おだやかすぎる静止画
雲さえ止まってる
コンビニまでならんで歩く
とうに背を越していった娘の中に
小さな娘が見え隠れする
つかまらない鬼ごっこ

今日の空から降ってくる光は
束になって ....
{引用=冬の朝顔}
白い背表紙の本を開くと朝顔の種が落ちて来た
種は発芽して瞬く間にわたしの妄想に絡みつき
ひとりの女の形を編み上げると濃淡を宿す紫や白
水色やピンクの花を幾つも付けたのだ
 ....
ぼくはむかし介護士だった
昼食の介助
と言ってもどこにどんなおかずがあるとか
箸はここで飲み物はこっちです
とかの簡単な介助
をたまたま受け持った時のこと
Kさんは朗らかに話をしてくれた
 ....
色々なものを抱えた人らが
集まってきて一同にかいするのが習わしだ
そしてあいさつをする
今日一日の段取りの説明やらがされる
ホイットマンはたしか
詩に、なんで我々は互いにすれ違いざまに交接し ....
破片が総合される月には
僕はたぶん接ぎ合わせるために

ちっちゃな経理係を呼び起こして
ちょっとだけ仕事をしてもらう

小欲知足
サブスクリプション

仮説と証明と検証
とってお ....
古いジャムの香り
おれたちの
もう二度と出せない声
無知ゆえの
喜びに
満ちた…

鎮魂歌は鳴りっぱなし
奏者には
もうどんな思いもない
ただ
指揮者がタクトを下すまで
手を止 ....
{引用=生者と死者}
安全地帯の植え込みで
ラベンダーは身を縮める
風花の中
一株一株寄り添うように

周囲には細く背の高い
雑草が取り巻いている
枯れ果てた骸骨たち
立ったまま風に ....
ラムネって
響きが好きよ

夏の広い空や
夏祭りや
風鈴の音や
懐かしいことを思い出す

今は飼えないけど
いつか猫を飼って
ラムネって名前を付けたい

透き通った
空のよう ....
雨戸を閉めようとすると
足音もなく猫がやってきて
そのレールの上に座る
木製のレールは
約束されていたようにすでにささくれだっていて
座り心地はおせじにもいいとはいえなかったろうに
猫は
 ....
風に振り回され
壁にぶち当たり
人に踏まれ続け
雨にびしょ濡れ

僕は誰にも読まれない詩

優しいおばさんが
ぐちゃぐちゃの僕を拾うと
めんどくさそうに広げ
外れた鼻眼鏡で
じー ....
星の残骸を
ひろってきて
テーブルに載せ

みしょー
と書く

みしょーの絵

ってどんな絵か
よく知らないけど
なんにもなくて
おひさまがある
そんなのが
みしょーな ....
月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか

青、蒼、碧

陽光余りに眩しいこの真昼

俺の ....
{引用=銀杏一葉}
フロントガラスのワイパーの圏外
張り付いた銀杏一葉
冬の薄幸な日差しに葉脈を透かして

用途を終えて捨てられた
ひとひらの末端 美しい標本
飛び立つことはないはずなの ....
麻の半袖ワンピースを
さっぱりと洗い
捨てる時を伸ばし伸ばしにしていた
サンダルに永遠の別れを一方的に告げる

風鈴は日曜日の新聞紙でくるみ
青いペディキュアを消す

扇風機の薄い羽根 ....
今。

今火葬場なんですよね。母が亡くなりました。

コロナ禍での入院なので、あんまり会ってない。6月のあの夜、急いで実家に帰った時から、ぼんやりわかってた。緊急入院。カテーテル治療。でも、あ ....
{引用=うつけもの}
わたしの頭は憂鬱の重石
悩みの古漬けぎっしりと





{引用=しゃくりあげて}
願いは鳴いた
言葉を知らない鈴のように
子の骨を咥え 風の狐が走る
芝 ....
がらんと、芯が
落ちた鉛筆。

そばにころがっていた、
ボールペンをアナトミア!

芯を、がらん洞化した
鉛筆の穴に異種結合。

ささっと、
代筆業再開す。
月の灯り陽の光り

誰もいない銀の馬車 

不幸など誰が予測できるだろう

誰も予測できないから不幸ではないのか

あの人たちも

傍らで見覚えのない家族が啜り泣いている

 ....
西大路五条のロームのイルミネーションが
クリスマスを飾る季節が来ると
僕らはいつも冷たい空気に
羽を震わせながら巣籠もりして
ローソンの食糧を買い貯めて
ぷるぷる震えながら
やがて来る春を ....
小さな声しか
聞こえなくなる
まるで自然の中に
生きているようだ
空の始まりに合わせて
心が広がるなら
あなたと一緒の
世界を描くでしょう
時間のつま先で
揺れるカーテン
朝と夜を ....
スーパーに
ラミーがおって
バッカスも
いると愈々
冬だと思う
昨日の雨が水たまりのまま凍りついた海沿いの二車線は
曇り空の下で果てしなく寒々しく
わたしはブーツの滑り止めの具合を確かめてから
葬列の最後尾に着くみたいに歩いた
水平線は薄明りと虚無に飲 ....
伝えれば 伝えるほど
孤独になっていくんだね

吐き出して 楽になるのは
臆病者なんだよね

その軽さに相乗りして
ふざける奴もいるだろう
注意するのは身の危険だ
賢者は黙る
やり ....
傷のない明日の西陽を
寒くない風も 一緒に
蚊に刺されながら吸った ベランダで
脳みそをごまかしてる意味という意味を
取り出して木彫りにした
明日の夜見る夢に三色ペンも
蝉に鳴かれながら拾 ....
むなしい
と声に出ることはなく
ことばは秋に静かに枯れていき
地面に落ちては
たくさんの足音に踏みつけられ
悲鳴にもなれず
冷たい風にたやすく飛ばされる

ここで
ここで腐りたくはな ....
{引用=湿度計}
乾いた悲哀に触れる時
こころは奥から浸みてくる

湿った悲哀は跨いで通る
乾いたこころが風を切る





{引用=〇〇主義に痴漢する
 Ⅰ}
知識は雄弁で ....
Mrs.アリスの物干し竿には
百年前から着古したシャツやらが
のんきにぶらさがっている

逃げたカナリアの幸せを祈り
野良猫は低く鳩を狙う
公園はひっそりと
今日も来ない子どもを待ってい ....
実家の方角から、炊き込みご飯の炊ける薫りのしたような。
晩秋の寂しそうな母の背が、硬い根菜を刻んでいたような。
雷を髪に飾ることはできる、とあの人は言いました。
プラスチックの黄色い髪留めのことかと思いました
あるいは単なる冗談なのかと

朝食は取らない主義で
それはお腹が弱いから
薄紫の傘が立て掛 ....
 
  {引用=みずうみに
釣り糸をたらすと
うつくしい皺が外縁へむかい
逡巡をひろげていく

魚のいない惑星では
玻璃でできた液体はとてもあおい

水べの図書館の閉架には
魚偏で ....
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寒波と二日酔い- ただのみ ...自由詩6*20-12-20
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雷を髪に飾ることはできる- ふるる自由詩14*20-10-28
幻想と歴史- 道草次郎自由詩13*20-10-27

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