さあここへ
木の若芽

「さあここへ」
                 木の若芽


街の人と里の民が
踊る はやす 祈る
働く つくる 
楽しみ喜んで
太陽に向かって 海に山に向かって
音楽科の父と 画家の子と 詩人の母が
宇宙の大いなる力に向かって
踊る はやす 祈る 感謝して
働く つくる 愛し和して

土を信じて種をまけ
天を信じてわらをふれ
自然を信じて働き
宇宙を信じて遊べ
さすれば
木に神が降りてきて
人を守ってくれる


自然とつながっている それさえわかれば
私はすべてを知っているとわかる
どんな迷いの答えも
どんな謎の秘密も
私の中にあると

木へつながる糸を手繰り
川へつながる縄をたどり
私の行くべきところ なすべきことがわかる
地球のダイナミズム 生命のバランスがわかる
ただひとつ 自然とつながっている それさえわかれば

なんて頼もしい自然と
なんて頼もしい私が
つながって無敵に素晴らしいものが生まれることか


内から表へ 兆すものが成り
湧いてくるものがたぎる
波動となってふるえ
熱くなってほとばしる
中から外へ
意地にならずに素直に
頑固にならずに自由に
自分の中の兆すもの 湧いてくるもの
波動と熱を
笑いながら送り出していける場所が
誰にでも必ずあるよ


あなたを見ればわかる
ころんでも落ちても
あなたの道は消えず途絶えず
私たちと同じ方へ続いている


知らないうちに同じことをし始めている人がたくさんいる
あちこちに きのうあしたに
今ここにいなくても
今だと思ったとき それがここで
ここだと思ったとき それが今なんだ

私は誰かを探している
誰かも私を探している
お互い探し探されあっている

なのに会えない
そうじゃなく
だから会える
いつか

逃げないで 隠れないで
木とともにいよう
追わないで 目立たないで
木とともにい続けよう


わたしのそばへおいでよ
いっしょにすごそうよ
世話はやかない
ただ話をしようよ
お茶を飲んで
そして笑顔を見せ合おうよ
木と木の間にゆきかう空気が生まれるよ


ちょっとだけ直せば大きく変わる
やってごらん
ちょっとだけ直せばいいんだ


自由詩 さあここへ Copyright 木の若芽 2012-10-10 14:38:04
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