呼ぶことのない 
部屋のテーブルには
ざくろの 割れた実が ひとつ
むくれている ざくろには
いくつものやみがあって
そのうつろに 
赤黒い眼がおさまっている
ざくろの実に
穿かれた口 ....
命に{ルビ値=あたい}はつけられない
つまりものすごく高価な値って訳だ
生きる値もない奴だって
持っている命の値は計り知れないお宝さ
故に人は高価で尊い
かけがえのない命というものが
こん ....
一旦強い言葉を発すると
優しい言葉や
弱い言葉では物足りなくなって
どこまでも
際限なく強い言葉を探してしまう
言い切ったと言う感覚が
後戻りさせなくするのだ
優しい言葉や弱い言葉ばかり ....
一年に一度
ピアノの屋根は開かれて
確かめられる
狂っている、ことを

どうやら
人の営みから生まれるノイズが
そのうすぐらい闇の中にあった
木や羊が暮らす小さな世界を
ゆるがせなが ....
【おへそ】


りんごちゃんと なづけられた おんなのこ
今日は りんごのようにいいにおい
きのうは もものように いいにおい

林檎のおへそは いいにおい
林檎の ほかのどこの部分よ ....
中学一年のとき
後に野球部主将となる
円行寺くんに
下駄箱で告白されました
僕はノンケでしたので
その思いに応えられなかった
僕はその時
松田聖子に夢中で
彼女を想像しながら
毎日覚 ....
バスでピッてやったら
残額が表示されるけどさ
それって
財布の中身見られんのと
一緒だろ
もし俺の後ろに
連続強盗殺人犯が並んでいて
そんとき残額が5000万だったらどうすんだ
間違い ....
ぞんび

ぞんびがやって来る。
廊下の向こうから
のそーのそー

膝を抱えて
鍋の
煮凝りを
見て
いる

膝の二つの丸い丘
なでなで

凍える身体に
小声で話しかけて ....
新しいメッセージが一通ありました
このまえ
やむにやまれず書いた言葉に
一度は
お気に入りのふせんも
消えてしまった人から
あまりに
懐かしすぎて
そのひとつの
たったひとつのポ ....
はじめに くらやみがあって
(ここまでくるのにながい夜をくぐってきた
一枚いちまい重ねられていく
生まれるまえは
まったくの やみだったと
うすぼんやりとした 
陽だまりの まえにすわって ....
終わらせようと
思っていた

キャッチボール
あなたに
ボールを投げる

あなたが受け止める

あなたが
ボールを投げる

私が受け止める

なんて
自然なんだろう

 ....
今日は私の誕生日
私を祝う人はいない
私は一人、私を祝う。今日まで生きた、私を祝う。

今日はあの子の誕生日
同じ日にうまれた、あの子の誕生日
あの子はまだ小さくて、誕生日の意味もきっ ....
くぐるのか
こえるのか
あたりまえに
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった

きっと時代や風にも乗れるのでしょう
できない者にはいつまでも不思議

なわは蛇のようにうねり
 ....
かあさんがいる。

それだけで

心が心底落ち着く。


ねぇかあさんがいるだけで

心が穏やかなる。


どんな薬もいらない
深い特効薬。


私は安堵の眠りにつく。 ....
堕落論の中に反戦思想を読む人の気が知れない。
十代前半から四十代後半の今までに少なくとも2万回は読んだが、
何回読んでも、8割りがたは戦争礼賛にしか見えない。
事実、戦争中ほど良い世の中はなかっ ....
サザエさんの声優が
一人、また一人と
消えて行く

それでもサザエさんは続く

違和感を感じるのは
最初だけ
次第に慣れ
そして忘れる

己の実存が
掛け替えの無いもの
等と ....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
夕暮れがそっと肩に手をかけて
淡い影が滲んでいく
ちぎれた雲の影が
ひとつずつひとつずつ
心の影のもようだなと
こつこつと
ぽつぽつと
とつとつと呟きながら
うつむくとくるぶしまでがア ....
朽ちたソファに鳥が座って
判子をまっている
ねむたい もう
立っていられない
鳥たちを 待たせたまま
ぐらぐらする頭をはずして
眠ってしまう わたしは 眠ってしまう
判子は
抽斗の ....
生きている人は傲慢だ
やすらかに眠ってください、とは
あたしらへむけての言葉だと思うけど
ほんとのところは
生きている人のための言葉なんじゃないか
そもそも死んだ人が眠ると決めつけてんのは
 ....
カラオケで踊ってくれたPerfume思い出して急に寂しくなった

