朝の空気の
光に濡れた
清々しい香気に、
私の五感はしとしとと沈み{ルビ水面=みなも}をみあげる重く熟した金属の愁い。

空間をよぎる
不透明な視線は、
無知な陽炎となってさえずり虚空を ....
いのちって儚くて 消えてゆく音色に似てるね
このんで選んだその音を いくつもの 指先は奏でていった
記憶だけ残されて

いくつかの歳月の 重なりあった思い出は
通り過ぎて ゆく

あわい ....
大きな 器にそそがれる 水
たっぷん たっぷんゆられても
どっしり
構えていてくれるから そそがれる
沢山の言葉を 呑みこんだ
器よ

ごらん
きみの映した
雲だよ
草の内の金の廃坑
砂に降る雨に
{ルビ慄=ふる}えに
夢みられている原
路のまわりを行き交う
光の灰



今日の最後の雨粒
濡れた手のひらと
空との間にある瞳
雲 ....
岬の先の夕暮れ
小さな星を示して
十光年離れているから
あれは十年前の光だ
と、言う君は
教科書のようだ

でも今見えている星は
そのまま今
の、{ルビ一番星=シリウス}

足摺 ....
お前のおっぱいの感触なんて殆ど覚えて無いんだぜ
小さくて小さくて可愛いおっぱい
小さくて小さくて可愛いおっぱい

思い出しただけで涙が出てくるよ
もうあの頃には戻れない
おかげで
その夜
人間は初めて
魂を分かち合った
誰もが泣いた
泣かない人間はいなかった

ひとしきり泣いたあと
その罪の重さに耐えかねて
誰もが死んだ
死なない人間はいなかっ ....
想いはどこへ連れて行こう
涙はどこで手放そう
忘れられないことばかりを持って
僕らは何度もここに生まれた

円く繋がった道を歩こう
いつまでも終われない街を抜けよう
ガードレールの上で両 ....
しゅくだいは
まえのひまでに
やればいい

ちからいれて
やらなくていい

それなりに
てのとどくところまで
やればいい

ろくじゅうごてん
とれれば さいこう
べつに
さ ....
こころの 
やぶれあなから
ひかりがさしこんで
ねむれない

あいまいな よる

ねむっているような
ねむっていないような
ふわふわと かたむいた
やみのなかで

ねむりは
 ....
萎れて帰る我が家の庭に
散ることのない
名も知らぬ紅のもみじ

さわさわ揺れて
ただ
さわさわと揺れて

それは母の
贈りもの

この言葉のどれも
そのもみじを見るわたしのここ ....
夏を知らせに
来たんだよ

始まりは
白だったかな

密の味は
甘かったかな
わたしのカラダ。
植物のツタのようにほそくねじれて、
せかいの天蓋にむけて、
のびていきます。

くるぶしまでのひたる水。
は さざなみのように、
わたしをすくめ。

日のひかりいっ ....
風景は翠に染まり
懐かしい記憶に薄荷の味がする

今、ひんやりと誰かの影が映った

声を掛けようとしたら
今日の霧雨が人差し指の形になって
口元を制止する

濡れそぼった公園のベンチ ....
君が綺麗な貝殻が欲しいというので
もう夕暮れだというのに海へ
そう人工海岸だったけれど
すっかり自然が染み込んで
目を凝らせば小さな小さな生き物もいる
クラゲもゼラチンの肌で打ち上げられ ....
うちの紫陽花は
空に恋したスカイブルー
緑濃くなる毎日に
徐々に徐々に青ざめていく
雨にけぶる緑に
空が忘れないでと
呟いていくの
もらいものだけど
よかったら

このてをきみに
あずけるよ

すこしかるくできたら
いいな



もらいものだけど
よかったら

このつまさきをきみに
かしだすよ

 ....
夜に、わたしは 
はしたないほど口を開けますから 
どうぞそこから私の中に 
入っておいでなさい
 
内側から私を喰い尽くして 
やがて空洞になった私の躰は 
それでもまだぬるま湯ほ ....
ビョー、ビョー
吹く風は
騒がしく切なくて
そのくせに甘えて拗ねて
おまえ何様なんだよと
ふくれたら
おまえの知らない偉い神様に仕えて居るんだよと
ふてぶてしい顔になって
偉い勢いで吹 ....
笑ってたんだ
笑ってたんだ
きっと
あったかい土に抱かれて
優しい雨に愛されて
まだ見ぬ地上の風に憧れて
君たち 泥んこぼうず達は
笑って
幸せに
暮らしてたんだ
そして 素直に育 ....
どうしよう なきそうだ

