「もう一度やりなおしましょ」
ソファの隅、二度寝になりたい きみ
流行を気にしなくなったぼくは、
流行からも気にされなくなったらしい、
から、
たまにはふざけていいんだぜ、正直なデジタル ....
{引用=*筆者より―― 旧稿を見返してゐて、本フォーラムに掲載してゐなかつた作品があることに気付いた。以前のアカウントを消して以降、復帰するまでの間にかいたものは随時掲載していた積りだつたがどういふわ ....
ピックガードにトリがとまっている
博物図鑑から飛び出してきたような
ハルなんだから
もうハルなんだから
ライト・ゲージで
8・ビートで
送りの歌でもかき鳴らそう
ハードな ....
あの春から この春がやって来た
馨りはまだ手のひらの上
ふわっと小さな宇宙を乗せて
ここへ ここへとやって来た
呼び覚まし 瞬間にカチッとアルバムにはまる
大事な 大事な一期一会を刻んで ....
幸せだなって思いは誰のもの?
自分のものだよね。
あの野郎!って怒りは相手のもの?
いえいえ自分のもの。
....
私は
意地の悪い傍観者だから
ヤバそうな案件からは
さっさと手を引く
自分でさえ
何一つまともになりゃしないのに
一つ一つの人生を
ひとりひとりの歴史を
どう変えられる
....
今 触れてはだめ
六番目の勘が囁くままに
突き止めようとする指を戻す
峠越えの山道を運転しながら
闇を縫って光を探した
開きかけた何かは
古い本のように堅く閉じて
忘れら ....
場所を変えても同じ
人を入れ替えても同じ
自分が
動かなければ
世界は変わらない
いつもなんとなく突っ立って
ああ狭いなって
言ってるだけだから
私は
終わりの始まりは
10歳になった猟師の息子が
父親の古いライフルで
森の木の枝のフクロウを
撃ち抜いた時だった
息子は父親を振り返り
やったと笑い
獲物から最後まで目を離すん ....
母のお墓は沖縄にある
もうしばらく行っていない
妙に血が騒いで
沖縄の足元に近い青空を思い出す
久茂地交差点 よくニュースに出てくる景色
那覇で語ったことはなかった
自分にしか関心がな ....
誕生日おめでとう
私はだんだん私ではない何かになっていく
その姿をあなたに見ていて欲しかった
止めて欲しいとか
哀れんで欲しいとか
そんなんじゃない
私は
私が変容するさまを
あなたに ....
春ちかい穴ぐらで
かなしみを咀嚼せよ
虎たちの夢は光り
鳥は飛ぶ
羽根がなくても
あまりの寂しさに
体からスライムを出せるようになった僕は
だれも覗かない自室の中で強張ると
無色透明な粘液に包まれる
まだらに入った気泡になんだかやすらぐ
必然性を含有していないからだろ ....
夢の中となりに座ったあなたと話すことが出来なかった
夢でもいいから会いたいと願ったあなたがすぐ横にいて
あなたはもはやあなたではなくわたしの心の影法師なのに
あなたを知りあなたの心を慮ることで虚 ....
孤独って やだなあ
最近の君の口癖
孤独ってさ 結局
誰も信じられないってこと
ちょっとさ いろいろあって
結局さ
中二病のガキどもと
全然変わってないんだよね
いい歳をしたオ ....
左側の
下から二本目には
幼い過ちが
絡みついている
右側の
上から四本目には
小狡い鳥が
棲みついている
左側の
上から三本目に
温かい実を
結びつけてくれた人
....
フルートを吹く君の横顔が
紙袋によく似ていたので
ぼくはおもわずクロワッサンを詰めたくなった
取手のない、閉じるときは口を折るだけの
簡素な作りのやつさ
官能をおびやかすものが
永遠に悩み ....
人工知能ってイスに座れないらしい。
ハードから見れば「臀部」が存在していない。
ソフトから見れば「疲れ」を知らないということ。
ゲームからすれば「イス取り」をプレーしたことがない。
....
マスクに包んだ
内緒話で
毒抜きをしてる
唇に何故
チューリップ色の
花が咲くのか
這い上がれ
地上で黙する者よ
線路の外側を
守ってるから
命は雪崩を
起こさなくなる
....
おととい来やがれ は荒くれで
わかってて使うから始末に負えない
おとといお越しやす なら
品よく耳触りもよろしい
だから はんなりと生きたいのだが
自分が許しちゃもらえない
上等じゃねえか ....
冬のまんなか
人のいなくなったリビングで
紅茶が湯気を立てている
季節は
迷うことのない水
人も犬も猫もミジンコも
みんな流れて
泳いでいく
目を開けているのが
辛くなったら
....
僕を支えるためにはそれなりの平面がいる。
いるだけではだめで、ひと時をすごすために、
腰掛であったり、テーブルであったり、
液晶の平面であったりと。生き造るには、
解体されるには、まな板と ....
影はその人の
気を引いてくる
大きくなったり
ぼやけてみたり
スカートの中に
何かを隠し
風のように
遊んだ夜のこと
小さな水溜りの
内側で
ポロンと弾ける
月は輝い ....
私たちは落ち着ける場所を探していた、
静かで、薄暗くて、清潔な場所
それは売りに出されている、と試験監督は言ったんだわ
君たちに買う資格があるかどうかいまから試験を行う
ただし設問も答えも ....
絆っていうことばがあって
糸へんに はんぶん
半、はもともと
牛の意味で
こちらと、むこう
分けられた牛
それをつなぐ綱ということ
絆
それは縛る道具だ
だからこ ....
長い間 探した虹は見つからず
今日の行方を、風に問う
僕の内面にある
方位磁針は
今も揺れ動いている
風よ、教えておくれ
ほんものの人の歩みを
日々が旅路になる術を
群衆の ....
節分の夜に細々と二階の窓を濡らす音がして
外に人影が見えた
こんな遅い夕食時に帰ってくるのは
パチンコで負けて家に入り辛いお父さん
家内と呼ばれる鬼は
温かい部屋で猫と一緒にゴロゴロ ....
ペンのインクが切れた
詩人は詩が書けなくなった
けれども書けない本当の理由は
それではないことを知っていた
切れたのは
ペンのインクではなかった
仕方がないので
詩人は庭に木を植えた
....
大きな欅が伐採された
ものの半日かそこいらで
姿を消した
あっけないほど
たやすく
死んでしまうことは
こんなに簡単
雨を飲み
光を吸収し
息を繰り返し
いくつもの季節をその身 ....
角を曲がると
恐竜がいた
なんだかとても
しょんぼりしている
どうしたんだい、
と声をかけると
絶滅しちゃった…
と声を詰まらせる
仕方ないじゃないか
詳しい事情は知らな ....
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