愛してると僕ばかりが言って 君は返してくれない

  雪だるまのクリームパン 2割引きになってる
  君からの電話がない ....
こころもとなくなる
ここを歩いているといつも
どうしてか
砂地には
足跡は残せず
一本の根さえ張れないと思うのだ
ほってごらんと
父は言った
ほりだすそばから
哀し水がしみだし
確 ....
 
あなたとわたし

その狭間にあるわたし

それだけがほんとのわたし



 
継ぎはぎだらけのタペストリー
隙間から柔らかな風が吹いた気がして

離島が点在する
静かな海をゆく船を夢想する

日常は羅針盤もないスケートボード
リュックひとつでバランスをとって乾いた ....
手を握りしめたまま、
遠く海の彼方から
やってくる風を待つ。
風は、
あらゆる氷山を突き破り、
たったひとつだけ、
この指に絡みついてくる。
このたったひとつの風は、
幾多の激流を乗り ....
潮の満ち引きが鼓動と繋がっていた
あるときは優しく
或る時は激しく
わからないままに彷徨う姿は
赤や青に点滅する

夜中の踏切を渡ろうとしても
遮断機があがることはなかった
待ちくたび ....
π(パイ)


二畳ほどもある焼き釜は
林檎とシナモンの焼ける
例えようのない良い薫りです

どれほどの林檎が燃え盛る炎に
くべられたか その林檎の数には限りがありません
讃えようも ....
野良が挨拶しているよ

疲れた毛を励まして
露出した皮膚を隠し
道の真ん中を
人々の営みの中を
堂々と
野生の威厳を振り撒き
声ひとつたてず
冷たい日差しを歩いているよ

こそこ ....
外ではもう
クリスマスの鐘が鳴ってる

結婚したら新居を建てよう、と言われて
戸惑ってる

この世の中にあるもので
あなたの持ち物はあなただけよと
育てられて
まだそれを信じてる
 ....
Lucyさんのおすすめリスト(6469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ざくろ- 光冨郁埜自由詩12*15-12-23
命と塵の話- ただのみ ...自由詩11*15-12-23
強い言葉- 花形新次自由詩415-12-23
ユニゾン- そらの珊 ...自由詩24*15-12-22
おへそ- るるりら自由詩16*15-12-22
マス岡きっこ「ホモダチ」- 花形新次自由詩415-12-21
Suica考- 花形新次自由詩115-12-21
うすくらがり- ふるる自由詩5*15-12-21
新しいメッセージが一通あります- フユナ自由詩1015-12-20
夜の子- 光冨郁埜自由詩23*15-12-20
私がやさしかった頃- umineko自由詩6*15-12-20
12月20日- きよ自由詩515-12-20
なわとびあそび- ただのみ ...自由詩20*15-12-19
かあさん。- しんおん ...自由詩4*15-12-18
大陰唇論- 花形新次散文(批評 ...415-12-18
消え行くナカジマ- 花形新次自由詩315-12-17
大樹- あおい満 ...自由詩14*15-12-16
スイッチ- ただのみ ...自由詩16*15-12-16
夕暮れもよう- 灰泥軽茶自由詩815-12-16
ソファ- はるな自由詩315-12-16
風の伝言- そらの珊 ...自由詩1715-12-15
雪だるまのクリームパン- 北大路京 ...自由詩1315-12-14
砂浜- そらの珊 ...自由詩1915-12-14
わたし- 殿上 童自由詩22*15-12-13
風とスケートボードと- 梅昆布茶自由詩2215-12-13
狡猾な力- あおい満 ...自由詩515-12-13
閉ざされた夜- レタス自由詩12*15-12-13
アップルパイの2乗- るるりら自由詩23*15-12-12
野良のさよなら- 宣井龍人自由詩24*15-12-12
flow_of_the_skin- mizunomadoka自由詩515-12-11

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