いままで あまえていた 

ははの 

せなかから

すべりおちてしまった みたいだ

あんまり

ちいさくなっていたから

なでてあげようとした ....
こんぺいとう 目を閉じ頬に手 しゃりしゃりしゃり
たったひとつで 幸せの姫

ケチャップで うさぎが先っ! ぞぉーが先っ!
コラコラ押すなよ ほーらこんなになっちゃった

{ルビ祖父祖母= ....
雨の天使が
岩の物語を読んでいる
{ルビ静寂=しじま}と{ルビ静寂=しじま}を
鳥の声が{ルビ継=つな}ぐ
焼き捨てられた本の煙
地から天へ帰る雨



恵みの恵み
 ....
レインコートを身にまとい
土砂降りの朝をゆく
雨の
一粒一粒は
私の中に入ろうとして

もがく
流れる
つたって落ちる

あなたは
ていねいになぞってくれた
私の中に入ろうとし ....
雨を見る蝶
草を分ける黒い道
滝の音にふりかえり
光が空を割るのを見る
西の半分がとても暗く
夜風は水のにおいになってゆく



壊れた傘が
春を乗せたまま川を流れ ....
僕は、女が欲しい
女のかたちではなく、女というものだ
できれば女のかたちに入っていると
うれしいが
それが別のかたちでもかまわない

君がもしも男だとしたら
僕は女というものになりた ....
君の瞳に住む子犬は元気ですか?

ときどき聴こえてくる鳴き声は
わたしの胸をしめつけます

かわいかったたったひとりの親友
あの時かかえて逃げちゃえばよかったな

抱きつきすぎて嫌がら ....
まだ暗き
湖のほとりに
銀の鈴ひとつ

小さく小さい音
カップに注ぐハーブティー
白樺林にミント香る

チッチッ、チッチッ、チィ、と何の鳥かな

ほのほのと霧のかかる
湖のほとり ....
醤油が
涙の味に思えて
よく考えたらそれは
だしつゆで
涙には
だしがきいているのだと
気がついたわけだ


だしつゆかけて
菜の花を茹でて食べた

しばらく泣いていないので
 ....
耐震強度を偽装した家で
地震計を作っている
冗談のような本当の話をしたら
誰も本当のこととは
思ってくれない
何回言っても信じてくれないから
やっぱりあれは冗談だよと
頭をかいたら
み ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
透過- こしごえ自由詩19*06-5-26
さくらさく_ら- ひより自由詩5*06-5-26
うつわ- ひより未詩・独白2*06-5-25
水と日- 木立 悟自由詩206-5-25
星よ、ほしよ- たりぽん ...自由詩1306-5-25
おっぱい- 虹村 凌自由詩1*06-5-25
あたらしい武器- いとう未詩・独白15*06-5-25
蒼送- 霜天自由詩1606-5-25
宿題- こむ自由詩3*06-5-25
よる- こむ自由詩4*06-5-25
散らぬ- 蒼木りん未詩・独白206-5-24
ドロップス- LEO携帯写真+ ...12*06-5-24
色彩のカラダ- 光冨郁也自由詩706-5-24
ラブ・アンド・ピース- 銀猫自由詩12*06-5-24
貝ひろい- ベンジャ ...自由詩4*06-5-24
*あじさい*- かおる携帯写真+ ...9*06-5-24
もらいもの- 松本 涼自由詩4*06-5-24
いかまほしきは- 落合朱美自由詩42*06-5-23
パラソル- あおば未詩・独白4*06-5-23
新じゃが- さち自由詩18*06-5-23
せなかをみつめる- さち自由詩10*06-5-23
いやーん、ばかーん、愛娘たちよ- 佐野権太短歌13*06-5-23
水の羽- 木立 悟自由詩706-5-23
レインコート- umineko自由詩10*06-5-23
二季夜香- 木立 悟自由詩606-5-23
きみのかたち、ぼくのかたち- たりぽん ...自由詩14*06-5-23
瞳の子犬- アサリナ自由詩4+*06-5-23
白樺林- ふるる自由詩8*06-5-22
だし- 蒼木りん未詩・独白406-5-22
ニュースの時間- あおば自由詩7*06-5-22

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