巻 ....
神さまがいたらいい
いるのかな
いてほしいけど
いてくれるって思わないと
もう無理なところまで来てる
、脅すわけじゃないけど
実はもうすでに
(間違えたやり方だと
心の底のどこかで
 ....
ものは
たたいたらへこみ
もとにもどらない

からだは
たたいたらはれるが
いずれもとにもどる

こころは
たたいたらヘコみ
そのあとにハレる
激情を極め
静けさを極め
祈りながら認識し
認識しながら祈る

この飢え切った界で
この哀しみの界で
導かれ 諦め
静謐に包まれ


光り輝くあの日の君を 僕は決して忘れない
少し歩くと嫌な汗をかく
そして自覚する
未だ完治してはいないのだと

だからと言っていつまでも
休んでばかりはいられない

目眩を
吐き気を
催しそうになりながら
へたばらずに過ご ....
Lucyさんのおすすめリスト(6448)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ところにより- Seia自由詩216-9-25
ぬれた犬- はるな自由詩516-9-25
ナビゲーション- 坂本瞳子自由詩2*16-9-24
うさぎのダンス- ただのみ ...自由詩10*16-9-24
花束- 草野春心自由詩416-9-24
台風の夜の音重ね合わせて- 田中修子自由詩12*16-9-23
当り前- nonya自由詩17*16-9-23
鎖のない犬の酒- TAT自由詩4*16-9-23
backbone- イナエ自由詩5*16-9-22
新涼灯火_(三篇からなる_オムニバス)- るるりら自由詩7*16-9-22
海みたいな図書館- 水宮うみ自由詩6*16-9-22
いでんし- 梅昆布茶自由詩516-9-22
朝のバス- 葉leaf自由詩216-9-22
絵本- 5or6自由詩5*16-9-22
ホルン- ただのみ ...自由詩12*16-9-21
ばった- 春日線香自由詩516-9-21
母がぼくの肩に交じり- オイタル自由詩5+*16-9-21
ソリチュード- 坂本瞳子自由詩3*16-9-20
騒ぐ言葉_★- atsuchan69自由詩6*16-9-20
月曜日の人- 為平 澪自由詩10*16-9-19
黒曜石- ららばい自由詩3*16-9-19
おもいで- 梅昆布茶自由詩1416-9-19
敬老の日に何ら敬うこともなく- ただのみ ...自由詩6+*16-9-19
ほとり- そらの珊 ...自由詩9+*16-9-19
登山- zenyama太 ...自由詩216-9-19
今日のおかず_簡単レシピ- 六九郎自由詩2*16-9-19
ちいさく云うけど- もっぷ自由詩516-9-19
たたいてハレる- イオン自由詩2*16-9-18
高貴- ひだかた ...自由詩716-9-18
今宵は- 坂本瞳子自由詩1*16-9-18

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